ペット葬の料金を調べはじめると、いくつかの会社のページを行き来することになります。そして多くの方が、同じところでつまずきます。「A社は5kg未満で27,500円、B社は5kg以下で33,000円。うちの子は5.2kgだけれど、これはどちらの区分に入るのだろう」——数字が並んでいるのに、自分の子の金額がどこにも書かれていないように見える。あの感覚です。
料金表が読みにくいのは、読む側の問題ではありません。体重の刻み方、税の表記、基本料金に含まれる範囲が、会社ごとにまったく違うからです。この記事では、実在する複数の葬儀社・霊園の公式料金表を編集部が並べて確認し、「どこを、どの順番で見れば自分の子の金額にたどり着けるか」を整理しました。金額の相場そのものよりも、料金表の読み方に絞ってお伝えします。
気持ちが追いつかないなかで数字と向き合うのは、本当に骨の折れることだと思います。あとから「聞いていない費用があった」と悔いを残さずに済むよう、静かにご一緒します。


一言でいうと、ペット葬の料金表は「体重区分の刻み」「税込か税抜か」「基本料金に含まれる範囲」の3か所を順に確認すると読み解けます。表示されている金額が最終的な支払額とは限らないため、最後は総額の見積書で確かめるのが確実です。
ペット葬の料金表が会社ごとに読みにくい理由

ペットの火葬料金には、人の葬儀のような業界共通のフォーマットがありません。火葬にかかる時間と燃料が体の大きさで変わるため、多くの会社が体格別の料金表を用意していますが、その「体格の測り方」が統一されていないのです。
編集部が複数社の公式料金表を確認したところ、大きく2つの流儀がありました。ひとつは体重で区切る方式。ジャパンペットセレモニーは「1〜5kg」「5〜10kg」「10〜15kg」のように刻み、ペット霊園アプリエは「5kg未満」「10kg未満」「15kg未満」と刻んでいます(いずれも執筆時点の各公式サイト)。もうひとつは動物の種類や犬種で区切る方式で、東京ペット火葬(慈恵院)は「猫・その他」「小型犬」「中型犬(パグなど)」「中型犬(柴犬など)」といった区分、城南ペット霊園は「極小・小・中・大・特大」というサイズ区分を採用しています。
つまり、同じ体重の子を連れていっても、A社では体重表を見て金額が決まり、B社では犬種の例示から自分の子がどこに当てはまるかを判断することになります。比較のスタートラインからして、そもそも尺度が違う。料金表を並べても頭に入ってこないのは、そのためです。
そしてもう一点。表に載っている金額は、多くの場合「火葬そのもの」の料金です。骨壺、お別れ室の使用料、自宅までのお迎え、夜間の対応。これらが含まれているかどうかは会社ごとに違い、しかも料金表の欄外に小さく書かれていることが少なくありません。ここから先は、その一つひとつを順番に見ていきます。
体重区分の刻みは会社ごとに違う(境目の体重に注意)

まず確認したいのが、体重の刻み方です。刻みが細かい会社ほど区分の数が多く、境目をまたぐ影響も小さくなります。逆に刻みが粗いと、わずかな体重差で一段上の料金になることがあります。
編集部が調べた範囲では、区分の立て方は次のように分かれていました。
| 事業者名 | 区分の立て方 | 5kg前後の区分の書き方 | 金額の税表記 |
|---|---|---|---|
| ジャパンペットセレモニー | 体重(1kg未満/1〜5kg/5〜10kg…) | 「1〜5kg」「5〜10kg」 | 税抜と税込を併記 |
| ペット霊園アプリエ | 体重(1kg未満/5kg未満/10kg未満…) | 「5kg未満」「10kg未満」 | 税込 |
| ペットの旅立ち | 体重(3kg以下/5kg以下/10kg以下…) | 「小型(5kg以下)」「中型小(10kg以下)」 | 税込 |
| 東京ペット火葬(慈恵院) | 動物の種類・犬種のサイズ | 「小型犬」「中型犬(パグなど)」 | 税込 |
| 城南ペット霊園 | サイズ区分(極小・小・中・大・特大) | 「小」「中」 | 税込 |
※各社公式サイトの料金ページより編集部作成(執筆時点)。金額・区分は変更される場合があります。
「未満」「以下」「〜」の違いで区分が変わる
表を見比べると、同じ5kgという数字でも書き方が三通りあることに気づきます。この差は、体重が境目ちょうどのときに効いてきます。
ペット霊園アプリエは「5kg未満」「10kg未満」という書き方です。この場合、5.0kgの子は「5kg未満」には入らず、次の「10kg未満」の区分になります。一方でペットの旅立ちは「小型(5kg以下)」「中型小(10kg以下)」ですから、5.0kgの子は「5kg以下」に収まります。ジャパンペットセレモニーの「1〜5kg」「5〜10kg」のような書き方は、5kgがどちらの区分にも見えるため、境目の子は問い合わせて確認するのが確実です。
体重が区分の境目から前後500g以内にある場合は、料金表だけで判断せず、必ず事前に確認してください。実際の金額差は小さくありません。ペットの旅立ちの公式料金表では、個別火葬プランが「小型(5kg以下)」で33,000円(税込)、「中型小(10kg以下)」で38,500円(税込)と、区分がひとつ上がるだけで5,500円(税込)変わります(執筆時点)。
亡くなったあとの体重をどう伝えるか
「最後は痩せてしまったので、いまの体重が分からない」というお話もよく聞かれます。この場合、直近の動物病院の記録があればそれを、なければ抱き上げたときの体感でおおよそを伝えれば、多くの会社は目安の金額を出してくれます。当日に業者が測って区分が変わる可能性があるかどうかも、あわせて聞いておくと安心です。
なお、体重ではなく犬種で区分する霊園の場合は、ミックス犬や中型に近い小型犬など、判断に迷う子がいます。この場合も「うちの子は◯◯と△△のミックスで、体重は◯kgです」と伝えれば、どの区分で受けるかを先に教えてもらえます。
「〜円から」という表示が意味するもの

広告や比較サイトでよく見かける「9,800円から」「15,400円から」といった表示。この「から」が指しているのは、原則としてその会社が扱ういちばん小さい区分・いちばん簡素なプランの金額です。犬や猫を見送る多くの方にとって、実際の金額はここから数段上になります。
具体的に見てみます。ペット霊園アプリエの公式料金表では、合同火葬の最安が7,700円(税込)ですが、これは「極小動物(100g以下の鳥類・爬虫類・ハムスターなど)」の区分の金額です。同じ合同火葬でも「10kg未満」の区分では19,800円(税込)になります(執筆時点)。ペット葬儀の相談窓口であるペット葬儀110番も、お引取り霊園供養プランを「8,500円〜(税込)」、個別火葬一任プランを「15,400円〜(税込)」と案内しており、こちらも小動物・最小区分を起点とした表示です。
| 例 | 「〜から」の金額 | その金額が指す区分 | 10kg前後の子の場合 |
|---|---|---|---|
| ペット霊園アプリエ・合同火葬 | 7,700円(税込) | 極小動物(100g以下の鳥類など) | 10kg未満は19,800円(税込) |
| ペット霊園アプリエ・おまかせ個別火葬 | 15,400円(税込) | 極小動物 | 10kg未満は30,800円(税込) |
※各社公式サイトの料金ページより編集部作成(執筆時点)。
「〜から」の表示そのものが不誠実というわけではありません。区分が10段階以上ある料金体系を一行で伝えようとすれば、最小値を示すのが自然です。問題になるのは、読む側がその数字を「自分の子の金額」として頭に入れてしまうことです。「〜から」を見たら、必ず料金表の本体を開いて自分の子の区分の行を探してください。そこに金額が書かれていない、あるいは料金表そのものが公開されていない場合は、電話やメールで区分ごとの金額を教えてもらいましょう。
税込か税抜かを見分ける

次に見るのが税の表記です。ここは見落とすと1割ぶんの誤差になります。
編集部が確認した範囲では、東京ペット火葬(慈恵院)が「価格はすべて税込」、城南ペット霊園が「※料金はすべて税込み価格です」、ペットの旅立ちが「※税込み価格です」と、料金表の近くに明記していました。一方でジャパンペットセレモニーは税抜価格を主に表示し、括弧内に税込価格を併記する形式です。たとえば「5〜10kg」の一任個別火葬は26,000円(税抜)=28,600円(税込)で、その差は2,600円になります(執筆時点)。
見分け方はシンプルです。料金表のすぐ上か下、あるいはページ最下部の注記を探してください。「税込」「税抜」「+税」「(税込◯◯円)」のいずれかが必ずどこかに書かれています。どこを探しても税の表記が見つからない料金表は、そのまま信用せず問い合わせてください。
なお、当メディア編集部が記事で紹介している金額も、公式サイトに税込と明記されているものだけを「(税込)」と表記しています。税の記載がない場合は、その旨を添えるようにしています。同じ姿勢で、ご自身が比較する際も「税込と確認できた金額」と「まだ確認できていない金額」を分けてメモしておくと、比べやすくなります。
基本料金に含まれるものの範囲は会社で違う

ここが、料金表の読み方でいちばん差が出るところです。同じ「立会個別火葬 35,200円」でも、骨壺が含まれる会社と別売りの会社では、実際の支払額が変わります。
公式サイトに「含まれるもの」を明記している会社もあれば、記載のない会社もありました。編集部が確認した内容を並べます。
| 事業者名 | プラン | 公式サイトに「含まれる」と記載されているもの |
|---|---|---|
| ペット霊園アプリエ | たちあい個別火葬 | お別れ室使用料・待合室使用料・個別火葬料・棺(キャンディコフィン)・お骨壺・お骨袋 |
| ペット霊園アプリエ | おまかせ個別火葬 | お別れ室使用料・個別火葬料・棺(キャンディコフィン)・お骨壺・お骨袋(待合室は含まれない) |
| 東京ペット火葬(慈恵院) | 立会火葬 | 僧侶による読経料を含む。お引き取り・納骨・埋葬は無料と記載 |
| ジャパンペットセレモニー | 各プラン共通 | 「追加費用はございません」と記載(メモリアル商品・埋葬・納骨は別途) |
| 城南ペット霊園 | 各プラン | 含まれるものの明記なし(別途、霊壇の使用料は場所により異なると記載) |
※各社公式サイトの料金ページより編集部作成(執筆時点)。記載がない項目は「含まれない」と断定できるものではなく、確認が必要という意味です。
この表から読み取れることが2つあります。ひとつは、同じ会社でもプランによって含まれる範囲が違うこと。アプリエの例では、たちあい個別火葬には待合室の使用料が含まれますが、おまかせ個別火葬には含まれません(そもそも立ち会わないため)。もうひとつは、地域によって扱いが変わる場合があることです。ジャパンペットセレモニーは「追加費用はございません」としつつ、福岡県・佐賀県では骨壺・骨袋が別売りである旨を記載しています。
「基本料金」という言葉は、会社ごとに指している中身が違います。金額の大小を比べる前に、その金額が何をカバーしているかを揃えてから比べてください。安く見えた会社が、骨壺と迎車を足したら結局同じだった、ということは珍しくありません。
\ 詳細・ご相談は公式サイトから /
料金表の見方や、含まれる範囲の確認にお困りのときは、複数の提携業者から条件に合う先を案内してもらえる相談窓口もあります。深夜・早朝でも受付をしているため、まず金額の目安だけ聞いてみる、という使い方もできます。
追加料金が発生する条件を先に確認する

料金表に載っていない費用が発生するのは、多くの場合、次の3つの条件のいずれかに当てはまったときです。看取りの直後は落ち着いて考える余裕がありませんから、条件だけでも先に頭に入れておくと、あとで驚かずに済みます。
時間帯(夜間・早朝)
ペットが息を引き取るのは、深夜や明け方であることも少なくありません。24時間受付をうたう会社は多いのですが、受付が24時間であることと、割増料金がないことは別の話です。ペットの旅立ちの公式サイトには「夜間料金(18時以降)、エリア出張料金が発生する場合があります。各店舗によって異なりますので、お問い合わせ下さい」と明記されています(執筆時点)。深夜帯に数千円〜1万円程度の割増を設定している会社もあります。電話をかけた時点で、その時間帯の対応に割増があるかどうかを最初に聞いてください。
なお、すぐに火葬をしなければならないわけではありません。夏場でなければ2〜3日、保冷をすれば数日は安置できるとされています。割増を避けるために日中の枠を選ぶという判断も、十分に自然なことです。
エリア(訪問火葬・お迎えの距離)
自宅まで来てもらう訪問火葬や、遺体のお迎えを頼む場合は、対応エリアの外側に出張費がかかることがあります。ジャパンペットセレモニーは「地域によって交通費が発生する場合がある」旨を記載しています(執筆時点)。金額は数百円〜数千円のことが多くなっていますが、区分の考え方(市区町村単位か、距離か)も会社ごとに違います。
逆に、遺骨を自宅に届けてもらう場合にも費用がかかることがあります。東京ペット火葬(慈恵院)は遺骨お届けを10,000円(都内23区および周辺)、遺骨のご送骨を5,000円(税・送料込)と公表しています(執筆時点)。立ち会わずに一任するプランを選ぶときは、遺骨をどう受け取るかまで含めて金額を確認してください。
大型犬・特別な事情
大型犬の場合、料金が高くなるだけでなく、そもそも受けられないことがあります。ジャパンペットセレモニーは「大型犬の大きさによっては火葬炉に納められない場合」があると記載し、ペット霊園アプリエは45kg以上は対応できないとしています(執筆時点)。40kgを超える子の場合は、料金の前に「受けてもらえるか」から確認が必要です。
また、多くの会社が新生児や小動物向けの区分を別に設けています。東京ペット火葬(慈恵院)は新生児を3,000円(3体まで、以後1体ごとに500円加算)としており、通常の体重表とは別立てです(執筆時点)。当てはまる場合は、体重表ではなくこちらの区分を見てください。
見積書のどこを見るか

料金表の読み方が分かったら、最後は見積書で答え合わせをします。口頭のやりとりだけで進めると、あとから「聞いていない」が生まれやすくなります。以下の順で確認してみてください。
1総額が一行で書かれているかを見る
内訳が並んでいても、いちばん下に「お支払い総額◯◯円(税込)」が書かれていなければ、その見積書は未完成です。合計欄がない、あるいは「別途」の文字が多い場合は、総額を書いた形で出し直してもらいましょう。
2適用された体重区分が明記されているかを見る
「個別火葬 33,000円」だけでは、どの区分で計算されたのかが分かりません。「小型(5kg以下)」のように区分名が書かれていれば、当日に体重を測って区分が変わる可能性も含めて話ができます。区分名がなければ、書き加えてもらってください。
3骨壺・お迎え・お別れ室が内訳にあるかを見る
含まれているなら「一式に含む」、別料金なら金額が並びます。どちらの記載もなく空欄になっている項目は、当日に請求される余地が残ります。「この見積もり以外に費用は発生しませんか」と一度だけ聞いて、返答を確認しておきましょう。
4日時と時間帯が入っているかを見る
夜間・早朝の割増は、日時が確定してはじめて確定します。見積書に希望日時が入っていれば、その時間帯の割増込みの金額かどうかが分かります。日時未定のまま出された見積書は、あくまで日中の目安と考えてください。
5会社名・所在地・連絡先が記載されているかを見る
これは金額の確認であると同時に、依頼先の確認でもあります。固定の斎場や事務所の所在地が書かれているか、火葬が行われる場所はどこか、立ち会いや返骨に応じてもらえるか。この3点が曖昧なまま話が進む場合は、いったん立ち止まってください。
この業界では、移動火葬車による不法投棄や、当日になって高額な追加料金を請求された事例が実際に報じられてきました。立ち会いができるか、返骨があるか、固定の施設や所在地を確認できるか。この3つが確認できる会社を選ぶことが、料金表を読む以前の前提になります。見積書は、その確認を書面で残す手段でもあります。
\ 詳細・ご相談は公式サイトから /
どこに問い合わせればよいか分からないときは、条件を伝えて業者を紹介してもらう窓口を使うのも一つの方法です。金額や対応の目安を聞いたうえで、ご自身で判断してください。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年8月)の各社公式サイト情報です。区分・金額・含まれる範囲は変更される場合がありますので、最新は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
ペット葬の料金表は、体重区分の刻み、税込か税抜か、基本料金に含まれる範囲——この3か所を順に見れば読み解けます。体重が区分の境目に近いときは「未満」「以下」の書き方まで確かめること、「〜円から」は最小区分の金額だと知っておくこと、そして最後は総額の見積書で答え合わせをすること。この3つを押さえておけば、あとから知らない費用が出てくることはほとんどなくなります。
数字を確かめる作業は、いま何よりつらい作業かもしれません。それでも、金額の心配を先に片づけておけば、当日はその子のそばにいる時間だけに気持ちを向けられます。料金表を読むことは、値切るためではなく、お別れの時間を守るためのものです。
あの子との最後の時間が、余計な不安に邪魔されることなく、静かに過ごせますように。