ペット葬儀・火葬 葬儀の基礎知識・流れ

猫のお葬式はどうする?読経や献花を伴う形式・当日の流れ・費用の目安

長いあいだ一緒に暮らした猫を見送るとき、「人と同じように、お葬式をしてあげたほうがいいのだろうか」と迷われる方は少なくありません。火葬の手配だけは調べたけれど、その前後に何をしてあげられるのかが分からない。お別れの席をきちんと設けたい気持ちと、静かに家族だけで見送りたい気持ちのあいだで揺れている——そんなお気持ちで、この記事にたどり着かれたのかもしれません。

猫のお葬式には、決まった作法はありません。読経や献花を伴うセレモニーの形をとることもできますし、家族だけで身体をきれいに拭き、好きだったものをそばに置いて送り出すだけでも、立派なお別れです。大切なのは形式の立派さではなく、ご家族が「見送れた」と感じられる時間を持てるかどうかです。

この記事では、猫のお葬式にどんな形があるのか、当日はどのように進むのか、参列はどこまでお願いするものなのか、そして費用のおおよその目安までを、編集部が各ペット葬儀事業者・霊園の公式サイトの説明と料金表をもとに整理しました。どうか、後悔の少ないお別れの助けになりますように。

飼い主さん
猫が亡くなりました。人のようなお葬式をしてあげるべきなのか、家族だけで見送ってもいいのか分からなくて、何も決められずにいます。
編集部
どちらでも大丈夫です。猫のお別れに決まった形はありません。読経や献花のあるセレモニーをお願いすることもできますし、ご家族だけで静かに送るのも、まったく変わらないお見送りです。まずは「どんな時間を持ちたいか」だけ、ゆっくり考えていただければ十分ですよ。

一言でいうと、猫のお葬式とは「火葬の前後に、家族がお別れの時間を持つこと」で、読経や献花を伴う形にも、家族だけの静かな見送りにもできます。宗教的な作法に従う必要はなく、ご家族の気持ちと体力に合う持ち方を選んで差し支えありません。

猫のお葬式とは|火葬とお別れの儀式は分けて考える

「猫のお葬式」という言葉には、実は二つの意味が混ざっています。ひとつは火葬という実務、もうひとつはお別れの時間という儀式です。この二つを分けて考えると、迷いがずいぶん整理されます。

窓辺で穏やかに眠る猫と、そばに寄り添う飼い主
写真はイメージです

火葬は、どの事業者に依頼しても「合同火葬」「個別火葬(一任)」「個別火葬(立ち会い)」のいずれかに整理されます。ここは料金表で比べられる、いわば実務の部分です。一方でお別れの儀式は、火葬という枠組みのなかでどこまで時間と形を持たせるかという選択で、事業者によって用意されているものも、ご家族が自宅でできることも変わります。

たとえば、火葬前に自宅で身体を清め、末期の水を含ませ、布団に包んでからお見送りする——という一連の流れをプランとして用意している事業者もあります。ペット火葬・葬儀サービスの「ペトリィ 小さな家族のセレモニー」では、火葬前にご自宅でセレモニーを行う「家族立会セレモニー葬」を設け、身体を清める・末期の水を含ませる・お布団に包む、といった儀式を含むと公式サイトで案内しています。

逆にいえば、こうした儀式はご家族の手でも十分にできることでもあります。事業者にお願いするか、自分たちで行うか。その線引きを決めるのが、猫のお葬式を考えるということです。

猫のお葬式の形式|家族だけの見送りから読経を伴う形まで

お別れの持ち方は、大きく三つに分けて考えると選びやすくなります。どれが正しいということはありません。ご家族の人数、お住まいの環境、そして何より今のお気持ちの余力に合うものを選んでください。

猫のお葬式の三つの形式(家族だけで見送る・立ち会って見送る・儀式を伴うお葬式)を比較した図解
猫のお別れは「どこまで儀式にするか」で選べます(当メディア編集部作成)

家族だけで静かに見送る形

もっとも多く選ばれているのが、この形です。読経も参列もなく、火葬までのあいだにご家族だけでお別れの時間を持ちます。やわらかい布で身体をそっと拭き、毛並みを整え、好きだったおもちゃやおやつをそばに置いて、名前を呼びながら語りかける。それだけで、猫にとっては何より安心できるお別れになります。

「これでは簡単すぎるのでは」と感じる必要はありません。家のなかで家族と過ごすことがいちばんの幸せだった子にとって、住み慣れた場所で家族の声に囲まれる時間は、どんな儀式にも代えがたいものです。

火葬に立ち会って見送る形

個別火葬のうち「立ち会い(家族立会)」を選ぶと、出棺から炉前でのお別れ、火葬後のお骨上げまで、家族が同席できます。人のお葬式にいちばん近い流れで、自分の手でお骨を拾って骨壺に納める時間を持てるため、「きちんと送れた」と感じられる方が多い形式です。

ただし体格や事業者にもよりますが、猫の場合でも受け渡しを含めて数時間ほどかかります。小さなお子さまやご高齢のご家族が同席する場合は、待ち時間の過ごし方も含めて事前に確認しておくと安心です。立ち会わない選択をしたとしても、それは愛情が足りないということではまったくありません。

読経や献花を伴うセレモニーの形

「人と同じように、きちんと形を整えて送りたい」という場合は、儀式を伴うお葬式にすることもできます。自宅や事業者の式場でお別れの席を設け、祭壇に写真を飾り、家族がひとりずつ花を手向ける(献花)といった流れです。

僧侶による読経を希望する場合は、ペット供養に対応した僧侶派遣サービスを利用する方法があります。たとえば僧侶派遣サービス「涙そうそう」(運営:株式会社終楽)では、ペット供養の読経を33,000円(税込・執筆時点)から、宗派を指定する場合は5,500円(税込)加算と公式サイトで案内しています(料金には読経代・お車代・御膳料・お布施・仲介手数料を含むとされています)。

また、霊園に併設された固定斎場のなかには、僧侶が日々の読経を行っていると案内している施設もあります。東京・府中の慈恵院 付属多摩犬猫霊園では、火葬料金に僧侶による朝夕の読経が含まれると公式サイトに記載されています。

なお、読経や献花は特定の宗派に入ることを意味するものではなく、宗教的な形をとるかどうかも、まったく自由です。手を合わせるだけでも、好きだった音楽を流すだけでも、それがご家族にとっての儀式になります。

猫のお葬式の当日の流れ

訪問火葬(自宅までお迎えに来てもらう形)を例に、依頼から見送りまでの流れを整理します。固定斎場に持ち込む場合も、大きな流れは変わりません。

白い花をそっと手に取る飼い主の手元
写真はイメージです

1ご遺体を安置し、事業者に連絡する

まずは涼しい部屋にタオルや箱で寝床をつくり、保冷剤で身体(特にお腹まわり)を冷やして安置します。そのうえで、ペット葬儀の事業者に電話やフォームで連絡し、火葬の形式・希望日時・お迎えの場所を伝えます。夜間に亡くなった場合も、24時間受付の窓口であればその場で相談できます。

2見積もりを取り、形式と当日の内容を決める

体重・火葬形式・お迎えの有無・時間帯を伝えて、追加料金を含む総額の見積もりを出してもらいます。このときに「立ち会いはできるか」「献花や副葬品はどこまで入れられるか」「読経を希望する場合はどうするか」まで確認しておくと、当日に慌てずに済みます。

3お別れの支度をする

お迎えまでの時間で、身体をやわらかい布で拭き、毛並みを整えてあげます。棺(箱)に入れるものは、燃えやすい素材のものを少量に。生花は白や淡い色のものを選ぶと、お骨への色移りの心配が少なくなります。首輪やおもちゃなど、金属やプラスチックを含むものは、一緒に入れられるかを事業者に確認してください。

4お別れの儀式・出棺

セレモニーを行う場合は、この段階で祭壇を整え、献花や末期の水などの儀式を行います。家族それぞれが言葉をかける時間をとると、区切りをつけやすくなります。儀式を行わない場合も、出棺の前に少しだけ静かな時間を設けておくと、心の準備になります。

5火葬・お骨上げ・ご返骨

立ち会いを選んだ場合は、火葬後にご家族の手でお骨を拾い、骨壺に納めます。猫の場合、火葬そのものは1時間ほど、前後の時間を含めて半日以内に収まることが多いですが、所要時間は体格と事業者によって変わります。一任の場合は、後日ご自宅で骨壺を受け取ります。

どこまでの形にできるかは事業者によって異なります。「自宅で少しお別れの時間をとってから出棺したい」「家族がそろう夕方に来てほしい」といった希望は、遠慮せず最初の相談時に伝えて構いません。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

24時間365日の受付で、霊園供養・個別火葬(一任)・個別火葬(家族立会)のプランと料金が公式サイトに明示されています。まずは見積もりを取り、比較の基準にする使い方ができます

猫のお葬式に参列はどこまでお願いする?

「家族以外にも声をかけるべきか」「子どもを立ち会わせていいのか」——参列の考え方も、多くの方が迷われるところです。

窓辺で静かに時間を過ごす飼い主の後ろ姿
写真はイメージです

基本は同居のご家族だけで十分

人のお葬式のように、広く訃報を知らせて参列をお願いする必要はありません。猫のお葬式は、日々をともに過ごしたご家族だけで行うのが基本です。立ち会い火葬の場合、事業者によっては同席人数の目安が決められていることもあるため、人数が多くなりそうなときは事前に確認しておきましょう。

お子さまの立ち会いは「本人の意思」を尊重して

お子さまを立ち会わせるかどうかに正解はありません。お別れを見届けることが受け止めの助けになる場合もあれば、火葬という場面が強い記憶として残ってしまうこともあります。年齢にかかわらず、「一緒にいたいか」を本人に聞いてあげるのがいちばんです。参加しない場合も、お花を持たせる・手紙を書いてもらうといった関わり方で、お別れの区切りをつけてあげられます。

親しい方に来ていただく場合

よく預かってくれた家族や、可愛がってくれた友人に来ていただくこともあります。その場合は「服装はふだん着で構わない」「香典などは不要」と、こちらから先に伝えておくと相手も気が楽になります。逆に、こちらが誘われた側であれば、静かに寄り添うだけで十分です。

参列してくださった方への言葉に迷ったときは、「来てくれてありがとう」だけで足ります。形式を整えることよりも、その場に流れる空気がやわらかいことのほうが、ずっと大切です。

猫のお葬式にかかる費用の目安(税込・執筆時点)

費用は「火葬の形式」と「儀式をどこまで含めるか」で変わります。まず、全国対応の訪問火葬と、猫の体重帯(2〜5kg未満)で公表されている料金を、形式別に並べてみます。

写真立てとお花を並べた小さな供養のスペース
写真はイメージです
形式・項目 費用の目安(税込) お骨の返却 こんな方に
合同火葬(霊園供養) 8,500円〜18,700円 原則なし(合祀) 費用を抑え、供養は霊園にお願いしたい
個別火葬(一任) 15,400円〜22,000円 あり(後日お届け) お骨は残したいが、立ち会うのはつらい
個別火葬(家族立会) 17,600円〜24,200円 あり(お骨上げに立ち会う) 出棺からお骨上げまで見届けたい
セレモニーを含む立会葬 49,500円 あり(お骨上げに立ち会う) 自宅で儀式を行ってから見送りたい
僧侶による読経(別途依頼) 33,000円〜 読経のある形で供養したい

※下限は全国対応の訪問火葬「ペット葬儀110番」の公式料金(霊園供養8,500円〜/個別火葬一任15,400円〜/個別火葬家族立会17,600円〜・いずれも税込)、上限と「セレモニーを含む立会葬」は「ペトリィ 小さな家族のセレモニー」の猫2〜5kg未満の公式料金(引取り合同供養18,700円/引取り個別火葬22,000円/家族立会火葬24,200円/家族立会セレモニー葬49,500円・いずれも税込)、読経は僧侶派遣「涙そうそう」の公式料金(33,000円・税込)を参照した執筆時点の目安です。

おおまかな傾向としては、猫の火葬そのものは2万円前後から、儀式まで整えると5万円前後が一つの目安になります。ただし地域・時間帯・お迎えの有無によって変動しますので、金額は必ず依頼前の見積もりで確定させてください。

なお、霊園に併設された固定斎場では、式場や納骨の費用を含むぶん料金が上がる傾向があります。東京・府中の慈恵院 付属多摩犬猫霊園の公式料金表では、猫は合同葬19,000円・個別一任葬38,000円・立会家族葬60,000円と案内されており、納骨料は2年(三回忌)まで含むとされています(公式サイトに税込/税抜の記載が見当たらないため要確認)。

お葬式を安心して任せられる事業者の見極め方

心苦しいことですが、ペットの火葬をめぐっては、火葬を装って遺体を適切に扱わなかった事業者や、当日になって高額な追加料金を求められたという相談が、報道や消費生活センターへの相談として伝えられてきました。多くの事業者は誠実に営まれていますが、悲しみのさなかは判断力が鈍りやすいときでもあります。次の点だけは、依頼の前に確認しておいてください。

やわらかな光の中に整えられた自宅の供養スペース
写真はイメージです

1運営会社と固定の所在地が公開されているか

公式サイトに会社名・所在地・固定斎場や霊園の住所が明記されているかを確認します。訪問火葬(移動火葬車)の事業者でも、拠点の住所と運営会社が公開されているのが基本です。連絡先が携帯電話番号のみで会社概要が見当たらない場合は、いったん立ち止まってください。

2立ち会いの可否をはっきり答えてくれるか

「立ち会いはできますか」「一体ずつ火葬されますか」と率直に尋ね、答えを濁す事業者は避けるのが賢明です。立ち会いや炉の見学に応じられるということは、その工程を見せられる体制があるということでもあります。

3返骨の有無と受け取り方法が明確か

「返骨は料金に含まれますか」「骨壺は別料金ですか」「受け取りは引き取りかお届けか」まで確認します。猫のような小さな体の子は、事前に「小さなお骨も残していただけますか」と伝えておくと、火力や炉の調整に配慮してもらえることがあります。

4総額の見積もりを書面かメールで受け取れるか

体重・火葬形式・お迎えの有無・時間帯・儀式の内容まで伝えたうえで、追加料金を含む総額を書面またはメールで出してもらいます。口頭のみの見積もりは、当日の追加請求というトラブルのもとになりがちです。「これ以上かかることはありませんか」の一言まで添えておくと確実です。

もうひとつ、電話口で急かさず、選択肢を一つずつ説明してくれるかどうかも大切な判断材料です。極端に安い金額を掲げていても、骨壺・お迎え・返骨が別料金で総額が膨らむことがあります。金額の安さだけで決めず、説明の丁寧さもあわせて見てください。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

個別火葬(一任・家族立会)のプランと料金、受付体制が公式サイトに明示されています。深夜や早朝に迷われたときの相談先として確認しておくと安心です

お葬式をしない・家族だけで見送るという選択

「お葬式らしいことは何もしなかった」と、あとから気に病まれる方がいます。けれど、儀式を行わないことは、供養をしなかったことではありません。

猫の前足にそっと手を添える飼い主
写真はイメージです

体調やご事情で立ち会えなかった方、費用の面から合同火葬を選ばれた方、気持ちが追いつかず何も決められないまま日が過ぎてしまった方——どの選択も、その時のご家族にできる精一杯だったはずです。供養の気持ちに、形式による優劣はありません

  • 火葬の日はそっと見送り、後日あらためて家族で手を合わせる
  • 写真とお花を置いた小さなスペースを、部屋の一角に整える
  • 四十九日や月命日など、自分で決めた日に好きだったおやつを供える
  • お骨を手元に置き、気持ちが落ち着いてから納骨先を考える

お別れの区切りは、あとからでもつけられます。今は何も決められなくても、時間がたって「そろそろ」と思えた日に、手を合わせる場所を整えてあげれば十分です。急がなくて大丈夫です。

よくある質問

Q猫のお葬式はいつまでに行えばよいですか

A明確な期限はありませんが、ご遺体の状態を考えると、亡くなってから1〜2日以内に火葬される方が多くなっています。夏場は特に傷みが進みやすいため、涼しい部屋で保冷剤を使って安置し、事業者に早めに相談してください。ご家族がそろう日を待ちたい場合は、その旨を伝えると安置の方法を案内してもらえます。

Q服装や持ち物に決まりはありますか

A喪服である必要はありません。落ち着いた色のふだん着で構わないとしている事業者がほとんどです。持ち物としては、棺に入れたいお花(白や淡い色のもの)、好きだったおやつ、手紙などを少量。金属やプラスチックを含むものは入れられないことがあるため、事前に確認しておくと安心です。

Q読経をお願いすると、その宗派に入ることになりますか

A一般的には、読経を依頼したことでご家族が特定の宗派に属することにはなりません。宗派を指定できるサービスもあれば、指定なしで対応するサービスもあります。宗教的な形をとるかどうかも含めて自由ですので、迷われる場合は無理に形を整える必要はありません。

Qお骨は必ず持ち帰らなければいけませんか

Aいいえ。手元で供養する方も、霊園に納骨される方も、合同墓で供養していただく方もいます。合同火葬を選んだ場合は原則としてお骨は戻りませんので、「手元に残したい」お気持ちが少しでもあるなら、個別火葬を選んでおくと後悔が少なくなります。

※本記事の料金は執筆時点(2026年8月)の各社公式サイト情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

まとめ

猫のお葬式に、決まった形はありません。読経や献花を伴うセレモニーとして形を整えることもできますし、家族だけで身体を拭き、名前を呼びながら送り出すだけでも、まぎれもないお別れです。まず「火葬の形式」を決め、そのうえで「どこまで儀式にするか」を考えると、迷いが整理されます。

費用は猫の体重帯で、火葬そのものが2万円前後から、自宅での儀式を含めると5万円前後が一つの目安です(執筆時点)。事業者を選ぶときは、運営会社と所在地、立ち会いの可否、返骨の有無、そして総額の見積もりを書面で確認してください。この四つを押さえておけば、大きな行き違いは防げます。

そして、どんな形を選んだとしても、そばにいた時間の長さも、注いだ愛情も、少しも変わりません。あの子と過ごした日々が、これからのご家族の毎日をやわらかく照らしてくれますように。

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