大切な家族を見送ったあと、「いつかは自分と同じお墓で、また一緒に眠れたら」と願う方は少なくありません。近年は、人とペットが一緒に入れるお墓が少しずつ増え、なかでも管理や供養をずっと施設に任せられる「永代供養」というかたちが選ばれるようになってきました。とはいえ、永代供養とはどういう仕組みなのか、合祀墓・樹木葬・納骨堂で何が違うのか、費用はどのくらいかかるのか——分からないことが多く、なかなか一歩を踏み出せないものです。
この記事では、人とペットが一緒に入れる「永代供養タイプ」のお墓について、仕組み・種類・費用のめやす・選び方を、当メディア編集部が霊園・供養サービス各社の公開情報をもとに静かに整理しました。急いで決める必要はありません。読みながら、その子と自分に合うかたちをゆっくり探していけたらと思います。


一言でいうと、人とペットが一緒に入れる永代供養のお墓は「合祀墓・樹木葬・納骨堂」が基本で、費用は数万円から数十万円まで幅があります。永代供養は承継者がいなくても施設が供養を続けてくれる仕組みで、「遺骨を後から取り出せるか」「管理費が続くか」を軸に選ぶと迷いが少なくなります。
永代供養とは?人とペットが一緒に入れる仕組み
永代供養とは、お墓を継ぐ人(承継者)がいなくても、霊園やお寺などの施設が代わりに供養と管理を続けてくれる仕組みのことです。「永代」とは「長きにわたって」という意味で、多くの場合、一定期間を過ぎると他の方の遺骨と一緒の合祀(ごうし)墓へ移して、その後もずっと供養してもらえます。お墓の跡取りがいない方や、遠方で管理が難しい方にとって、安心して託せるかたちとして広がってきました。
人とペットが一緒に入れるお墓は、こうした永代供養に対応した霊園を中心に増えています。かつては「ペットは人と同じお墓に入れない」とされることが一般的でしたが、これは法律で禁じられているわけではなく、霊園やお寺ごとの方針や慣習によるものです。ペットの受け入れを認める区画や、人とペット共葬の樹木葬など、選べる場所は少しずつ広がっています。

ペットと一緒に入れるお墓の全体像(人と別に供養する方法も含む)や探し方をまず知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
永代供養タイプのお墓3種類(合祀墓・樹木葬・納骨堂)
人とペットが一緒に入れる永代供養のお墓は、大きく「合祀墓」「樹木葬」「納骨堂」の3つに分けられます。それぞれ、お参りのしやすさ・費用・遺骨の扱いに違いがあります。まずは全体像を眺めて、どのかたちが今の気持ちに近いかを感じてみてください。

合祀墓(合同墓・永代供養墓)
他のご家族やペットたちと一緒に、ひとつのお墓へ納めて永代供養してもらう方法です。永代供養のもっとも基本的なかたちで、費用を最も抑えやすく、管理や供養を施設に任せられる安心感があります。人とペットが同じ合祀墓に一緒に入れる霊園もあります。ただし、他の方の遺骨と一緒に納めるため、あとから遺骨を取り出すことはできません。「いずれ手元に戻したい」という気持ちが少しでもあるなら、この点はよく考えてから選んでください。
樹木葬(人・ペット共葬タイプ)
墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとし、その根元に遺骨を納める方法です。自然に還るやすらぎのかたちとして人気が高まっており、人とペットが一緒に眠れる共葬プランを設ける霊園も増えています。区画を個別に持てるタイプなら、後から遺骨を移せる場合もあります。一方、はじめから他の方と一緒に埋葬する合祀式の樹木葬では、遺骨を取り出せないことが多い点に注意しましょう。宗旨・宗派を問わない霊園が多いのも特徴です。
納骨堂(屋内・永代供養タイプ)
屋内の施設に遺骨を安置し、天候を気にせずお参りできるのが納骨堂です。人とペットを同じ厨子(ずし)や区画に納められる施設もあります。年間契約になっていることが多く、屋外のお墓に比べて管理の手間が少ないのが魅力です。一定期間の安置ののち合祀墓へ移して永代供養する仕組みが一般的なので、契約期間が過ぎたあとの扱い(合祀へ移るか、更新できるか)を事前に確認しておくと安心です。
永代供養のお墓の費用相場(税込・執筆時点)
費用はタイプによって大きく変わり、数万円から数十万円までの幅があります。下の表は、当メディア編集部がペット霊園・供養サービス各社の公開情報をもとにまとめた、永代供養タイプ別の費用のめやすです。金額はあくまで一般的な相場で、地域・施設・区画の広さ・人とペット共葬かどうかによって変わります。実際の金額は、必ず利用する施設で見積もりをご確認ください。
| タイプ | 費用相場のめやす(税込) | 遺骨の取り出し | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 合祀墓(永代供養墓) | 約30,000円〜100,000円 | できない | 費用を抑え、供養を施設に任せたい |
| 樹木葬(個別区画) | 約100,000円〜500,000円(+管理費の場合あり) | できる場合が多い | 自然のなかで一緒に眠りたい |
| 樹木葬(合祀式) | 約50,000円〜150,000円 | できない | 費用を抑えつつ自然に還したい |
| 納骨堂(永代供養タイプ) | 年間 約20,000円〜/一括 約100,000円〜 | できる場合が多い | 屋内で天候を気にせずお参りしたい |
費用を見るときは、最初にかかる初期費用だけでなく、年間管理費が続くかどうかもあわせて確認しましょう。合祀墓は管理費がかからないことが多く、個別区画の樹木葬や納骨堂は管理費が続く場合があります。火葬から供養までにかかるお金の全体像を知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

永代供養のお墓の選び方・進め方
タイプと費用が分かったら、次はその子と自分に合うかたちを選んでいきます。「正解」を探すより、家族が心穏やかにお参りを続けられるかを大切にしてください。次の順で考えていくと、気持ちが整理しやすくなります。
1「一緒に入りたいか」を家族で確かめる
まずは、いつか自分もその子と同じお墓で眠りたいのか、それともその子のためのお墓を用意したいのか、気持ちの方向を家族で確かめます。人とペットの共葬を望むなら、共葬に対応した霊園に絞って探すのが近道です。
2遺骨を後から移す可能性があるか考える
引っ越しや将来の事情で遺骨を移すかもしれないなら、個別区画の樹木葬や個別安置の納骨堂など、取り出せるタイプが向いています。合祀墓は取り出せないため、迷いがある間は避けておくと安心です。
3初期費用と管理費を分けて確認する
最初にかかる費用だけでなく、年間管理費が続くかどうかも確認します。何年分の管理費が含まれるのか、更新の有無も見積もりで明確にしておきましょう。
4お参りのしやすさ(距離・時間)を見る
無理なく通える距離か、お参りできる時間帯かも大切です。長く続けられる場所を選ぶことが、穏やかな供養につながります。人とペット共葬の霊園は数が限られるため、地域も含めて早めに調べておくと安心です。
5実在・見学のしやすさ・宗旨宗派の条件を確かめる
固定の施設があり見学できるか、費用が明朗か、宗旨・宗派の条件があるかを確認します。実際に足を運んで、雰囲気や管理の様子、ペット受け入れの実績を見ておくと安心です。

信頼できる依頼先・相談のしかた
永代供養のお墓や供養の進め方は、地域や希望によって選択肢が変わります。「どこに相談すればいいか分からない」というときは、まず火葬や供養の相談を無料で受け付けている窓口に、気持ちや希望を伝えてみるのも一つの方法です。悪質な業者による高額請求などのトラブルも一部で報じられていますので、固定の施設や所在地があるか、立ち会いや返骨に対応しているか、料金を事前に確定できるかを必ず確認してから依頼してください。
「人とペットが一緒に眠れる、永代供養に対応したお墓そのものを探したい」という場合は、ペット向けのお墓・供養サービスを紹介している窓口に相談すると、条件に合う霊園を見つけやすくなります。
相談の際は、以下の点を確認しておくと、あとから「思っていたのと違った」という不安を減らせます。

お墓の種類や供養方法をもう少し広く見比べたい方は、同じテーマの関連記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト・公開情報をもとにした一般的な相場です。人とペット共葬かどうかや地域により費用は大きく異なります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
人とペットが一緒に入れる永代供養のお墓は、「合祀墓・樹木葬・納骨堂」が基本のかたちです。永代供養は承継者がいなくても施設が供養を続けてくれる仕組みで、選ぶときは「遺骨を後から取り出せるか」「初期費用と管理費」「お参りのしやすさ」を軸にすると、迷いが少なくなります。人とペットの共葬に対応した霊園は数が限られるため、気持ちが整ったタイミングで、地域も含めて少しずつ調べておくと安心です。
どのかたちを選んでも、その子を想う気持ちに正解も間違いもありません。あなたとその子が、また穏やかに寄り添える日まで、この記事が静かな道しるべになりますように。