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老犬の食事|シニア犬に必要な栄養と食べ方・フードの選び方

若いころは勢いよく完食していた食事を、少しずつ残すようになった。食べる量が減り、痩せてきた気もする——。愛犬がシニア期に入ると、「このごはんのままでいいのかな」「量や回数はどうしてあげればいいんだろう」と、日々の食事に迷いが増えてくると思います。老犬にとって食事は、体を支える土台であると同時に、一日のなかの大切な楽しみでもあります。

飼い主さん
13歳になる愛犬の食事のことで悩んでいます。前より食べる量が減って、フードも合っているのか不安で…。シニアの子の食事って、どんなことに気をつけてあげればいいですか?
編集部
ご心配ですよね。年齢を重ねると、必要な栄養や消化の力、噛む力まで少しずつ変わっていきます。この記事では、当メディア編集部がシニア犬の食事に関する情報を調査し、「栄養と食べ方の基本」から「フードの見直し方」まで、順を追って整理してお伝えしますね。

一言でいうと、老犬の食事は「消化にやさしく・低カロリー高たんぱく・食べやすく」が基本の3本柱です。そのうえで、フードそのものが体に合わなくなってきたと感じたら、シニア犬向けフードへの切り替えを検討してみてください。ただし、丸1日(24時間)以上まったく食べない・水も飲まない・ぐったりしているといった様子があるときは、食事の工夫よりも先に動物病院にご相談ください。

老犬の食事はどう変わる?シニア期に必要な栄養と食べ方

穏やかに過ごすシニア犬とそばに寄り添う飼い主
写真はイメージです

犬も人と同じように、年齢を重ねると体の働きが少しずつ変わっていきます。一般的にシニア期の入り口は、小型・中型犬で7歳前後、大型犬で5〜6歳前後といわれます。まずは、シニア期に食事で意識したい5つのポイントを整理しておきましょう。

必要な栄養バランスが変わる(低カロリー・高たんぱく)

年齢を重ねると運動量や基礎代謝が落ち、若いころと同じ量を食べていると太りやすくなるといわれます。一方で、筋肉を保つためのたんぱく質はしっかり摂りたい時期でもあります。そのため、シニア犬の食事では「カロリーは控えめに、たんぱく質は良質なものをしっかり」という考え方が基本になります。ただし腎臓などに持病がある場合はたんぱく質の量を調整する必要があるため、必ず獣医師に相談してください。

消化にやさしいものを選ぶ

加齢とともに消化・吸収の力もゆるやかに落ちていきます。脂質が多すぎるものや消化に負担のかかる食材は避け、消化性に配慮した原材料・設計のフードを選ぶと、おなかへの負担をやわらげやすくなります。

水分をしっかりとれるようにする

シニア期は自分から水を飲む量が減り、気づかないうちに水分が不足しがちです。ドライフードをぬるま湯でふやかす、ウェットフードを取り入れる、水飲み場を増やすといった工夫で、食事から自然に水分を補えるようにしてあげましょう。

食事の回数と「ふやかし」で食べやすく

一度にたくさん食べるのが体力的につらくなってきた子には、1日2回の食事を3〜4回に分けると、一回あたりの負担を減らしながら合計量を保ちやすくなります。また、ドライフードを人肌程度のぬるま湯で10〜15分ふやかすと、やわらかくなって食べやすくなるうえ、温まって香りが立ち、鈍くなった嗅覚にも届きやすくなります。熱湯は栄養素を壊しやすいため避けましょう。

持病がある子は「療法食」も選択肢に

腎臓病や心臓病など、シニア期に増える病気に対しては、症状に配慮して栄養設計された「療法食」があります。療法食は獣医師の指導のもとで選び、与えるのが原則です。自己判断で切り替えず、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

より基本的な「食べない・食が細い」ときの原因と対処は、こちらの記事でくわしくまとめています。

老犬が食事を残す・食べなくなる主な原因

食欲が落ちたシニア犬をなでる飼い主
写真はイメージです

食事を整える前に、なぜ食べる量が減っているのかを知っておくと、対処の方向が見えてきます。老犬の食欲低下は、大きく4つに整理できます。複数が重なっていることも多いので、当てはまるものがないか順番に確認してみてください。

加齢による自然な変化

年齢を重ねると、運動量や基礎代謝が落ちて必要なカロリー自体が減るほか、嗅覚や味覚が鈍くなって食べ物の匂いを感じにくくなるといわれます。食べる量が少しずつ減っていくのは、ある程度は自然な変化です。ただし「急に」食べなくなった場合は、加齢だけでは説明がつかないことが多いため注意が必要です。

口の中や体の不調・病気

歯周病や口内の痛みで「食べたいのに食べられない」場合や、内臓の病気・関節の痛みなどで食欲そのものが落ちている場合があります。食べ方に違和感がある(片側だけで噛む、食べこぼす、口を気にする)、体重が減ってきた、嘔吐や下痢を伴う——こうしたサインがあれば、様子見をせず動物病院に相談しましょう。

食べにくさ(姿勢・食器・フードの形状)

首や足腰が弱ってくると、床に置いた器に頭を下げる姿勢そのものがつらくなります。また、あごの力や飲み込む力が落ちると、硬いドライフードが負担になることもあります。この場合は「食欲がない」のではなく「食べづらい」だけなので、環境の工夫で改善が見られることが多いです。

好みの変化・環境の変化

シニア期には食の好みが変わることがあり、昨日まで食べていたフードに急に飽きる子もいます。また、気温の変化、生活リズムの乱れ、家族構成の変化などのストレスが、食欲に影響することもあります。

何日まで様子見?食べ方×経過時間でみる緊急度の目安

食事の工夫やフードの見直しを試す前に、まず大切なのは「今すぐ受診すべき状態ではないか」を見極めることです。老犬は体力の蓄えが少なく、食べない状態が続くと若い犬より早く弱ってしまうことがあります。次の表で、当てはまるものがないか確認してみてください。

食べ方・様子 経過・緊急度の目安 対応の目安
水も飲まない/ぐったりしている 緊急度:高い 当日中に動物病院へ。夜間は救急動物病院への相談も検討
嘔吐・下痢・血便を伴って食べない 緊急度:高い できるだけ早く受診
丸1日(24時間)以上、何も食べない 緊急度:やや高い 翌日までに受診の相談を(シニア犬は絶食に耐える体力が少ないため早めに)
食べる量が減り、体重も減ってきた 緊急度:中 数日以内に受診し、病気の有無を確認
ごはんは残すが、おやつは食べる・水は飲む・元気はある 緊急度:低め この記事の食事の工夫を試しつつ、続くようなら受診

「水も飲まない」「ぐったりしている」ときは、工夫を試すより先に受診してください。これはあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は診察した獣医師によります。迷ったときも、かかりつけ医に電話で相談すれば受診の要否を教えてもらえます。

シニア犬のフードを選ぶ4つのポイント
シニア犬のフード選びの4つのポイント(当メディア編集部作成)

今日からできる老犬の食事の工夫

やわらかくふやかしたフードを用意する手元
写真はイメージです

受診が必要なサインがなければ、まずは「食べやすくする工夫」から試してみましょう。どれも特別な道具がなくても、今日から始められるものです。

1フードをぬるま湯でふやかす

ドライフードを人肌程度のぬるま湯で10〜15分ふやかすと、やわらかく食べやすくなり、香りも立ちやすくなります。熱湯は栄養素を壊しやすいため避けましょう。

2食器の高さを上げる

床置きの器を、首を下げなくても届く高さ(立ったときの胸の下あたりが目安)に上げると、姿勢の負担が減って食べやすくなります。台や脚付き食器のほか、手持ちの箱で代用しても構いません。

31回の量を減らし、回数を増やす

一度にたくさん食べるのが体力的につらい子には、1日2回のごはんを3〜4回に分けると、合計量を保ちやすくなります。

4ウェットやトッピングで香りを足す

犬用ウェットフードを少量トッピングしたり、ゆでたささみのゆで汁をかけたりすると、香りが立って食いつきが変わることがあります。人の食べ物(ネギ類・味付きのもの等)は与えないでください。

5静かな環境を整える

人の出入りが少ない静かな場所に食事の場所を移す、滑らないマットを敷いて足元を安定させるなど、落ち着いて食べられる環境づくりも効果的です。

これらの工夫を試しても食いつきが戻らないときは、フードそのものがいまの体に合わなくなってきているのかもしれません。次の章で、フードの見直し方を見ていきましょう。

フードを見直す|シニア犬フードの選び方とおすすめ3種

フードの器のそばで休むシニア犬
写真はイメージです

シニア犬のフードを選ぶときは、次の4つのポイントを目安にすると、いまの体に合ったものを選びやすくなります。

  • 消化のしやすさ:胃腸への負担が少ない原材料・設計か
  • 香りの立ちやすさ:嗅覚が鈍っても食欲を刺激できるか(ふやかし対応かも)
  • 粒の大きさ・硬さ:あごの力が落ちても食べやすい小粒・砕きやすい粒か
  • 栄養のバランス:シニア期の体づくりに配慮した配合か(持病がある子は獣医師に相談を)

ここでは、シニア期の切り替え先として検討されることの多い犬用フードを3つ、公式サイトの情報をもとに紹介します。どれもグレインフリー(穀物不使用)でヒューマングレードの食材を掲げるフードですが、体に合うかどうかは個体差があります。切り替えは少量ずつ、1〜2週間かけて行い、おなかの様子を見ながら進めてください。効果には個体差があり、すべての子に合うわけではない点はご理解ください。

フード名 タイプ・特徴 こんな子に
モグワン チキン&サーモン主体・小粒リング型のドライ。全年齢対応 小粒で食べやすいものを探している・ふやかしも試したい子
ネルソンズ チキン主体・グレインフリーのドライ。中型〜大型犬向け設計 体格のある中型〜大型のシニア犬
カナガン チキンたっぷりのグレインフリードライ。全犬種・全年齢対応 高たんぱくで香りの立つフードを試したい子

モグワン

モグワン公式サイトのトップページ
出典:モグワン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

モグワンは、放し飼いチキンと生サーモンを合わせて56.5%使用したドライフードで、人が食べられる品質(ヒューマングレード)の食材を掲げています。粒は直径約1cm・厚さ4.5mmの真ん中に穴の空いたリング型で、小粒で食べやすい形状です。対象は幼犬から老犬までの全年齢。公式サイトではぬるま湯でふやかす食べ方も案内されており、香りを立たせたいシニア期にも取り入れやすいフードのひとつです。口コミでは食いつきへの評価がある一方、合うかどうかは個体差があります。

モグワンの基本情報

主原料 チキン&サーモン56.5%
タイプ ドライ(小粒リング型)
対象 全年齢(全犬種)
内容量 1.8kg
特徴 グレインフリー・ヒューマングレード(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

モグワン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量の詳細は公式サイトでご確認ください

ネルソンズ

ネルソンズ公式サイトのトップページ
出典:ネルソンズ公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

ネルソンズは、チキンを50%(チキン生肉25%・乾燥チキン25%)使用したイギリス原産のグレインフリードッグフードです。粒は1辺約10mmの三角形で、中型〜大型犬向けに設計されています。対象は全年齢で、保存料・香料・着色料などの人工添加物は使用していないと公式に記載されています。体格のある中型〜大型のシニア犬で、しっかりした粒を食べられる子に向いたフードといえます。

ネルソンズの基本情報

主原料 チキン50%
タイプ ドライ(三角形・約10mm)
対象 全年齢(中型〜大型犬向け)
内容量 5.0kg
特徴 グレインフリー・イギリス原産(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ネルソンズ 公式サイトはこちら

原材料や給餌量の詳細は公式サイトでご確認ください

カナガン

カナガン公式サイトのトップページ
出典:カナガン公式サイト(2026年7月時点のトップページより引用)

カナガンは、放し飼いチキンを50%以上使用したグレインフリーのドライフードで、野菜やハーブをバランスよく配合しています。全犬種・全年齢に対応し、100gあたり約376kcalとされています。高たんぱくで香りが立ちやすい設計のため、食いつきが落ちてきたシニア犬に試されることの多いフードです。粒はふやかして与えることもでき、シニア期の食べやすさにも配慮しやすいフードといえます。

カナガンの基本情報

主原料 チキン50%以上
タイプ ドライ
対象 全犬種・全年齢
エネルギー 約376kcal/100g
特徴 グレインフリー・ヒューマングレード(執筆時点)

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

カナガン 公式サイトはこちら

原材料や給餌量の詳細は公式サイトでご確認ください

持病があって食事管理が必要な子や、ドライがもう食べづらそうな子には、療法食や介護食(流動食・ペースト)といった選択肢もあります。療法食は必ず獣医師の指導のもとで選びましょう。

動物病院に相談する目安

動物病院で診察を受けるシニア犬
写真はイメージです

シニア犬は体力の蓄えが少なく、食べない状態が続くと急速に弱ってしまうことがあります。「様子見は最長でも1〜2日まで」を目安に、次に当てはまるときは受診をおすすめします。

  • 丸1日(24時間)以上、ほとんど何も食べていない
  • 食べない日が数日おきに繰り返される
  • 1か月で体重が明らかに減った
  • 食べ方がぎこちない(食べこぼし・片側噛み・口を気にする)
  • 水を飲む量が急に増えた・減った、嘔吐や下痢がある

受診の際は、「いつから・どのくらい食べていないか」「おやつや好物は食べるか」「水は飲めているか」「便や尿の様子」をメモしていくと診察がスムーズです。食事の様子をスマホで動画に撮っておくのも役立ちます。

なお、猫を含む多頭飼いのご家庭で、老猫の食欲についても気になる方は、こちらもあわせてご覧ください。

看取り期の「食べない」との向き合い方

寄り添う飼い主とシニア犬
写真はイメージです

ここまでは「食べられるようにする工夫」を中心にお伝えしてきましたが、旅立ちが近づいた終末期には、食事との向き合い方が少し変わってきます。体が食べ物を受けつけにくくなり、無理に食べさせることがかえって負担になる時期があるのです。

この段階では、「たくさん食べさせること」よりも、「その子が心地よく過ごせること」が優先になります。好きだったものをほんの少し舐めさせてあげる、指先に付けて香りだけでも楽しんでもらう——そうした関わりも、立派な寄り添いです。強制給餌(シリンジなど)は誤嚥のリスクがあるため、行う場合は必ず獣医師の指導を受けてください。

「もっと食べさせてあげればよかった」と、あとから自分を責めてしまう飼い主さんは少なくありません。けれど、その子のペースに寄り添い、そばにいてあげた時間そのものが、何より大きな贈り物です。どう関わってあげるのがよいか迷ったときは、かかりつけの獣医師に、看取り期の食事やケアについて相談してみてください。

よくある質問

Q老犬の食事は1日何回に分けるのがいいですか?

A一概には言えませんが、一度にたくさん食べるのがつらくなってきた子は、1日2回を3〜4回に分けると一回あたりの負担が減り、合計量を保ちやすくなります。その子の体調や生活リズムに合わせて調整してあげてください。

Qシニア用フードにはいつ頃切り替えればいいですか?

A小型・中型犬で7歳前後、大型犬で5〜6歳前後がシニア期の目安といわれます。ただし年齢だけでなく、食べる量が減った・太りやすくなった・食べづらそうといった変化が見え始めたら検討のタイミングです。切り替えは少量ずつ1〜2週間かけて行いましょう。

Q手作りごはんに切り替えたほうがいいですか?

A香りが立つ手作り食は食いつきが良くなることもありますが、シニア期に必要な栄養バランスを家庭で整えるのは簡単ではありません。取り入れる場合は、総合栄養食をベースにトッピング程度から始めるか、獣医師に相談しながら進めると安心です。

Q食が細くなったのは老衰のサインでしょうか?

A食欲の低下は加齢に伴う自然な変化のひとつですが、「老衰だから仕方ない」と決めつけると、治療できる病気を見逃すことがあります。まずは一度受診して病気の有無を確認したうえで、その子の体に合った食事に整えてあげるのが安心です。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。気になる症状がある場合は動物病院にご相談ください。フードの情報は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

まとめ|食事の時間が、穏やかでありますように

老犬の食事は、「消化にやさしく・低カロリー高たんぱく・食べやすく」を基本に、水分と回数の工夫、そして必要に応じたフードの見直しで整えていけます。まずは緊急度を見極め、受診が必要なサインがなければ、ふやかしや食器の高さ、回数分けといった小さな工夫から試してみてください。フードが合わなくなってきたと感じたら、シニア犬向けフードへの切り替えも選択肢になります。

食が細くなっていく姿を見るのはつらいものですが、食事を整える一つひとつは「これからも一緒においしく食べようね」という気持ちの表れでもあります。あなたとあの子の毎日のごはんの時間が、これからも穏やかなものでありますように。

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