大切な家族だったペットを見送ったあと、「お墓を作ってあげたい」「名前を刻んだ墓石で、そばに置いておきたい」と考える方は少なくありません。けれど、いざ調べはじめると、石の種類やデザイン、彫刻の方法、庭に置いていいのかどうかなど、決めることが意外とたくさんあって戸惑ってしまうものです。
この記事では、ペットの墓石・墓標について、デザインや素材(石種)、名前や写真の彫刻、そして設置する場所と方法を中心に、静かに整理していきます。費用の細かな相場よりも「どんな形で残してあげたいか」を落ち着いて選べるよう、編集部が各社の公式サイトや案内をもとにまとめました。急いで決める必要はありません。ご自身とペットに合う形を、ゆっくり探していただければと思います。


一言でいうと、ペットの墓石は「置き場所」を先に決めると、素材・デザイン・彫刻・設置方法がまとまって選びやすくなります。屋外なら雨風に強い石、室内・手元ならプレートや小さな墓標が向いています。
ペットの墓石・墓標の種類とデザイン
ひとくちに「墓石」といっても、ペット用にはいくつかの形があります。まずはどんなタイプがあるのかを、デザインの視点から見ていきましょう。大きさや形に決まりはなく、その子らしさを表せるのがペットの墓石の魅力でもあります。

墓石・墓標・プレートの形の違い
屋外の霊園などに建てる墓石は、御影石などを使った据え置き型が一般的です。人のお墓を小さくしたような形のほか、丸みのある可愛らしいデザインや、動物のモチーフをあしらったものもあります。
一方、地面に平らに置くプレート型(墓標)は、板状で省スペース。庭の一角や霊園の区画に馴染みやすく、写真や肉球なども刻みやすいのが特徴です。手元に置く小さな墓標としても選ばれています。木製や陶器製のあたたかい風合いのものもあり、室内の供養スペースに向いています。
デザインを決めるときの視点
デザインを選ぶときは、次のような視点で考えると、その子らしい形が見えてきます。理屈で決めるというより、思い出をたどりながら選んでいく時間そのものが、供養のひとつになります。
- 形 → 洋型(横長・丸み)/和型(縦長)/オリジナル形状(骨や肉球、寝姿など)
- 色 → 落ち着いたグレー・黒系/やわらかな白・ベージュ系/その子の毛色に寄せる
- 添えるモチーフ → 肉球・お花・リボン・虹など(「虹の橋」にちなむ図柄も選ばれます)
お墓の種類全体(霊園・樹木葬・納骨堂・自宅墓など)から比べたいときは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
墓石の素材(石種)で選ぶ
墓石の印象と耐久性を大きく左右するのが、素材です。屋外に長く残したいのか、室内で身近に置きたいのかによって、向いている素材が変わります。下の図に、代表的な3タイプの特徴をまとめました。

屋外に向く石材(御影石・みかげ石など)
屋外に据える墓石には、硬く雨風に強い御影石(花崗岩)がよく使われます。人のお墓にも用いられる石材で、文字を深く彫刻でき、長い年月しっかり残るのが強みです。色味も黒・グレー・白・ピンク系など幅があり、その子の雰囲気に合わせて選べます。屋外に長く安置したい場合の定番といえます。
手元・室内に向く素材(プレート・金属・陶器・木)
庭でも省スペースに置きたい場合や、室内・手元に置きたい場合は、石のプレートや金属プレート、陶器、木といった素材が選ばれます。小さく軽く、置き場所を選ばないのが利点です。金属や陶器は写真をきれいに焼き付けられるものもあり、木はやわらかく優しい印象になります。ただし木や陶器は屋外では傷みやすいため、雨のかからない場所に置くのが安心です。
素材を選ぶときの確認点
素材選びで確認しておきたいこと
屋外に置くなら「雨風・紫外線への強さ」、室内なら「サイズと重さ」を基準に。刻みたい内容(名前だけか、写真も入れるか)によって適した素材が変わるため、注文前に「この素材で写真彫刻は可能か」を制作先に確認しておくと、仕上がりのイメージ違いを防げます。
名前や写真を刻む彫刻の方法
ペットの墓石で多くの方が大切にされるのが、名前や日付、写真を刻む「彫刻」です。どんな内容を、どんな方法で刻めるのかを知っておくと、注文のときに迷いにくくなります。

刻める内容と彫刻の種類
刻む内容に決まりはありません。よく選ばれるのは、次のようなものです。文字だけでなく、その子を思い出せる図柄を添える方も増えています。
- 名前(呼び名・ニックネームでも)
- 生まれた日・旅立った日
- 肉球やお花、虹などのイラスト
- 短いメッセージ(「ありがとう」「またね」など)
- 写真(金属プレートやガラスなどに焼き付け・レーザー加工)
彫刻の方法は、石を彫り込む「サンドブラスト(砂で削る方式)」や「レーザー彫刻」、写真を焼き付ける「陶板・金属プレート」などがあります。制作先によって対応できる方法や、色入れ(白・金など)の有無が異なるため、仕上がりの見本を見せてもらうと安心です。
彫刻を頼むときのポイント
彫刻を頼むときのポイントの口コミ・評判
Web上では「肉球のイラストを入れてもらえて、その子らしいお墓になった」「写真彫刻の仕上がりを事前に見せてもらえて安心した」といった声が見られます(傾向の要約です)。
墓石を設置する場所と方法
墓石ができたら、次は「どこに、どうやって置くか」です。大きく分けて、霊園に建てる方法、自宅の庭に置く方法、室内で手元に置く方法があります。それぞれの進め方と注意点を、手順で見ていきましょう。

霊園・墓地に建てる場合
1ペット霊園・墓地の区画を決める
ペット霊園や、ペットと一緒に入れる墓地の区画を選びます。区画の広さで置ける墓石のサイズが決まるため、先に確認します。
2墓石のデザイン・素材を注文する
霊園提携の石材店、または専門の制作先に、形・素材・彫刻内容を伝えて注文します。設置まで含めて依頼できることが多いです。
3設置・据え付けをしてもらう
完成した墓石を区画に据え付けてもらいます。屋外は倒れ防止のため、専門の据え付けをお願いすると安心です。
自宅の庭に置く場合
自宅の庭に小さな墓石や墓標を置くこと自体は、私有地であれば基本的に問題ありません。ただし、いくつか静かに確認しておきたい点があります。
1置く場所と安置方法を決める
雨風の当たりにくい場所を選び、プレートは沈み込み防止に平らな台石や敷石の上に置くと安定します。
2遺骨を土に埋める場合は注意する
遺骨(焼骨)を土に埋めること自体は、私有地であれば法律上ただちに問題にはならないとされますが、将来の引っ越しや土地の売却で掘り返しが難しくなる点は考えておきたいところです。心配な場合は、地上に墓標を置き、遺骨は骨壷のまま手元に残す方法もあります。
3ご近所への配慮も忘れずに
境界に近い場所は避け、目立ちすぎない置き方にすると、長く穏やかに過ごせます。
庭に置く場合の遺骨の扱いや手作りのお墓については、費用の相場とあわせてこちらの記事でも詳しく触れています。
室内・手元に置く場合
屋外に置く場所がない、そばに置いておきたい、という方は、室内の供養スペースに小さな墓標やプレートを置く方法があります。仏壇や写真、お花と一緒に、その子の居場所をそっと作ってあげることができます。屋内なら木や陶器のあたたかい素材も選びやすく、天候を気にせず手入れができます。
墓石・彫刻の相談・オーダー先
「どの素材が庭に向くのか」「写真彫刻は頼めるのか」「そもそも火葬や返骨からどう進めればいいのか」——迷ったときは、無理に自分だけで抱え込まず、ペットの供養に詳しい窓口に相談するのもひとつの方法です。制作先によって対応できる素材・彫刻・納期が異なるため、複数を見比べてから決めると安心です。

火葬・供養からまとめて相談したいとき
お墓や墓石のことは、火葬や供養の流れとつながっています。まだ火葬前の方や、返骨から供養までの相談先を探している方は、ペットの葬儀・供養を紹介してくれる窓口を利用すると、地域や希望に合わせて案内を受けられます。相談だけでも可能で、費用や進め方を確認したうえで、ご自身のペースで決めていけます。
\ 詳細・ご相談は公式サイトから /
火葬から供養・お墓の相談まで、電話で案内を受けられます。まずは費用や進め方だけ聞いてみたい、というときにも利用できます(相談内容・料金は執筆時点。詳細は公式サイトでご確認ください)。
火葬形式(合同火葬/個別火葬/立会火葬)や体重による費用の違いは、供養やお墓の準備を考えるうえでの土台になります。火葬からの費用の全体像は、こちらでまとめています。
依頼先を選ぶときに確認したいこと
墓石や供養を依頼するときは、次の点を確認しておくと、あとで困りにくくなります。特にペット供養の分野では、所在地や実績がはっきりした先を選ぶことが、安心につながります。
依頼前に確認しておきたいこと
・固定の施設・所在地がはっきりしているか
・料金が事前に明確に提示されるか(追加費用の有無も)
・立ち会いや返骨の可否など、希望に対応できるか
・彫刻や素材の見本を見せてもらえるか
よくある質問
※本記事の料金・サービス内容は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
ペットの墓石は、まず「屋外に置くか、室内・手元に置くか」を決めることから始めると、向いている素材やデザインが自然と絞られていきます。屋外なら雨風に強い御影石、室内・手元ならプレートや木・陶器といったやわらかな素材が向いています。名前や写真の彫刻は、書体や仕上がりの見本を確認し、納期も聞いておくと安心です。設置は霊園・庭・室内のいずれでも、置き場所と安置方法をていねいに考えることが、長く穏やかに過ごすためのポイントになります。
形や素材にこうしなければ、という正解はありません。その子との日々を思い出しながら選んだお墓は、それだけであたたかな居場所になります。焦らず、ご自身の心が落ち着く形を選んでいただければと思います。旅立ったあの子が、あたたかな光のなかで安らかに過ごせますように。