大切な家族であるペットが旅立ったあと、「同じお墓で一緒に眠りたい」「いつか自分が入るお墓に、あの子も入れてあげたい」と願う飼い主さんは少なくありません。以前は難しいとされてきた「ペットと一緒に入れるお墓」ですが、近年は選択肢が少しずつ広がっています。
この記事では、ペットと一緒に入れるお墓の種類・費用の目安・探し方と確認ポイントを、編集部が霊園や供養サービスの公開情報をもとに整理しました。お墓以外の供養の形にもそっと触れています。焦らず、あなたとあの子に合った形をゆっくり選んでいただければ幸いです。


【一言でいうと】ペットと一緒に入れるお墓は増えている
結論からお伝えすると、ペットと人が一緒に入れるお墓は、近年少しずつ増えています。かつては「お墓は人だけのもの」という考え方が一般的でしたが、ペットを家族の一員として大切にする方が増え、ペットとの共葬(きょうそう)を認める霊園や、ペット専用区画を設ける霊園が広がってきました。
ただし、すべての霊園でペットと一緒に入れるわけではありません。宗教・宗派の考え方や、霊園ごとの規約によって可否が分かれます。まずは「どんな種類があるのか」を知り、「一緒に入れるかどうか」を必ず個別に確認することが大切です。

ペットと入れるお墓の種類
ペットと一緒に入れるお墓には、大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれ「一緒に納骨できる形」や「雰囲気」「宗教色の有無」が異なります。まずは全体像を表で整理しましょう。

| 種類 | 特徴 | 宗教色 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| ①一般墓でペット可の区画 | 従来型の家墓に、ペットも一緒に納骨できるタイプ。先祖代々の墓に入れたい場合の選択肢 | あり(宗派による) | 家のお墓に一緒に入れたい方 |
| ②ペット共葬・樹木葬 | 樹木や草花を墓標とし、人とペットを同じ区画に埋葬。自然に還るイメージ | 控えめ・自由 | 自然志向・宗教色を抑えたい方 |
| ③納骨堂(ペット可) | 屋内に遺骨を安置。天候に左右されず参拝しやすい。ペット同室可の施設も | 施設による | お参りのしやすさを重視する方 |
| ④ペット霊園のお墓 | ペット専用の霊園・墓地。合祀墓や個別墓など形式はさまざま | 控えめ | ペット中心に供養したい方 |
①一般墓でペット可の区画
先祖代々の家墓など、従来型のお墓にペットも一緒に納骨できるタイプです。「いつか自分が入るお墓に、あの子も」という願いに最も近い形といえます。ただし、寺院墓地では宗派の考え方によりペットの納骨を認めていない場合も多く、事前確認が欠かせません。民営霊園や公営霊園でも区画ごとに規約が異なります。
②ペット共葬・樹木葬
樹木や花木を墓標とし、人とペットを同じ区画に埋葬する形です。宗教色が控えめで、費用も比較的抑えやすい傾向があります。「自然に還してあげたい」という思いに寄り添う形として、近年選ぶ方が増えています。人とペットを同じ場所に埋葬できるかは霊園により異なるため、募集要項で確認しましょう。
③納骨堂(ペット可)
屋内に遺骨を安置する施設で、天候に左右されずお参りできるのが特徴です。ペットの遺骨を同じスペースに納められる施設もあります。都市部に多く、アクセスしやすい一方、安置期間や管理費の条件は施設ごとに幅があります。
④ペット霊園のお墓
ペット専用の霊園・墓地に設けられたお墓です。多くの子を一緒に供養する合祀墓(ごうしぼ)や、個別のお墓を建てる形式などがあります。人が一緒に入れるかは施設により異なりますが、ペットを中心にゆっくり供養したい方に向いた選択肢です。
費用の目安
費用は種類・地域・区画の広さ・永代供養の有無などによって大きく変わります。ここでは執筆時点(2026年7月)の一般的な目安としてご紹介します。実際の金額は各霊園の公式情報で必ずご確認ください。

| 種類 | 費用の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| ①一般墓でペット可の区画 | 数十万円〜100万円以上 | 墓石建立費・永代使用料を含むと高額になりやすい |
| ②ペット共葬・樹木葬 | 10万円〜80万円程度 | 合祀型は安め、個別型は高めの傾向 |
| ③納骨堂(ペット可) | 10万円〜100万円程度 | 個別安置か合祀か、安置期間で変動 |
| ④ペット霊園のお墓 | 数万円〜数十万円程度 | 合祀は数万円〜、個別墓は別途墓石費 |
上記に加えて、年間の管理費(数千円〜1万円程度/年)がかかる場合が一般的です。また、永代供養(承継者がいなくても霊園が供養を続ける形)を付けると別途費用がかかることもあります。総額で比較すると判断しやすくなります。
なお、お墓を検討する前段階として「火葬から納骨までにどのくらい費用がかかるのか」が気になる方も多いかと思います。火葬費用の相場もあわせて把握しておくと、全体の見通しが立てやすくなります。
探し方と確認ポイント
ペットと一緒に入れるお墓は数が限られるため、「一緒に入れる」という条件で丁寧に探すことが大切です。後悔のない選択のために、次のステップで確認していきましょう。

1霊園の規約で「ペットと一緒に入れるか」を確認する
最も大切な確認点です。ホームページに明記がない場合は、必ず霊園や寺院に直接問い合わせましょう。「人とペットの同じ区画への納骨が可能か」をはっきり確認します。
2宗教・宗派の考え方を確認する
寺院墓地では宗派によってペットの納骨を認めていない場合があります。宗教にこだわらない民営霊園や、宗教不問の樹木葬なども選択肢に入れて検討しましょう。
3改葬(お墓の引っ越し)の可否を確認する
将来引っ越す可能性がある場合、遺骨を別のお墓へ移す「改葬」ができるか、その際の手続きや費用も確認しておくと安心です。
4親族・家族の同意を得ておく
お墓は世代を超えて受け継がれるものです。ペットと一緒に入ることについて、あらかじめ家族や親族と話し合い、理解を得ておくとトラブルを防げます。
5現地を見学し、管理状況を確かめる
実際に足を運び、清掃や管理が行き届いているか、参拝のしやすさ、周囲の雰囲気を確認しましょう。運営主体(寺院・公益法人・民間など)や実績もあわせて見ておくと安心です。
特定の霊園を「ここが一番よい」と断定することはできません。立地・宗教観・費用・雰囲気は人それぞれ大切にしたい点が異なるためです。複数の候補を比べ、あなたとあの子に合う場所をご自身で選ぶことが、いちばん納得のいく供養につながります。
お墓以外の選択肢
「お墓を建てるのはまだ気持ちの整理がつかない」「手元に置いておきたい」という方も多くいらっしゃいます。お墓だけが供養の形ではありません。あの子との距離感に合わせて、次のような選択肢もあります。

- 自宅供養 … 自宅にお参りの場所を設け、遺骨や写真を置いて手を合わせる形。すぐそばで見守れる安心感があります
- 手元供養 … 遺骨の一部を小さな骨壷やペンダントなどに納め、身近に置く・身につける形。遺骨アクセサリーもこの一種です
- 散骨 … 遺骨を粉末状にして海や山などに撒く形。自然に還したい方に選ばれます。ルールやマナー、法的な配慮が必要なため、専門業者に相談すると安心です
特に自宅で供養したい方には、ペット用の仏壇やメモリアルスペースを整える方法があります。無理にお墓を決めず、まずは手元で見守るという選び方も、けっして間違いではありません。
よくある質問
※本記事の費用は執筆時点(2026年7月)の一般的な目安です。実際の料金・条件・ペット納骨の可否は各霊園・寺院により異なります。最新の情報は各公式サイト・窓口で必ずご確認ください。
まとめ
ペットと一緒に入れるお墓は、近年少しずつ選択肢が広がっています。主な種類は①一般墓でペット可の区画 ②ペット共葬・樹木葬 ③納骨堂 ④ペット霊園のお墓の4つ。費用は形式や地域で大きく変わるため、規約・宗派・改葬の可否・家族の同意を一つひとつ確認しながら、複数の候補を比べて選ぶことが大切です。

そして、お墓だけが供養の形ではありません。自宅供養や手元供養など、あの子との距離感に合わせた見送り方を、どうか無理なく選んでください。大切なのは形の立派さではなく、あなたが穏やかに手を合わせられることです。
あの子と過ごした日々が、これからもあなたの心をそっと照らしてくれますように。