長いあいだ水槽の中で寄り添ってくれた金魚が、静かに動かなくなってしまったとき。「こんなに小さな命でも、きちんと見送ってあげたい」——そう思うのは、とても自然なことです。犬や猫と違い、金魚のような魚類は「どう供養すればいいのか」が分かりにくく、迷われる方が少なくありません。
この記事では、金魚を亡くしたあとに考えられる選択肢を、火葬・埋葬・自治体への依頼・避けたほうがよい方法まで、静かに整理してお伝えします。どれが正しいというものではなく、ご家庭の状況とお気持ちで選んでいただけるよう、編集部が各社の公式情報や供養サービスを調べてまとめました。


一言でいうと、金魚も火葬・埋葬で供養できますが、体が極小なため「個別火葬に対応する業者か」の確認が要点です。庭やプランターへの埋葬という選択肢もあり、トイレに流す・川へ放すことは衛生と法律の面から避けるのが安心です。
金魚は火葬できる?魚類の供養で知っておきたいこと
結論からお伝えすると、金魚をはじめとする魚類も、犬や猫と同じように火葬して供養することができます。ペット葬儀社の中には、金魚・メダカ・熱帯魚といった小さな魚類の火葬に対応しているところがあります(ペット葬儀110番「金魚の供養方法と注意点」より、執筆時点)。
ただし、金魚ならではの難しさもあります。体がとても小さく軽いため、火葬すると遺骨がごくわずかしか残らなかったり、火葬炉によっては遺骨を拾いにくかったりすることがあります。そのため、「返骨(遺骨をお返しすること)を希望するなら、小動物・魚類に対応した火葬炉を持つ業者かどうかを事前に確認する」ことが、いちばんの要点になります。

火葬の3つの形式(合同・個別・立会)
ペットの火葬には、大きく分けて次の3つの形式があります。金魚の場合も基本は同じで、返骨を望むかどうかで選び方が変わります。
| 形式 | 内容 | お骨の返却 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 合同火葬 | 他のペットとまとめて火葬し、合同墓地などで供養 | 返骨なし | 費用を抑えたい・自宅埋葬の予定がない方 |
| 個別火葬 | 金魚だけを個別に火葬。立ち会わず後日お骨を受け取る | 返骨あり(要確認) | 遺骨を手元に残したい方 |
| 立会火葬 | 火葬に立ち会い、お骨上げまで見届ける | 返骨あり(要確認) | 最後までそばで見送りたい方 |
合同火葬は費用を抑えやすい一方で、遺骨はお返しできません。手元供養やお墓への納骨を考えている場合は、個別火葬または立会火葬を選ぶことになります。ただし前述のとおり、金魚のような極小の魚類は、業者によっては個別火葬に対応していない、あるいは遺骨が残らない可能性を事前に説明されることもあります。予約時に率直に相談してみてください。
訪問火葬という選択肢
近年は、専用の火葬車でご自宅の近くまで来てくれる訪問火葬(出張火葬)に対応する業者も増えています。移動が難しい方や、住み慣れた家のそばで見送りたい方にとっては、心強い選択肢です。淡水魚(金魚・メダカなど)の訪問火葬に対応する業者も見られます(ハピネス「淡水魚のペット火葬」ページより、執筆時点)。
一方で、訪問火葬をめぐっては、不当な高額請求や、火葬したはずのご遺体が適切に扱われないといったトラブルが一部で報じられてきた業界でもあります。安心して依頼するために、次の点を申し込み前に確認しておくと安心です。
- 料金が事前に明確か(当日の追加請求がないか)
- 立ち会いや返骨の可否をきちんと説明してくれるか
- 固定の斎場や所在地が確認できる、実在の業者か
火葬にかかる費用の目安(執筆時点)
金魚の火葬費用は、火葬の形式や依頼先によって幅があります。魚類は体重が非常に軽いため、体重区分の中でもっとも小さい枠(多くの業者で「〜2kg」など)や、小動物専用の料金が適用されることが一般的です。

費用は火葬形式(合同/個別/立会)によって次のように変わるのが一般的です。金魚のような小動物は最小区分での料金になることが多いため、依頼先の公式サイトで小動物・魚類の料金を確認してください。
| 火葬形式 | 費用の傾向(小動物区分) | お骨の返却 |
|---|---|---|
| 合同火葬 | もっとも抑えやすい | 返骨なし |
| 個別火葬(任せる) | 合同より高め | 返骨あり(要確認) |
| 立会火葬 | 個別よりさらに高めの傾向 | 返骨あり(要確認) |
具体的な金額は、地域・業者・オプション(骨壷や供養品など)によって変わります。ここで確認できない固有の金額を断定することは控えますので、依頼を検討される際は各社公式サイトで小動物・魚類の料金をお確かめください。犬・猫を含めた体重別・形式別のより詳しい費用感については、次の記事も参考になります。
火葬以外の選択肢|庭・プランターへの埋葬と自治体への依頼
金魚の見送り方は、火葬だけではありません。ご家庭の状況やお気持ちに合わせて、次のような方法も選べます。それぞれに良さがありますので、静かに比べてみてください。

庭への埋葬
ご自宅の敷地内に庭があれば、土に還す埋葬という古くからの見送り方があります。自然に還すという考え方に沿った、穏やかな方法です。埋める際は、ほかの動物に掘り返されないよう十分な深さ(目安として30cm以上)を確保すると安心です。土に還りやすいよう、ビニールなどには包まず、そのまま、あるいは自然素材の布に包んで埋葬するとよいでしょう。
なお、埋葬してよいのは自分の所有地(自宅の庭など)に限られます。公園や河川敷、他人の土地に埋めることはできませんので、その点だけ気をつけてください。
プランター葬(庭がない場合)
マンションやアパートなど、庭がないご家庭では、深めのプランターに土を入れて埋葬する「プランター葬」という方法があります。ベランダや室内でそばに置いて見守ることができ、赤やオレンジのお花を一緒に植えて、金魚を偲ぶ小さな庭にされる方もいます。省スペースで始められ、引っ越しの際も一緒に連れて行きやすいのが利点です。
プランター葬の具体的な手順や、土・鉢の選び方については、次の記事で詳しくご案内しています。
自治体に依頼する
火葬や埋葬が難しい場合、お住まいの自治体に相談するという選択肢もあります。多くの自治体では、動物の遺体を可燃ごみとして受け付けているほか、有料での引き取りや火葬に対応している場合もあります。焼却炉で高温処理されるため、衛生面での心配が少ないのも特徴です。
ただし、「ごみ」として扱うことに抵抗を感じる方も少なくありません。気持ちの整理がつく方法かどうかも含めて、ご自身の納得できる形を選んでいただければと思います。自治体ごとにルールが異なるため、扱いについては各自治体の窓口でご確認ください。
トイレに流す・川に放すのは避けて
「小さな金魚だから、トイレに流してあげよう」と考える方もいらっしゃいます。お気持ちは自然なものですが、トイレに流すこと、そして川や池に放すことは、衛生面・法律面の両方から避けたほうが安心です。理由を静かにお伝えします。

また、川や池に放すことも避けてください。金魚は日本の自然にもともといる魚ではなく、放流は生態系に影響を与えるおそれがあります。病気を持っていた場合には、ほかの生き物に感染が広がる危険もあります。生きた個体の放流はもちろん、亡くなった個体を自然の水辺に流すことも、環境への配慮から控えるのが望ましい行為です。
「どう見送るのが正しいのか」と迷われたときは、これまでご紹介した火葬・埋葬・自治体への相談の中から、ご家庭の状況とお気持ちに合うものを選んでいただければ大丈夫です。
火葬・供養を相談したいとき
「個別火葬で遺骨を残したいけれど、金魚に対応してくれる業者が見つからない」「近くにどんな選択肢があるか分からない」——そんなときは、複数の葬儀社を紹介してくれる相談窓口を使うと、対応可能な業者を探しやすくなります。

相談の際は、先にお伝えした「立ち会いの可否」「返骨の有無」「料金が事前に明確か」「固定の所在地がある実在の業者か」を確認すると、安心して任せられる依頼先を選べます。押し売りではなく、まずは疑問を相談する気持ちで問い合わせてみてください。
犬や猫を含めた火葬の流れや、棺に入れられるもの、業者選びの注意点については、次の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新の情報や、金魚・小動物への対応可否は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
金魚のような小さな魚類も、火葬や埋葬で丁寧に見送ることができます。返骨を望むなら小動物対応の個別火葬を、そばに置いて偲びたいなら庭やプランターへの埋葬を——ご家庭の状況とお気持ちに合わせて、選んでいただければ大丈夫です。トイレに流すことや川への放流は、衛生と法律、そして何より気持ちの整理の面から、避けるのが安心です。
どの方法を選んでも、正解も間違いもありません。小さな体で、水槽の中から日々の暮らしを見守ってくれた金魚に、あなたなりの「ありがとう」を伝えられますように。