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老犬のご飯|シニア犬に必要な栄養と量・回数・ふやかし方とフードの選び方

愛犬が年を重ねると、若い頃と同じごはんでいいのか、量や回数はこのままでいいのか——ふとした瞬間に、ごはんの時間が心配ごとに変わっていくことがあります。食べる勢いが落ちてきた、少し残すようになった、そんな小さな変化に気づくたび、「この子に合った食事をしてあげたい」という気持ちが強くなるものです。

この記事では、シニア期の犬に必要な栄養やごはんの回数・量の目安、ふやかし方や食器の工夫、シニア用フードの選び方までを、当メディア編集部が公式情報や一般的な飼育の考え方をもとに整理しました。介護や看取りの時期に食が細くなったときの向き合い方にも、静かに触れています。無理をさせず、その子のペースに寄り添うための参考になればと思います。

飼い主さん
最近ごはんをゆっくり食べるようになって。老犬になったら、ごはんって変えたほうがいいんでしょうか?回数や量も、今のままでいいのか気になっていて。
編集部
年齢とともに必要な栄養やカロリーは変わっていきます。量や回数、食べやすさを少しずつ見直すと、その子に合ったごはんに近づけます。この記事で、日々の食事管理のポイントを一緒に整理していきましょう。

一言でいうと、シニア犬のごはんは「消化しやすさ・食べやすさ・栄養バランス」を軸に、量は控えめ・回数は多めへ少しずつ調整していくのが基本です。急に食べなくなった・水も飲まない・ぐったりしているといった変化は、食事管理ではなく受診の目安になります。

シニア期にご飯を見直したほうがいい理由

穏やかにくつろぐ高齢の犬
写真はイメージです

犬は一般的に7歳前後からシニア期に入るといわれ、小型犬と大型犬では老化のペースにも差があります。見た目は元気でも、体の中ではさまざまな変化が静かに進んでいきます。今までと同じごはんを続けていると、少しずつ体に合わなくなっていくことがあるため、この時期の食事の見直しはとても大切です。

必要なカロリーと運動量が減っていく

年齢を重ねると運動量や基礎代謝が落ち、若い頃ほど多くのエネルギーを必要としなくなります。同じ量を食べ続けると体重が増えやすくなり、足腰や心臓への負担につながることもあります。反対に、食が細くなって必要な栄養が足りなくなる子もいます。太りやすいのか痩せやすいのかはその子によって違うため、体重や体型を見ながら量を調整していくのがシニア期の基本です。

消化する力・噛む力が落ちてくる

胃腸の働きや消化吸収の力は、加齢とともにゆるやかに低下していくとされています。脂肪分の多いフードが胃もたれの原因になったり、硬い粒が噛みにくくなったりすることも。歯や歯ぐきのトラブルが増える時期でもあるため、消化にやさしく、噛む力が落ちても食べやすい形状かどうかは、見直しの大事な視点になります。

嗅覚・味覚が鈍り、食の好みが変わる

犬は匂いで食欲のスイッチが入る動物ですが、シニア期には嗅覚や味覚が鈍くなり、食べ物の匂いを感じ取りにくくなるといわれています。「前は喜んで食べていたのに、最近は反応が薄い」と感じるのは、わがままではなく感覚の変化が背景にあることも多いのです。香りが立ちやすいごはんの出し方が、食欲を保つ助けになります。

シニア犬のご飯の量・回数・間隔の目安

愛犬にごはんを用意する飼い主
写真はイメージです

「1日何回あげればいい?」「量はどのくらい?」という疑問は、シニア犬の食事でとくに多いものです。基本の考え方を整理しておくと、その子に合わせて調整しやすくなります。

量は「パッケージ表示×体重」を起点に、体型を見て微調整

1日に与える量は、フードのパッケージに記載された体重ごとの給餌量の目安を出発点にします。ただしこれはあくまで平均値で、シニア犬は代謝や運動量に個体差が大きいため、そのまま鵜呑みにはできません。定期的に体重を量り、あばらに軽く触れられる程度の体型を目安に、少しずつ増減させていくのが安心です。持病がある子は、必ずかかりつけの獣医師に適量を相談してください。

回数は1日2回から、食が細ければ3〜4回の「少量頻回」へ

成犬期は1日2回が一般的ですが、一度にたくさん食べるのが体力的につらくなってきた子には、同じ総量を3〜4回に分ける「少量頻回」が向いています。回数を増やすと胃腸への負担が減り、食べムラのある子でも合計量を保ちやすくなります。ごはんの間隔は極端に空けすぎず、日中に均等に配分するイメージで、その子の食欲が出やすい時間帯を見つけていきましょう。空腹の時間が長すぎると、胃液で気持ち悪くなって食べにくくなることもあります。

なお、量や回数を工夫しても食べる量がなかなか戻らない、急に食べなくなった、という場合は、食事管理とは別の対処が必要になることがあります。犬全般の「食べない」ときの原因と見極めについては、こちらもあわせてご覧ください。

食べやすくする食事の工夫|ふやかし方・食器・食べさせ方

やわらかくふやかしたごはんを用意する様子
写真はイメージです

シニア犬では、ごはんの中身だけでなく「出し方」を工夫するだけで、ぐっと食べやすくなることがあります。今日から試せるものを順にまとめました。

1人肌のぬるま湯でふやかし、香りを立たせる

ドライフードを人肌程度(35〜40度目安)のぬるま湯で10〜15分ふやかすと、やわらかくなって噛みやすくなり、温もりで香りも立って鈍くなった嗅覚に届きやすくなります。熱湯は栄養素を壊しやすいので避け、ふやかした後は傷みやすいので放置せず早めに与えましょう。急にふやかすと便がゆるくなる子もいるので、様子を見ながら取り入れてください。

2食器の高さを上げて、飲み込みやすい姿勢に

床置きの器を、首を大きく下げずに届く高さ(立ったときの胸の下あたりが目安)に上げると、飲み込みやすく、首や足腰への負担も軽くなります。脚付き食器のほか、手持ちの箱や台で高さを出しても構いません。滑り止めマットを敷くと足元が安定し、落ち着いて食べられます。

3器の素材・形を、その子に合わせて見直す

ひげが縁に当たるのを嫌がる子には浅く広い器、こぼしやすい子には縁が立ち上がった器、といった具合に、器を替えるだけで食べやすくなることがあります。反射光をまぶしがるようなら、光りにくい陶器やステンレスに替えてみるのも一つです。

4香りのトッピングで食欲のスイッチを入れる

ゆでたささみのゆで汁や、犬用ウェットフードを少量あたためて混ぜると、香りが立って食いつきが変わることがあります。ただしネギ類や味付きのものなど人の食べ物は与えず、トッピングは総合栄養食を主役にした“ひとさじ”にとどめましょう。

5手から与える・静かな環境に整える

甘えや不安から、手のひらから差し出すと食べてくれる子もいます。人の出入りが少ない静かな場所に食事の場を移す、ほかのペットと器を離す、といった小さな見直しも、落ち着いて食べる助けになります。

これらの工夫で、シニア犬の「食べづらさ」の多くはやわらぎます。それでも食が細い状態が続くときは、次に食べ方と経過時間から緊急度を見きわめておくと、落ち着いて対応できます。

食べ方と経過時間で見る、様子見と受診の目安

日々のごはんを見守るなかで迷いやすいのが、「どこまで工夫で見守っていいか」「いつ相談すべきか」という線引きです。判断は「どんな食べ方か(水やおやつはとれるか、元気はあるか)」と「どのくらいの時間食べていないか」の組み合わせで考えると整理しやすくなります。

シニア犬の食事を、食べ方と経過時間で見る様子見・受診の目安マトリクス
食べ方×経過時間でみる目安(当メディア編集部作成)

とくに「水も飲まない」「ぐったりして反応が鈍い」「嘔吐や下痢を伴う」場合は、経過時間の長さにかかわらず、工夫を試すより先に受診してください。シニア犬は若い犬にくらべて絶食への耐性が低いとされ、丸1日食べないだけでも体力を大きく消耗することがあります。「様子見は長くても1〜2日まで」を一つの目安に、迷ったときはかかりつけの動物病院に電話で相談すれば、受診の要否を教えてもらえます。

反対に、量は減り気味でもゆっくりごはんを食べ、水も飲め、元気もあるという段階なら、前の章の食事の工夫を続けながら、体重や便の様子を記録して見守っていける可能性が高いといえます。あくまで一般的な目安で、最終的な判断は必ず獣医師にゆだねてください。

シニア期のフードを見直す|選び方とおすすめ

愛犬のごはんを見直す飼い主
写真はイメージです

工夫を重ねても食が細い、体重が落ちてくる——そんなときは、フードそのものが今の体に合わなくなっているのかもしれません。シニア犬向けにフードを選ぶときは、次の4つの視点で見ると失敗が少なくなります。

  • 香りの立ちやすさ:嗅覚が鈍っても食欲を刺激できるか。動物性原材料が主役で、ふやかしても風味が出るか
  • 粒の大きさ・食べやすさ:あごの力が落ちても噛みやすい小粒・砕けやすい粒か。ふやかしに向くか
  • 消化への配慮:胃腸への負担が少ない原材料・設計か。穀物の量や添加物にも目を向ける
  • 栄養バランス:シニア期の体づくりに配慮した配合か(腎臓病など持病がある子は、必ず獣医師に相談を)

ここでは、当メディア編集部が公式サイトの情報をもとに、シニア期の切り替え先として検討されることの多い犬向けフードを3つ調査しました。いずれも動物性の原材料を主役にしたレシピで、食いつきへの期待から選ばれることが多いフードです。なおフードの切り替えは、今のごはんに少量ずつ混ぜながら1〜2週間かけて進めると、お腹への負担を抑えられます。効果には個体差があるため、その子の様子を見ながら選んでください。

フード名 タイプ 特徴 こんな子に
モグワン グレインフリーのドライ(小粒リング型) チキンとサーモンが主役。ふやかし対応で香りを出しやすい 香りで食欲を引き出したい・小粒が好みの子
ネルソンズ グレインフリーのドライ(中粒) チキンを主原料に、消化に配慮した設計 チキン好き・まだしっかり食べられる子
カナガン グレインフリーのドライ 動物性たんぱくを主役にした英国発のレシピ 食が細くなってきた・切り替えを幅広く比べたい子

モグワン

モグワン公式サイトのトップページ
出典:モグワン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

チキンとサーモンを主役にした、ヒューマングレードの食材を使う小粒ドライフードです。中央に穴の空いたリング型で、あごへの負担が少なく、ぬるま湯でふやかす食べ方も公式サイトで案内されています。全年齢対応のため、シニア期の切り替え先として検討されることが多いフードのひとつです。口コミでは食いつきへの評価が見られる一方、体に合うかは個体差があるため、少量ずつ試すのがおすすめです。

基本情報: 主原料=チキン・サーモン/タイプ=グレインフリーのドライ(小粒リング型)/対象=全年齢/内容量=1.8kg(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

モグワン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量、最新の価格は公式サイトでご確認ください

ネルソンズ

ネルソンズドッグフード公式サイトのトップページ
出典:ネルソンズドッグフード公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

チキンを主原料にした、グレインフリー設計のドライフードです。動物性たんぱくをしっかり使いつつ、消化への配慮をうたっており、まだ噛む力のあるシニア犬の主食候補として選ばれています。粒はモグワンより大きめのため、あごの力が落ちてきた子はふやかして与えると食べやすくなります。切り替え時は、いつものごはんに混ぜながらお腹の様子を見て進めましょう。

基本情報: 主原料=チキン/タイプ=グレインフリーのドライ(中粒)/対象=成犬〜シニア/内容量=公式サイト参照(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ネルソンズ 公式サイトはこちら

原材料や給餌量、最新の価格は公式サイトでご確認ください

カナガン

カナガン公式サイトのトップページ
出典:カナガン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

動物性たんぱくを主役にした、英国生まれのグレインフリードッグフードです。チキンをはじめとする原材料にこだわり、全年齢対応のレシピとして幅広い年代に選ばれています。粒に穴の空いた形状で噛みやすく、ふやかしにも向くため、食が細くなってきたシニア犬の切り替え候補として検討しやすいフードです。合う・合わないは個体差があるので、少量から試しましょう。

基本情報: 主原料=チキン/タイプ=グレインフリーのドライ/対象=全年齢/内容量=公式サイト参照(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

カナガン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量、最新の価格は公式サイトでご確認ください

手作りご飯と、動物病院に相談する目安

動物病院で獣医師に相談する様子
写真はイメージです

手作りご飯は「栄養バランス」に注意して

「老犬 手作り ご飯」で調べる方も多く、食欲が落ちた子に温かい手作り食を用意してあげたいという気持ちは自然なものです。ゆでたささみや野菜を使った手作りごはんは、香りや水分をとりやすいという良さがあります。一方で、犬に必要な栄養素をすべて手作りだけでそろえるのは簡単ではなく、長期間、手作り食だけに切り替えると栄養が偏るおそれがあります。総合栄養食を主役にしつつ、手作りは香り付けやトッピングとして取り入れる、あるいは獣医師や専門家の設計したレシピを参考にするのが安心です。ネギ類・チョコレート・ぶどうなど犬に有害な食材は避けてください。

動物病院に相談したほうがよいサイン

食事の工夫は日々のケアの土台ですが、次のような様子が見られるときは、食事管理よりも受診を優先してください。

  • 丸1日以上まったく食べない/水も飲まない
  • ぐったりして反応が鈍い、立ち上がれない
  • 嘔吐や下痢を繰り返す、血が混じる
  • 短期間で目に見えて体重が落ちてきた
  • 口を痛がる、よだれが増える、食べこぼしが急に増えた

これらは、加齢だけでは説明しにくい体の不調のサインとされます。とくにシニア期は腎臓病や歯周病、腫瘍などが背景にあることもあり、早めの受診がその子の負担を軽くすることにつながります。猫の食欲不振について知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

看取り期の食との向き合い方

穏やかに寄り添う高齢の犬と飼い主
写真はイメージです

介護や看取りの時期に入ると、どんなに工夫をしても食べられなくなっていくことがあります。フードを替えても、手から差し出しても口をつけない——その様子を見るのは、飼い主にとってとてもつらい時間です。けれど、体が食べ物を受けつけにくくなっていくことは、命の自然な流れの一部でもあります。

この段階では、「たくさん食べさせること」よりも、その子が心地よく過ごせることに目を向けてあげてください。無理に口へ運ぶと、かえって苦しくさせてしまうこともあります。好きだったものの匂いをそっとかがせる、水分だけでもとれるようにする、シリンジでの少量の給餌が必要かどうかを含め、その子にとって何が負担にならないかは、看取りに理解のある獣医師と相談しながら決めていくのが安心です。

食べる量が減っていくことは、あなたのお世話が足りないからではありません。最期まで寄り添い、静かにそばにいてあげること自体が、その子にとって何よりの支えになります。どうか、ご自身を責めないでください。

よくある質問

Q老犬のご飯は1日何回あげればいいですか?

A成犬期と同じ1日2回を基本にしつつ、一度にたくさん食べるのがつらそうな子や食が細い子は、同じ総量を3〜4回に分ける「少量頻回」がおすすめです。回数を増やすと胃腸への負担が減り、合計量も保ちやすくなります。その子の食欲が出やすい時間帯に合わせて配分してみてください。

Qドライフードはふやかしたほうがいいですか?

A噛む力や飲み込む力が落ちてきた子、嗅覚が鈍って食欲が落ちてきた子には、ふやかしが有効なことが多いです。人肌程度(35〜40度目安)のぬるま湯で10〜15分ふやかすと、やわらかく香りも立ちます。熱湯は栄養素を壊しやすいので避け、ふやかした後は早めに与えましょう。元気にドライを食べられている子は、無理にふやかす必要はありません。

Qシニア用フードにはいつ頃切り替えるべきですか?

A犬種や体格によって差はありますが、7歳前後を一つの目安に、体重の増減や食べる勢い、便の様子を見ながら検討するとよいでしょう。切り替えるときは、今のごはんに少量ずつ混ぜながら1〜2週間かけて進めると、お腹への負担を抑えられます。持病がある子は、切り替え前に獣医師に相談してください。

Q老犬が痩せてきました。ご飯を増やせば大丈夫ですか?

A食事量の不足で痩せている場合は量や回数の調整が助けになりますが、シニア期の体重減少は病気が背景にあることも少なくありません。よく食べているのに痩せる、短期間で目に見えて減ったという場合は、自己判断で量を増やす前に一度動物病院を受診し、原因を確認することをおすすめします。

※本記事の料金・製品情報は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。気になる症状は動物病院にご相談ください。

まとめ|その子のペースに合わせた、やさしいごはんを

シニア犬のごはんは、量を控えめに・回数を多めに調整し、消化しやすさと食べやすさ、栄養バランスを軸に見直していくのが基本です。ふやかしや食器の高さ、香りのトッピングといった小さな工夫の積み重ねが、食べる楽しみを長く支えてくれます。フードを替えるときは少量ずつ、体の様子を見ながら。そして、食が細くなってきたときや気になる変化があるときは、迷わずかかりつけの獣医師に相談してください。

ごはんの時間は、その子と過ごす何気ない、けれどかけがえのないひとときです。細くなっていく食も、そのままのその子を受けとめながら寄り添っていけますように。あなたとその子の毎日が、穏やかであたたかいものでありますように。

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