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老犬がご飯を食べないけどおやつは食べる|見極めと食事の工夫・フードの見直し方

おやつは喜んで食べるのに、器に入れたご飯にはなかなか口をつけてくれない——。年齢を重ねた愛犬にそんな様子が見られると、「わがままなのかな」「それとも、どこか悪いのかな」と、不安と迷いが入り混じった気持ちで検索された方が多いのではないでしょうか。おやつを食べる元気はあるからこそ、かえって判断がつきにくいものです。

この記事では、当メディア編集部が獣医療の公開情報やシニア犬の食事に関する情報を調査し、「おやつは食べるのにご飯を食べない」ときの見方を、緊急度の見極めから今日からできる工夫、フードの見直しまで順を追って整理しました。読み終えるころには、いま何をすべきかが見えてくるはずです。

飼い主さん
14歳になるうちの子が、ここ数日ご飯を残すようになりました。おやつは欲しがるし水も飲むのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか…?
編集部
ご心配ですよね。「おやつは食べる」場合は、選り好みのこともあれば、体調の小さなサインが隠れていることもあります。まずは受診を急ぐべきサインがないかを一緒に確認して、そのうえで今日から試せる食事の工夫と、フードの見直し方をお伝えしますね。

一言でいうと、おやつは食べて水も飲み、元気もあるなら、まずは食事の工夫を試しつつ様子を見て大丈夫なことが多いです。ただし、水も飲まない・ぐったりしている・丸1日(24時間)以上まったく食べない場合は、早めに動物病院へご相談ください。

おやつは食べるのにご飯を食べない主な原因

器の前で伏せる高齢の犬に寄り添う飼い主
写真はイメージです

「おやつは食べるのにご飯だけ残す」という状態は、大きく分けて4つの背景が考えられます。複数が重なっていることも多いため、順番に当てはまるものがないか確認してみてください。

嗜好性の変化・フードへの飽き(わがままに見える食べ方)

おやつは香りも味も強く、犬にとって「特別なごちそう」です。年齢を重ねると嗅覚や味覚が少しずつ鈍くなるといわれ、香りの弱い主食(ドライフード)よりも、香りの立つおやつのほうに反応しやすくなることがあります。「おやつなら食べる」からといって、必ずしもわがままとは限りません。同じフードに飽きてしまったり、味覚の変化で好みが変わったりしているケースもあります。

口の中の痛み・トラブル

歯周病や口内炎、歯のぐらつきなどがあると、「食べたいのに、硬いドライフードを噛むと痛くて食べられない」ことがあります。やわらかいおやつは食べられても硬いフードを避ける、片側だけで噛む、食べこぼす、口を気にするそぶりがある——こうした様子があれば、口の中のトラブルが疑われます。シニア期は歯や歯ぐきの不調が起こりやすいとされ、注意したいポイントです。

内臓など体の不調・病気

食欲そのものが落ちている場合、内臓の病気や痛みなどが背景にあることもあります。おやつは反射的に少し食べられても、全体としての食事量が減り、体重の減少や嘔吐・下痢を伴う場合は、様子見をせず動物病院に相談しましょう。「おやつは食べるから大丈夫」と思い込むと、治療できる病気を見逃してしまうことがあります。

おやつの与えすぎ・食べにくさ

見落とされがちなのが、おやつでお腹がいっぱいになってしまっているケースです。「ご飯を食べないから」とおやつを増やすと、そのぶん主食が入らなくなり、さらにご飯を食べなくなる——という悪循環に陥りがちです。犬にとっては「待っていればおいしいおやつがもらえる」という学習にもつながり、ますますご飯を残すようになることもあります。また、首や足腰が弱ってくると、床に置いた器に頭を下げて食べる姿勢そのものがつらくなることもあります。この場合は「食欲がない」のではなく「食べづらい」だけなので、器の高さや置き場所といった環境の工夫で改善が見られることが多いです。

このように、「おやつは食べるのにご飯は食べない」の背景は一つではありません。まずは慌てず、次の章で緊急度を見極めたうえで、当てはまりそうな原因から順に対応していきましょう。

何日まで様子見?食べ方×経過時間で見る緊急度

食事の工夫を試す前に、まず「今すぐ受診すべき状態かどうか」を見極めることがいちばん大切です。ポイントは、「何を・どのくらい食べていないか」と「経過時間」の掛け合わせで考えることです。下の図で、いまの状態がどこに当てはまるか確認してみてください。

老犬の食べ方と経過時間から緊急度を見分ける図
食べ方×経過時間で見る緊急度の目安(当メディア編集部作成)
愛犬の様子 緊急度 対応の目安
水も飲まない/ぐったりしている/おやつも口にしない 高い 当日中に動物病院へ。夜間なら救急動物病院への相談も検討
嘔吐・下痢・けいれんを伴う 高い できるだけ早く受診
丸1日(24時間)以上、ご飯をほとんど食べない 1〜2日を目安に受診を相談(シニア犬は絶食に弱いため早めに)
ご飯は残すが体重が減ってきた/食べ方がぎこちない 数日以内に受診し、口の中や病気の有無を確認
ご飯は残すが、おやつは食べる・水は飲む・元気はある 低め この記事の食事の工夫を試しつつ、続くようなら受診

「水も飲まない」「ぐったりしている」場合は、工夫を試すより先に受診してください。シニア犬は体力の蓄えが少なく、絶食が長引くと急に弱ってしまうことがあるといわれます。判断に迷うときも、かかりつけの動物病院に電話で相談すれば、受診の要否を教えてもらえます。なお、上の目安はあくまで一般的なもので、最終的な判断は獣医師にご相談ください。

犬だけでなく猫でも「食べない」の見極めに悩む方は多く、動物種によって注意点が少し異なります。猫のケースは以下の記事で詳しくまとめています。

今日からできる食事の工夫

手からご飯を与えられている高齢の犬
写真はイメージです

受診を急ぐサインがなければ、まずは「主食を食べやすくする工夫」から試してみましょう。どれも今日から始められるものです。おやつは少し控えめにして、ご飯に向き合える状態をつくってあげるのがポイントです。

1フードをぬるま湯でふやかして香りを立てる

ドライフードを人肌程度のぬるま湯で10〜15分ふやかすと、やわらかくなって食べやすくなるだけでなく、温まって香りが立ち、鈍くなった嗅覚にも届きやすくなります。熱湯は栄養素を壊しやすいため避け、ぬるま湯を使いましょう。

2ウェットフードや少量のトッピングで香りを足す

犬用のウェットフードや、ゆでたささみのゆで汁(味付けなし)を少量トッピングすると、香りが立って食いつきが変わることがあります。人の食べ物やネギ類・味付きのものは与えないでください。

3食器の高さを上げて食べる姿勢を楽にする

床置きの器を、首を下げなくても届く高さ(立ったときの胸の下あたりが目安)に上げると、姿勢の負担が減って食べやすくなります。台や脚付き食器のほか、手持ちの箱で代用しても構いません。

41回の量を減らし、回数を増やす

一度にたくさん食べるのが体力的につらい子には、1日2回のご飯を3〜4回に分けると、合計量を保ちやすくなります。少量頻回にすることで、胃腸への負担もやわらぎます。

5静かな環境を整え、手から与えてみる

食事の場所を人の出入りが少ない静かな場所に移し、滑らないマットで足元を安定させると落ち着いて食べられます。シニア期は甘えや不安から、手から差し出すと食べる子もいます。器の反射光が苦手になっている場合は、器を替えてみるのも一つです。

注意したいのは、「おやつなら食べるから」とおやつを増やしてしまうことです。一時しのぎにはなりますが、おやつでお腹を満たすと栄養バランスが偏りやすく、主食がますます入らなくなります。おやつは1日の総カロリーの1〜2割程度にとどめ、あくまで主食に戻していくことを目標にしましょう。

フードを見直す|シニア期の選び方とおすすめ

計量スプーンとドッグフードの粒
写真はイメージです

工夫をしても食いつきが戻らない場合、フード自体がいまの体や好みに合わなくなっているのかもしれません。シニア犬のフードを見直すときは、次の4つのポイントを目安にすると選びやすくなります。

  • 香りの立ちやすさ:嗅覚が鈍っても食欲を刺激できるか。ふやかしに対応しているかも確認
  • 粒の大きさ・食べやすさ:あごの力が落ちても食べやすい小粒や、砕きやすい形状か
  • 消化のしやすさ・原材料:主原料が明確で、胃腸に配慮した設計か
  • 栄養バランス:シニア期の体づくりに配慮した配合か(持病がある子は獣医師に相談を)

フードを選ぶときは、香りの強さと粒の食べやすさをまず重視すると、食が細くなってきたシニア犬でも試しやすくなります。ドライフードは総合栄養食として栄養バランスが整っているものが多く、ぬるま湯でふやかせば香り立ちと食べやすさを両立できるのも利点です。一方で、噛む力が大きく落ちてきた子には、ウェットフードや介護食(ペースト・流動食)も選択肢になります。

ここでは、当メディア編集部が公式サイトの情報を調査し、上記のポイントに沿って比較したドライフードを3種類ご紹介します。いずれも合う・合わないには個体差があるため、切り替えは少量ずつ・1〜2週間かけて、いまのフードに新しいフードを混ぜながら進めましょう。急な切り替えは下痢や嘔吐の原因になることがあります。

フード名 タイプ 特徴 こんな子に
モグワン 小粒ドライ(全年齢) チキン&サーモンが主原料。ふやかし対応・小さめのリング型 まず1種目に試したい・小粒がよい子
ネルソンズ ドライ(中型〜大型犬向け) チキンが主原料のグレインフリー。やや大きめの粒 体格のある中型〜大型のシニア犬
カナガン 小粒ドライ(全年齢) チキンが主原料の高タンパク設計。中央に穴のある小粒 しっかり食べる力を保ちたい子

モグワン

モグワン公式サイトのトップページ
出典:モグワン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

モグワンは、放し飼いチキンの生肉と生サーモンなどを合わせた動物性原料が主体の、グレインフリー(穀物不使用)のドライフードです。粒は直径1cmほどのリング型で、公式サイトでは老犬向けにお湯でふやかして与える方法も案内されています。全年齢対応のため、シニア期のフード切り替えの1種目として選ばれることの多いフードのひとつです。香りが立ちやすく、ふやかしとの相性がよい点も、食が細くなってきた子に検討されるポイントといえます。

基本情報: 主原料=チキン&サーモン(動物性56.5%)/タイプ=小粒ドライ(リング型)/対象=全年齢/内容量=1.8kg/通常価格=5,456円(税込・執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

モグワン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量の詳細は公式サイトでご確認ください

ネルソンズ

ネルソンズ公式サイトのトップページ
出典:ネルソンズ公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

ネルソンズは、チキンを主原料(生肉と乾燥チキンで約50%)とするグレインフリーのドライフードです。粒は1辺1cmほどの三角形で、モグワンやカナガンよりやや大きめ。内容量5kgの大容量パッケージで、全年齢に対応しています。体格のある中型〜大型のシニア犬で、しっかり噛む力が残っている子に向いた設計です。逆に、噛む力が落ちてきた小型犬にはやや粒が大きいため、ふやかして与えるなどの工夫を検討するとよいでしょう。

基本情報: 主原料=チキン(生肉+乾燥で約50%)/タイプ=ドライ(1辺1cmの三角形・やや大粒)/対象=全年齢・全犬種(中型〜大型向き)/内容量=5kg/価格=公式の通常価格は要確認(各通販で税込7,000円台〜の表示あり・執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ネルソンズ 公式サイトはこちら

最新の価格・原材料・給餌量は公式サイトでご確認ください

カナガン

カナガン公式サイトのトップページ
出典:カナガン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

カナガンは、放し飼いチキンの生肉と乾燥チキンを合わせた動物性タンパク源50%以上の、グレインフリー・高タンパク設計のドライフードです。粒は中央に穴のあいた小粒タイプで、子犬からシニア犬まで食べやすい形状とされています。全年齢・全犬種対応のため、年齢を重ねても食べる力・体づくりを保ちたい子に検討されるフードです。小粒でふやかしにも対応しやすく、モグワンとあわせて「まず試す小粒フード」の候補になります。

基本情報: 主原料=チキン(生肉26%・乾燥25%)/タイプ=小粒ドライ(中央に穴)/対象=全年齢・全犬種/内容量=2.0kg/通常価格=5,456円(税込・執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

カナガン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量の詳細は公式サイトでご確認ください

なお、持病があって食事管理が必要な子は、市販のフードに切り替える前に必ずかかりつけの獣医師に相談してください。腎臓や心臓などに配慮した療法食は、獣医師の指導のもとで選ぶのが原則です。

動物病院に相談する目安

診察台で獣医師に診てもらう犬
写真はイメージです

「おやつは食べるから」と様子見を続けているうちに、体力を消耗してしまうこともあります。シニア犬は体力の蓄えが少なく、食べない状態が続くと急速に弱ってしまうことがあるため、「様子見は最長でも1〜2日まで」を目安に、次に当てはまれば受診をおすすめします。

  • 丸1日(24時間)以上、ご飯をほとんど食べていない
  • おやつを含めても食べる量が明らかに減ってきた
  • 1か月ほどで体重が目に見えて減った
  • 食べ方がぎこちない(食べこぼし・片側噛み・口を気にする)
  • 水を飲む量が急に増えた・減った、嘔吐や下痢がある

受診の際は、「いつから・どのくらい食べていないか」「おやつや好物は食べるか」「水は飲めているか」「便や尿の様子」をメモしていくと診察がスムーズです。食事の様子をスマホで動画に撮っておくと、獣医師に伝わりやすくなります。犬の食欲不振全般については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

看取り期の「食べない」との向き合い方

毛布にくるまり静かに休む高齢の犬に寄り添う手
写真はイメージです

ここまでは「食べられるようにする工夫」をお伝えしてきましたが、老いや病気が進み、治療をして食べさせることが必ずしもその子のためにならない時期を迎えることもあります。終末期には、体が食べ物を受けつけにくくなり、少しずつ食が細くなっていくことが自然な経過として起こります。

このとき大切なのは、「食べさせること」より「その子が穏やかでいられること」を軸に考える視点です。無理に口へ押し込むことがつらそうであれば、好きだったものの香りをそばに置く、口元を湿らせてあげる、そっと寄り添って声をかける——そうした関わりも、立派な食事のケアです。強制給餌を行うかどうかは、誤嚥のリスクもあるため、必ずかかりつけの獣医師と相談しながら判断してください。

「食べてくれない」ことに罪悪感を抱く必要はありません。食べられなくなっていく姿を見守ることも、最期まで寄り添う愛情のかたちのひとつです。どうか、あなた自身の心も労わってあげてください。

よくある質問

Qおやつは食べるのにご飯を食べないのは、わがままですか?

Aわがまま(選り好み)のこともありますが、必ずしもそうとは限りません。嗅覚や味覚の変化で香りの弱い主食を避けている、口の中に痛みがある、体調が優れないなど、さまざまな背景が考えられます。おやつを控えて食事の工夫を試しても改善しない、体重が減る、元気がないといった様子があれば、一度受診して原因を確認すると安心です。

Qおやつなら食べるので、しばらくおやつだけでもいいですか?

A一時的にはやむを得ないこともありますが、長く続けるのは避けたいところです。おやつは総合栄養食ではないため、そればかりでは必要な栄養バランスが偏ってしまいます。おやつは1日のカロリーの1〜2割程度にとどめ、ふやかしやトッピングなどで主食に戻していくことを目標にしましょう。

Qフードを切り替えるとき、どのくらいの期間で慣らせばいいですか?

A急に全量を変えると胃腸に負担がかかることがあるため、1〜2週間かけて少量ずつ、いまのフードに新しいフードを混ぜながら比率を増やしていくのが一般的とされています。下痢や嘔吐が出た場合は切り替えを止め、体調が落ち着くまで様子を見てください。

Q老犬がご飯を食べないまま、どのくらいで危険になりますか?

A体格や持病によって異なりますが、シニア犬は若い犬より絶食への耐性が低いといわれます。おやつや水はとれていても、ご飯を丸1日(24時間)以上食べない状態が続く場合は受診を検討し、水も飲まない・ぐったりしている場合は当日中の受診をおすすめします。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。気になる症状がある場合は動物病院にご相談ください。フードの情報は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

まとめ|「おやつは食べる」も、体からのサイン

おやつは食べるのにご飯を残す背景には、嗜好性や好みの変化から、口の中や体の不調まで、さまざまな理由があります。まずは「水は飲めているか」「元気はあるか」「どのくらい食べていないか」で緊急度を見極め、受診を急ぐサインがなければ、ふやかし・トッピング・食器の高さ・少量頻回といった小さな工夫から試してみてください。それでも戻らないときは、いまの体に合ったフードへの見直しも一つの選択肢です。

食が細くなっていく姿を見るのはつらいものですが、工夫の一つひとつは「これからも一緒においしく食べようね」という気持ちの表れでもあります。あなたとあの子のごはんの時間が、これからも穏やかなものでありますように。

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