ペット葬儀・火葬 葬儀の基礎知識・流れ

ペットの棺に入れる花|おすすめの花・避けたい花・量の目安と一緒に入れられるもの

大切な家族を見送るとき、棺のなかに好きだったお花をそっと入れてあげたい——そう考える飼い主さまは少なくありません。けれど、いざ選ぶ段になると「どんな花なら入れていいの」「造花はだめと聞いたけれど本当?」「量はどれくらいがいいの」と、迷いや不安が次々と浮かんでくるものです。

この記事では、ペットの棺に入れる花について、おすすめの花や避けたほうがよい花、量の目安、季節の花、そして花以外に一緒に入れられるもの・入れられないものまでを、静かに整理してお伝えします。火葬の妨げになったり、遺骨が変色したりしないための実務的な配慮も、複数のペット霊園・葬儀社の情報をもとにまとめました。

最後のお別れが、少しでも穏やかな時間になりますように。

飼い主さん
棺にお花を入れてあげたいのですが、何を選べばいいのか分からなくて。入れてはいけない花もあると聞いて、余計に迷ってしまって……
編集部
白や淡い色の生花を中心に選べば、まず間違いありません。造花やビニール、金属だけは避けていただければ大丈夫です。この記事で、選び方と量の目安、一緒に入れられるものまで順にご案内しますね。難しく考えず、その子を思う気持ちのままで選んでいただければと思います。

一言でいうと、棺に入れる花は「白や淡い色の生花」を基本に選び、造花・ビニール・金属は避けるのが安心です。濃い色の花は遺骨に色が移ることがあり、量が多すぎると燃えにくくなるため、棺が少し埋まる程度を目安にするとよいとされています。

ペットの棺に入れる花の役割と選び方の基本

ペットの火葬に決まったルールはなく、お花を入れなければならないという義務もありません。それでも多くの飼い主さまがお花を用意されるのは、開花した花でその子を包むことで「十分に愛され、幸せな一生だった」という思いを形にできるからだと言われています。深大寺動物霊園のコラムでも、花で見送ることは残された家族の気持ちの整理につながるとされています(出典:深大寺動物霊園)。

選び方の基本は、とてもシンプルです。白や淡い色合いの生花を中心に選ぶこと。これは見送りの場を自然にまとめやすいというだけでなく、後述するように遺骨の変色を防ぐという実務的な理由もあります。あとは、その子との思い出に関係する花や、今の季節にいちばんきれいな花を添えてあげれば十分です。

お花には、大きく分けて「見送る側の気持ちを整える」役割と、「その子の旅立ちを彩る」役割があると言われています。悲しみのなかで手を動かして花を選び、そっと棺に添えるという一連の行為そのものが、心の区切りをつける助けになることもあります。だからこそ、豪華さや本数を競う必要はまったくありません。近所の花屋さんで求めた一輪でも、庭で咲いていた花でも、その子を思う気持ちがこもっていれば十分です。

もし気持ちの余裕がなくて花を用意できなかったとしても、それを悔やむ必要はありません。多くのペット霊園や葬儀社では、当日その場でお花を分けてくれるところもあります。用意が難しいときは、依頼先に「お花はありますか」と一言たずねてみてください。

白や淡い色を中心にした見送りのための生花
写真はイメージです

花を選ぶときに意識したい3つの視点

1色は「白・淡い色」を基本にする

色の濃い花は、火葬の際に遺骨へ色素が移ってしまうことがあります。特に体の小さな子は火葬時間が短いため色が残りやすいとされ、白や淡いピンク・黄色などを中心にすると安心です(出典:東京ペット霊堂)。

2生花を選び、造花は使わない

造花は素材によって溶けたり、有害な黒煙・異臭の原因になったりします。詳しくは後述しますが、棺に入れるのは必ず生花にしましょう。

3思い出や花言葉で選んでもよい

散歩道に咲いていた花、その子の写真によく写っていた花など、思い出に沿って選ぶのも素敵な見送り方です。花言葉を手がかりにする方もいらっしゃいます。

おすすめの花と花言葉

ここでは、ペットの見送りによく選ばれる花を、花言葉とあわせてご紹介します。どれも比較的手に入りやすく、白や淡い色を選びやすい花です。花言葉はあくまで気持ちを託すための手がかりであり、正解があるわけではありません。

花言葉(一例) 特徴・向いている点
ガーベラ 希望/究極の愛 白・ピンク・黄色など色数が豊富で選びやすい
カスミソウ 感謝/無垢の愛 小さく白い花。他の花に添えやすくやさしい印象
チューリップ 思いやり 丸みのあるやわらかな見た目。春の見送りに
スターチス 変わらぬ心 水分が少なく添え花に使いやすいとされる
トルコキキョウ 優美/希望 暑さに強く、淡い色が多い

このほか、ローズマリーは古くから「記憶の花」として葬送に用いられてきたと言われ、アイリスは天と地を結ぶ象徴とされることもあります。わすれな草には「私を忘れないで」という花言葉があり、その響きから見送りの花として選ばれることもあります(出典:東京ペット霊堂)。色や花言葉にとらわれすぎず、その子に似合うと感じた花を選ぶのがいちばんです。

ガーベラやカスミソウ、カーネーション、スターチスなどは、いずれも花屋さんで手に入りやすく、白や淡い色を選びやすい花です。何を選べばよいか迷ったときは、この中から数種類を組み合わせて、小さな花束にしてもらうとまとまりよく仕上がります。バラなど棘のある花を入れたい場合は、棘を取り除いてから添えると、手向けるときにも安心です。

花を添えたペットの供養の場
写真はイメージです

季節ごとの花の選び方

その季節にいちばんきれいな花を選ぶのも、心のこもった見送り方です。深大寺動物霊園のコラムなどでは、季節に応じておおむね次のような花が挙げられています。

  • :桜、チューリップなど、やわらかな色合いの花
  • :トルコキキョウ、カーネーションなど、暑さに強い花
  • :小菊、リンドウなど、季節感のある花
  • :椿、シンビジウムなど、凛とした印象の花

花屋さんで「ペットの見送りに使いたい」と伝えれば、白や淡い色を中心に、その季節の花で小さな花束を用意してもらえます。自分で用意する場合も、水分が多すぎない花を選ぶと火葬に影響が出にくいとされています(出典:深大寺動物霊園)。

避けたい花・使えないもの(造花・ビニール)

お花のなかには、火葬の妨げになったり遺骨を汚してしまったりするために、避けたほうがよいものがあります。悲しみのなかで見落としやすい点なので、ここは少していねいに整理します。とはいえ、難しく身構える必要はありません。「生花・淡い色・適量」から外れるものだけを避ければよい、と考えていただければ十分です。

棺に入れてよいものと避けたいものの一覧図解
棺に入れてよいもの・避けたいものの目安(当メディア編集部作成)

避けたほうがよいもの

  • 造花・ビニール素材:溶けて遺骨に付着したり、黒煙・異臭・有害物質の原因になったりします。ペット用の火葬炉は小さな骨も残るよう温度が低めに設定されていることが多く、造花が燃えきらずに残ることもあります(出典:東京ペット霊堂)。
  • 濃い色の花:赤や紫など色の濃い花は、遺骨に色素が移ることがあります。色を入れたい場合はごく少量にとどめると安心です。
  • 量が多すぎる花:花が多すぎると燃えにくくなり、火葬に影響が出ることがあります。

迷ったときは、生花・淡い色・適量、この3つを思い出していただければ大丈夫です。色や量に不安があるときは、火葬をお願いする業者に事前に相談するのがいちばん確実です。

花の量の目安と入れ方

「どれくらいの花を用意すればいいの」という疑問も多く聞かれます。本数に厳密な決まりはありませんが、複数のペット霊園の情報を整理すると、体の大きさに応じておおよその目安があります。

体の大きさ 花の量の目安
猫・小型犬・小動物 10〜15本程度をバランスよく
中型犬以上 20〜30本程度の花束を用意することも

※上記は複数のペット霊園コラムをもとにした一般的な目安です。業者により推奨量は異なります。

目安としては、棺が少し埋まる程度が適量とされています(出典:深大寺動物霊園ほか)。花で敷き詰めたベッドのようにしてあげたり、体に寄り添うようにそっと添えたりと、入れ方に決まりはありません。ご家族の気持ちを大切に、その子が心地よさそうに見える形にしてあげてください。

入れ方に迷ったら、まず体の下や周りに花を敷いて「お花のベッド」をつくり、そのうえに好きだった花を数輪、顔まわりや前足のあたりにそっと置いてあげると、やさしい印象にまとまります。立ち会い火葬では、ご家族が一輪ずつ順番に手向けていくこともあります。小さなお子さまがいるご家庭では、みんなで一輪ずつ「ありがとう」と声をかけながら入れる時間が、大切なお別れの儀式になることもあります。

茎が長い花は、棺の大きさに合わせて短く切ってから入れると、花が体からはみ出さず自然にまとまります。花ばさみがなければ、依頼先で切ってもらえる場合もあります。

体重ごとの火葬費用や当日の流れが気になる方は、次の記事もあわせてご覧ください。

そっと寄り添うように花を添えるイメージ
写真はイメージです

花以外に一緒に入れられるもの・入れられないもの

お花のほかにも、好きだったおやつやお手紙、いつも遊んでいたおもちゃを一緒に入れてあげたいと考える方は多いものです。旅立つその子に、寂しくないようにと願う気持ちは自然なことです。ここでは、花以外の副葬品について、入れられるもの・入れられないものを整理します。

基本の考え方は「紙・布・生花など、燃えきって遺骨を汚さないもの」です。逆に、燃え残ったり有害な煙を出したりするものは避ける、と覚えておくと判断しやすくなります。ペットの火葬炉は、小さな骨まできれいに残せるよう温度が低めに設定されていることが多く、人の火葬よりも「燃え残り」に注意が必要とされています。

好きだったおやつやおもちゃを見送りに添えるイメージ
写真はイメージです

一緒に入れられるもの

  • 好きだったおやつ・フード:少量をティッシュや紙に包んで、口元にそっと添えてあげるとよいとされています。缶詰やガラス瓶に入ったものは、中身だけを取り出して入れます(出典:ペット葬儀110番)。
  • 手紙:たくさんの感謝や思い出を綴った手紙を入れる方も多くいらっしゃいます。プラスチックの装飾がないシンプルな紙のものにしましょう。
  • 写真:写真用紙ではなく、普通紙に印刷したものであれば入れられる場合が多いです(出典:ペット葬儀110番)。
  • 布製のおもちゃ:布だけでできた小さなおもちゃなら、一緒に入れられることが多いとされています。

入れられないもの

次のものは、火葬炉を傷めたり、有害なガスを発生させたり、燃え残って遺骨を汚したりするため、基本的に入れられません。

  • 金属:首輪の金具、缶、金属製のおもちゃなどは燃えずに残ります。
  • プラスチック・ゴム:燃やすと悪臭や有毒ガスを含む煙が出ます。
  • ガラス・電池:火葬炉を傷つける恐れがあり、持ち込めません。
  • 首輪・洋服・厚手のブランケット:繊維が灰として残り、お骨上げに影響が出る場合が多いため、火葬できないことがあります(出典:ペット葬儀110番)。

入れたいものがあるかどうか迷ったら、事前に依頼先へ確認するのがもっとも確実です。業者によって対応が異なるため、当日になって入れられないと分かって後悔しないよう、早めに相談しておくと安心です。

猫の火葬について、棺に入れられるものを含めた全体の流れは、次の記事でくわしくご案内しています。

お花や副葬品について相談できる依頼先

ペットとの別れに静かに寄り添う飼い主のイメージ
写真はイメージです

「うちの子の場合、この花は入れて大丈夫?」「このおもちゃは一緒に火葬できる?」——こうした細かな確認は、火葬をお願いする業者に事前に相談するのが確実です。ペットの火葬や葬儀は、実在する固定の斎場や霊園を持ち、立ち会いの可否・返骨の有無を明確に案内している業者を選ぶと安心です。

依頼先に迷われている場合は、全国対応の紹介サービスを入り口にすると、地域や希望に合った業者を探しやすくなります。ペットの火葬業界には、残念ながら移動火葬車による高額請求や不適切な対応が問題になった事例も報じられています。だからこそ、次のような点を確認できる業者を選ぶことが、後悔のない見送りにつながります。

  • 実在する固定の斎場・霊園があるか(住所や施設の写真が公開されているか)
  • 立ち会い火葬ができるか、また返骨してもらえるか
  • 料金が火葬形式・体重ごとに事前に確定するか(当日の追加請求がないか)
  • お花や副葬品の相談に応じてくれるか

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

お花や副葬品の相談、火葬形式や費用の確認は、公式サイトからお問い合わせいただけます。

問い合わせの際は、「棺に入れたい花や品物があること」「立ち会いや返骨を希望するかどうか」を最初に伝えておくと、当日の流れがスムーズになります。

よくある質問

Q棺に入れる花は自分で用意してもいいですか?

Aはい、花屋さんで購入したものでも、ご自宅に咲いていた花でも問題ありません。花屋さんで「ペットの見送りに使いたい」と伝えれば、白や淡い色を中心に用意してもらえます。自分で用意する場合は、生花で・淡い色・水分が多すぎない花を選ぶと安心です。

Q花はいつ棺に入れればいいですか?

A一般的には、火葬の直前にお別れをしながら棺へ入れます。立ち会い火葬の場合は、その場でご家族が一輪ずつ手向けることが多いです。入れるタイミングや方法は業者によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

Q濃い色の花は絶対に入れてはいけませんか?

A絶対にいけないわけではありませんが、色の濃い花は遺骨に色素が移ることがあります。特に体の小さな子は火葬時間が短く色が残りやすいため、白や淡い色を中心にし、濃い色はごく少量にとどめると安心です。心配な場合は業者に相談してください。

Q花束のままではなく、切り分けて入れたほうがいいですか?

A量が多すぎると燃えにくくなるため、大きな花束をそのまま入れるより、棺が少し埋まる程度に整えて入れるのがおすすめです。茎が長い場合は短く切って、体に寄り添わせるように添えると自然にまとまります。

Q花を用意する時間がありませんでした。それでも大丈夫ですか?

Aはい、大丈夫です。お花は必ず用意しなければならないものではありません。多くのペット霊園や葬儀社では、当日その場でお花を分けてくれるところもありますので、用意が難しいときは依頼先に「お花はありますか」と一言たずねてみてください。花がなくても、そばにいてあげること、名前を呼んであげることが、なにより大切な見送りになります。

※本記事の情報は執筆時点(2026年7月)の各ペット霊園・葬儀社の公開情報をもとにしています。花や副葬品の可否は業者により異なりますので、最新の対応は依頼先の公式サイトや窓口でご確認ください。

まとめ

ペットの棺に入れる花は、白や淡い色の生花を基本に、造花・ビニール・金属を避け、棺が少し埋まる程度の量にする——この3つを覚えておけば、まず迷うことはありません。おやつや手紙も、紙や布のシンプルなものであれば、一緒に見送ってあげられます。判断に迷うものがあれば、火葬をお願いする業者に事前に相談すれば大丈夫です。

花の種類や量に「正解」はありません。大切なのは、その子を思う気持ちのままに選んであげること。最後のお別れが、あなたとその子にとって、あたたかく静かな時間になりますように。

花を添えて見送るあたたかな供養の場
写真はイメージです

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