牧草をかじる音、名前を呼ぶと返ってくる小さな鳴き声。手のひらより少し大きいくらいの体で、家のなかにたしかな居場所をつくっていたモルモット。その子が動かなくなった今、「火葬してもらえるのだろうか」「こんなに小さな体で、お骨は残るのだろうか」と、検索の手が止まらない方もいらっしゃると思います。
モルモットは犬や猫にくらべて、まわりに同じ経験をした人が少ない生きものです。相談できる相手が見つからないまま、たったひとりで調べていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そのうえ、小動物の火葬は業者によって受け付けの可否が分かれることもあり、電話をかける前から不安になってしまうかもしれません。
この記事では、編集部がペット火葬業者の公式サイトや自治体の案内を調べ、モルモットの火葬に対応している業者の探し方、お骨の残り方、費用と時間の目安、自治体に引き取ってもらう場合の扱いを静かに整理しました。急いで決めなくて大丈夫です。落ち着いて読み進めていただければと思います。


一言でいうと、モルモットも犬や猫と同じように火葬でき、返骨のある形式を選べばお骨を手元に残せます。ただし小動物の受け入れ可否と、お骨の残り方は業者によって差が出やすいため、申し込みの前に確認しておきたい点がいくつかあります。
モルモットが亡くなったあと、まず落ち着いてしたいこと

モルモットは体が小さいぶん、亡くなったあとの変化が犬や猫よりも早く進みやすい生きものです。火葬や埋葬までのあいだ、体をできるだけ穏やかな状態で保ってあげたいところですが、難しいことをする必要はありません。
ペット火葬事業者の案内では、清潔な箱にペットシーツや新聞紙を敷いて寝かせ、保冷剤やドライアイスで冷やしながら涼しい部屋で安置する方法が共通して紹介されています。小さめの箱にそっと休ませてあげると、そのまま火葬にお連れしやすくなります。保冷剤はタオルで包み、直接体に当たらないようにして、お腹まわりと背中側に添えてあげると安心です。
目や口が開いたままのときは、無理に閉じようとせず、そのままで大丈夫です。体をきれいにしてあげたいときは、ぬるま湯で湿らせた布でそっと拭う程度にとどめます。ドライヤーで乾かす、強くこするといったことは避けてください。
夏場であれば1〜2日、涼しい時期でも数日以内には見送りの日を決められるよう、業者に連絡を取っておくと落ち着いて進められます。ただ、「今日中に決めなければ」と急ぐ必要はありません。ご家族がそろってお別れできる日を選ぶための時間も、大切な時間です。
モルモットの火葬は受け付けてもらえる?小動物の受け入れは業者ごとに違います

結論からお伝えすると、モルモットの火葬に対応している業者は全国にあります。たとえば大阪ペット斎場は、小動物火葬の対応動物として「ハムスター・リス・小鳥類・ハリネズミ・フェレット・モルモット・デグー・うさぎ・亀・爬虫類」を挙げています。埼玉のつむぎ舎も、モルモット・デグー・チンチラ・ハリネズミなどを小動物の火葬対象として案内しています(いずれも執筆時点の各社公式サイトより)。
一方で、すべてのペット火葬業者が小動物を受け付けているわけではありません。犬や猫を中心に扱っていて、小動物やエキゾチックアニマルの火葬は経験がないという業者もあります。断られてしまっても、その子が見送ってもらえないわけではありません。小動物の対応実績がある別の業者を探せば、きちんと引き受けてもらえます。
探し方としては、次のような方法があります。
- 「モルモット 火葬 + お住まいの市区町村名」で検索し、小動物の対応が明記された業者を探す
- ペット火葬の紹介サービスに、モルモットであることを最初に伝えて対応可能な業者を紹介してもらう
- お住まいの自治体の窓口で、動物の遺体の引き取りの取り扱いを確認する(自治体によって扱いは大きく異なります)
- モルモットを診てくれる動物病院に、提携している火葬業者がないか相談する
問い合わせの際は、最初に「モルモットです」「体重は約◯グラムです」と伝えると話が早く進みます。モルモットの成体の体重は、一般にオスで900〜1,200グラム前後、メスで700〜1,000グラム前後と紹介されています。多くの業者の料金表では「2kg未満」「小動物」といった最小の体重帯に入りますが、この枠は業者によって区切りが違うため、体重を伝えたうえで見積もりを聞くのが確実です。
\ 詳細・ご相談は公式サイトから /
近くに小動物対応の業者が見つからないときは、全国の提携業者から対応できるところを案内してもらえる相談窓口もあります。モルモットであることを最初に伝えて、受け入れの可否と総額を確認してみてください。
モルモットのお骨は残るのか——先に知っておいていただきたいこと

「モルモット 火葬 骨」は、このキーワードでよく調べられている組み合わせのひとつです。それだけ多くの方が、同じところで不安になっているということなのだと思います。ここは、あとでがっかりしてしまわないように、正直にお伝えしておきたい部分です。
大阪ペット斎場は小動物の火葬について「お骨はしっかり残ります」と案内しており、実際にモルモットの大きさであれば、お骨が形として残ることは十分にあります。1kg前後という体格は、ハムスターや小鳥にくらべればしっかりしています。
ただし同時に、小動物のお骨がどれだけ残るかは、火葬する側の技術と設備に大きく左右されます。福岡県糸島市の動愛園は「丁寧にご火葬を行えば、きちんとお骨は残ります」としたうえで、火力や風量を細かく調整すること、温度が高すぎると骨がもろくなり低すぎると火葬が不完全になることを説明し、経験と専用器具が必要だと記しています。東京都八王子市のペット霊園も、モルモットの火葬について、お骨が残る一方で粉状になることもあると案内しています(いずれも執筆時点の各社公式サイトより)。
お骨が残りにくくなる理由として説明されているのは、主に次の点です。
- 大型動物用の火葬炉では、小さな体に対して火力や風力が強すぎることがある(風で細かなお骨が飛んでしまう)
- 小動物の骨はもともと細く薄く、高温にさらされるともろく崩れやすい
- 高齢だったり、闘病で体が弱っていたりすると、骨密度が下がって残りにくくなることがある
近年は小動物専用の火葬炉を備えた業者も増えており、火力と温度を細かく調整することでお骨を残しやすくしていると説明する事業者もあります。それでも、丁寧に火葬しても粉状に近い形でしか残らないことはあります。もし手元に戻ってきたお骨がひとつまみほどの量でも、それはその子のすべてです。少なかったからといって、雑に扱われたということではありません。
できるだけ残してあげたい場合は、申し込みの前に次の点を確認しておくとよいでしょう。
- モルモット(小動物)の火葬実績があるか、お骨の残り方について説明してもらえるか
- 小動物用の炉があるか、火力・温度を調整する工夫をしているか
- 返骨のある形式(個別火葬)かどうか、小さな骨壷が料金に含まれるか
- 骨上げに立ち会いたい場合、立会個別火葬に対応しているか
- お骨が思ったより残らなかった場合、どのように扱ってもらえるか
また、副葬品にも小動物ならではの注意があります。大阪ペット斎場は「小さなペットの小さなお骨はとても繊細で、一緒にご火葬出来る物を制限させて頂いています」と案内しています。牧草やおやつ、大きなぬいぐるみなどを一緒に入れると、燃えた灰がお骨に混ざったり、燃焼の妨げになったりすることがあるためです。何を入れられるかは、必ず事前に業者へ確認してください。
モルモットの火葬にかかる費用と時間の目安

モルモットの火葬費用は、犬や猫と同じく「合同火葬」「個別一任火葬」「立会個別火葬」のどれを選ぶかで大きく変わります。多くの業者は体重別の料金表を用意しており、モルモットは最小の体重帯に入ることがほとんどです。
| 火葬の形式 | 費用の目安(税込・執筆時点) | お骨の返却 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 合同火葬(霊園供養) | 8,500円〜 | 返骨なし(霊園の合同墓などで供養) | 費用を抑えたい/霊園で供養してもらいたい |
| 個別一任火葬 | 15,400円〜 | 返骨あり(骨壷に納めて返却) | お骨を手元に残したい |
| 立会個別火葬 | 17,600円〜 | 返骨あり(骨上げに立ち会える) | 最後までそばで見送りたい |
上の金額は、全国対応のペット葬儀110番が公式サイトで案内している最小体重帯のプラン料金(霊園供養プラン8,500円〜、個別火葬一任プラン15,400円〜、個別火葬家族立会プラン17,600円〜/いずれも税込・骨壷代込み)です。対応エリアや加盟店によって金額が変わることが同社サイトにも明記されています。
また、モルモットの火葬ページを設けている事業者のひとつでは、合同火葬1万円から、個別一任火葬1万5千円から、個別立会火葬1万8千円からと案内されています(公式に税込/税抜の記載なし・執筆時点)。
これらはあくまで一例で、地域・出張の有無・骨壷のグレードなどで総額は変わります。申し込みの前に「これ以外にかかる費用はありますか」と一言たずねて、総額を確認しておくと安心です。出張費、深夜早朝料金、骨壷代、送骨の費用などが別建てになっている場合があります。
火葬にかかる時間は、モルモットのような小さな体であれば短めです。体重の軽い小動物の火葬時間を30分前後と案内している事業者もあります。立会個別火葬を選んだ場合は、お別れの時間・火葬・冷却・骨上げを合わせて、全体で1〜2時間ほどを見ておくと落ち着いて過ごせます。冷却の時間をきちんと取る業者ほど、細かなお骨を崩さずに拾いやすいともいわれます。
自治体に引き取ってもらう場合と、庭に埋葬する場合

民間の火葬業者に依頼するほかに、お住まいの自治体に引き取ってもらう方法もあります。ただし、自治体の引き取りでは、原則としてお骨は返ってきません。この点は、あとから知って悔やまれる方が多いところなので、先にお伝えしておきます。
たとえば大阪府堺市は、亡くなった犬や猫などの小動物について、収集に来てもらう場合は1回1,900円、清掃工場へ持ち込む場合は無料と案内したうえで、「ご遺骨・ご遺灰はお返しできません」と明記しています。市が案内する動物専用炉での焼却は重量別で、2kg未満は1体1,000円と示されています。「ご遺骨の返還や個別での火葬を希望する場合は民間の動物霊園等へ」というのが、多くの自治体に共通する案内です(執筆時点の各自治体公式サイトより)。
自治体によって、引き取りの可否・手数料・持ち込みの方法は大きく異なります。モルモットのような小動物を対象に含めているか、家庭ごみとしての取り扱いになるのかも自治体ごとに違いますので、検討される場合は「お住まいの市区町村名+動物の死体 引き取り」で公式ページを確認してみてください。
庭に埋葬したいと考える方もいらっしゃると思います。ペットの遺体は私有地であれば埋葬できるとされていますが、いくつか注意したい点があります。
- 埋められるのは自分の所有する土地のみ。公園・河川敷・借地・共有地には埋められない
- 浅いと雨で流れ出たり、ほかの動物に掘り返されたりすることがあるため、十分な深さが必要とされる
- プランターや鉢は土の量が少なく、分解が進みにくいため、埋葬先には向かないとされる
- 引っ越しの可能性がある場合は、あとから移すのが難しいことを踏まえて考える
モルモットは体が小さいので「庭でも大丈夫だろう」と思われがちですが、小さくても同じ配慮が必要です。判断に迷うときは、火葬をしてお骨にしてから土に還すという方法もあります。この形なら、においや掘り返しの心配はほとんどなくなります。
モルモットの火葬をお願いする業者を選ぶときに確認したいこと

悲しみのなかでは、最初に見つけたところにそのままお願いしたくなるものです。それでも、次の5点だけは電話やメールで確かめておくと、あとから後悔しにくくなります。
1小動物の火葬実績があるかを確かめる
「モルモットの火葬をお願いできますか」「小動物用の炉はありますか」と最初に聞きます。実績のある業者は、お骨の残り方についても具体的に説明してくれます。曖昧な返事しか返ってこない場合は、別の業者もあたってみてください。
2お骨を残す工夫をしているかを聞く
火力や温度の調整など、小さなお骨を残すための工夫をしているかを尋ねます。あわせて「思ったより残らなかった場合はどうなりますか」まで確認しておくと、当日の心の準備ができます。
3総額と追加費用の有無をその場で確認する
表示価格に何が含まれるか(骨壷・出張費・お別れの時間など)と、「これ以外にかかる費用はありますか」を必ず聞きます。事前の見積もりと違う高額な請求や、当日の追加料金をめぐるトラブルはペット火葬業界で繰り返し注意喚起されており、契約前に総額を確認しておくことがいちばんの予防になります。
4立ち会いと返骨の可否をはっきりさせる
「立ち会えます」「返骨します」と言われても、骨上げまで立ち会えるのか、拾骨はスタッフが行うのかは業者によって異なります。合同火葬では返骨がないのが一般的ですので、お骨を残したい場合は個別火葬を選びます。
5所在地・固定施設・運営会社を確認する
公式サイトに会社名・所在地・固定の斎場や霊園が明記されているかを見ます。ペット火葬をめぐっては、移動火葬車での高額請求や不適切な遺体の扱いが問題として取り上げられてきました。所在地がはっきりしていて、動物霊園やペット霊園としての実体が確認できる業者を選ぶことが、いちばん確実な自衛になります。
訪問火葬(移動火葬車)そのものが悪いわけではありません。自宅の前まで来てもらえる形は、小さな体を長く運ばずにすむという意味では、モルモットにとって負担の少ない選択肢でもあります。大切なのは、その車を運行している会社の所在地と実体が確認できることです。
\ 詳細・ご相談は公式サイトから /
どこに聞けばよいか分からないときは、こうした相談窓口から対応可能な業者を紹介してもらう方法もあります。料金・立ち会いの可否・返骨の有無を、申し込みの前に必ずご確認ください。
火葬のあと、小さなお骨をどう残すか

返骨のある形式を選んだ場合、モルモットのお骨は手のひらにのるくらいの小さな骨壷に納まることが多くなっています。大阪ペット斎場では小さなペット用の桐のお骨入れを3,300円(税込)で用意するなど、小動物向けの骨壷を扱う業者もあります。置き場所に困ることはほとんどありません。そのあとの供養に決まった正解はなく、ご家族が落ち着ける形を選んでいただければ十分です。
- 手元供養:小さな骨壷のまま、写真やお気に入りだった牧草入れと一緒に置く
- 遺骨ペンダント・カプセル:ごく少量を納めて身につける
- 霊園への納骨:合同墓・納骨堂・樹木葬など。お参りの場所ができる
- 自宅の庭へ埋葬:お骨にしてから土に還す(私有地に限る)
そして、もしお骨がほとんど残らなかったとしても、供養の形がなくなるわけではありません。写真を飾る、名前を書いた小さな木札を置く、命日にお花を供える。形のあるものがなくても、その子を思い出す場所はつくれます。お骨の量と、その子と過ごした時間の重さは、まったく別のものです。
また、火葬のあとに気持ちが大きく沈んだり、眠れない日が続いたりすることもあります。小さな生きものとの別れは「そんなに落ち込むほどのこと?」と言われてしまうことすらあり、それがまた辛さを深くします。悲しみの深さは体の大きさとは関係ありません。つらい状態が長く続くときは、ひとりで抱えず、ペットロスの相談窓口や専門の方に話してみてください。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
モルモットも、犬や猫と同じように火葬して見送ることができます。ただし小動物の受け入れは業者によって分かれるため、まず「モルモットの火葬をお願いできますか」と確認するところから始めてください。返骨のある個別火葬を選べばお骨を手元に残せますが、1kg前後の小さな体では、お骨が細かく少量になりやすいことも先に知っておいていただければと思います。
費用は形式によって8,500円(税込)〜18,000円前後、火葬時間は30分ほどが目安です。自治体に引き取ってもらう方法は費用を抑えられますが、お骨は返ってきません。どの形を選んでも、その子を大切に思う気持ちに優劣はありません。
お骨がひとつまみでも、あるいは残らなかったとしても、あの小さな体が家のなかに灯していたものは消えません。牧草をかじる音のない朝を、少しずつでも歩いていけますように。