長い時間を一緒に過ごした家族との別れは、心の準備をしていたつもりでも、いざその時が来ると何から手をつければいいのか分からなくなるものです。「ペットにもお葬式をしてあげたいけれど、どんな形があって、何を準備すればいいのだろう」——そう考えて、そっとこのページを開いてくださったのかもしれません。


一言でいうと、ペットのお葬式は「火葬の形式を決める → 当日お別れ・火葬・お骨上げ → その後の供養を選ぶ」という流れで進みます。形式によって費用も当日の過ごし方も変わるため、まずは選択肢を知り、家族で話し合って決めることが後悔のないお見送りにつながります。
この記事では、当メディア編集部が大手ペット火葬・葬儀サービス各社の公式情報を調査し、お葬式の形式・費用の目安・準備するもの・当日の流れを、初めての方にも分かるようにまとめました。料金はすべて執筆時点(2026年7月)の公式サイト情報です。
ペットのお葬式にはどんな形がある?3つの火葬形式

人のお葬式に通夜・告別式があるように、ペットのお葬式も「どんなお別れの形にするか」で内容が変わります。中心になるのは火葬で、大きく分けて次の3つの形式があります。ご遺体を焼却する行為そのものは同じでも、立ち会えるか・お骨が返ってくるかが形式ごとに異なります。
| 火葬形式 | お別れ会・立ち会い | お骨の返却 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 合同火葬(合同供養) | 基本なし(お別れの後に一任) | 不可(他のご家族の子と一緒に火葬・埋葬) | 費用を抑えたい/お骨は霊園で供養してほしい |
| 個別一任火葬(お別れ会つき) | 火葬前のお別れ会まで | あり(火葬は業者に一任) | お骨は手元に残したいが、火葬の立ち会いはつらい |
| 個別立会火葬 | お別れ会+火葬・お骨上げに立ち会える | あり(ご家族でお骨上げ) | 人のお葬式と同じように、最期まで見送りたい |
「お葬式=立ち会う」というイメージが強いかもしれませんが、火葬の場に立ち会うのがつらい場合は、火葬前に十分なお別れの時間をとる「お別れ会つきの個別一任火葬」という選び方もあります。どれが正しいということはなく、ご家族の気持ちに一番寄り添える形を選んでいただければと思います。
合同火葬(合同供養)
複数のご家庭のペットを一緒に火葬し、提携霊園などで合同供養する形式です。費用を最も抑えられますが、お骨は個別には返ってきません。火葬の前にお別れの時間を設けてくれる業者が多く、「手元にお骨は残さず、きちんと供養してあげたい」という方に選ばれています。
個別一任火葬(お別れ会つき)
ご家族でお別れをした後、火葬自体は業者に一任し、後日または当日にお骨を骨壺で受け取る形式です。火葬の場に立ち会う心理的な負担を避けつつ、お骨は手元に残せるため、近年選ばれることの多い形式です。
個別立会火葬
人のお葬式に最も近い形で、火葬炉へのお見送りからお骨上げまで、すべてにご家族が立ち会えます。最期まで付き添ってあげたい方に向いています。費用は他の形式より高めですが、「きちんとお別れができた」という区切りになったという声もあります。
形式ごとの詳しい費用は、次の章で体重別に見ていきましょう。
ペットのお葬式・火葬にかかる費用相場

ペットのお葬式の費用は、「火葬の形式」と「体の大きさ(体重)」の2つでほぼ決まります。合同 < 個別一任 < 個別立会 の順に高くなり、体が大きいほど火葬に時間がかかるため料金も上がる、というのが基本の考え方です。大手各社の公式料金を横断した目安がこちらです。
| 体重の目安 | 合同火葬 | 個別一任 | 個別立会 |
|---|---|---|---|
| 〜1kg(ハムスター・小鳥など) | 6,600〜8,500円 | 15,400〜25,000円 | 17,600〜47,000円 |
| 猫・小型犬(〜5kg) | 15,400〜23,000円 | 18,700〜38,000円 | 20,900〜60,000円 |
| 中型犬(5〜15kg) | 20,000〜38,000円 | 25,300〜51,000円 | 27,500〜73,000円 |
| 大型犬(15kg〜) | 30,000〜65,000円 | 35,000〜74,000円 | 38,500〜96,000円 |
いずれも税込・執筆時点(2026年7月)の目安です。たとえば猫や小型犬なら、お骨が返ってくる個別一任で2万円前後〜が一つの目安になります。同じ体重帯でも上限側の金額は、都市部の固定斎場での立会プランなどの料金です。火葬料金のほかに骨壺・棺・お迎えの費用が別途かかる場合もあるため、依頼時に総額を確認しておくと安心です。
ペットのお葬式・火葬の当日の流れ

個別立会火葬を例に、当日の流れを順番に見ていきましょう。合同火葬・個別一任の場合は、火葬以降を業者に一任する形になります。
1ご遺体の安置・最後のお別れ
火葬までの間、保冷剤やドライアイスでご遺体を冷やして安置します。お花や好物、お手紙などを供え、ご家族でゆっくりとお別れの時間を過ごします。この時間は慌てる必要はありません。
2出棺・火葬炉へのお見送り
お棺に一緒に入れるものを納め、火葬炉へお見送りします。立会式の場合は、点火に立ち会える業者もあります。火葬にかかる時間は体の大きさによって30分〜2時間ほどが目安です。
3お骨上げ(収骨)
火葬後、ご家族でお骨を拾い、骨壺へ納めます。人のお葬式と同じように、二人一組でお箸を使ってお骨を拾う「箸渡し」を行う施設もあります。合同火葬・霊園供養の場合は、このお骨上げはありません。
4ご帰宅・その後の供養
骨壺を持ち帰り、ご自宅で手元供養をするほか、後日、納骨堂や霊園に納骨する方法もあります。四十九日や一周忌に合わせて納骨される方も多く、供養の形やタイミングに決まりはありません。
当日の所要時間は、お別れ・火葬・お骨上げを含めて1〜3時間ほどが目安です。お別れの時間をどれくらい取るかによっても変わるため、事前に業者へ確認しておくと当日の見通しが立てやすくなります。
ペットのお葬式で準備するもの・当日の服装

ペットのお葬式に、人のお葬式のような厳格な決まりはありません。それでも「何を用意すればいいのか」と迷う方のために、準備しておくと安心なものを整理しました。
- お花:棺に入れられる生花。ユリやカーネーションなど、故人(子)が好きだった色のお花で。トゲのあるものは避けます
- 好物・思い出の品:少量のおやつやフード、小さなおもちゃなど。燃えにくいもの・危険なものは入れられないため事前に確認を
- タオル・ブランケット:安置や棺の中に敷いてあげるもの
- お手紙・写真:一緒に見送りたいメッセージや写真
- 骨壺・骨袋:多くはプランに含まれますが、こだわりたい場合は用意しておいても
棺に入れられるもの・入れられないものは業者によって基準が異なります。特にプラスチックやガラス、金属製のものはお骨を傷める・煙が出るなどの理由で入れられないことが多いため、事前に確認しておきましょう。迷った場合は、火葬後に骨壺のそばへ供えてあげる方法もあります。
お葬式当日の服装
ペットのお葬式では、必ずしも喪服である必要はありません。ただし、火葬場や霊園に足を運ぶ場合は、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色味の服装が周囲にもなじみやすく、気持ちの区切りにもなります。派手な色や露出の多い服装は避け、静かにお見送りできる装いを選べば十分です。自宅への訪問火葬であれば、普段着で見送るご家庭も少なくありません。
どこに相談・依頼すればいい?信頼できる業者の選び方

ペットのお葬式は、ペット専門の葬儀・火葬業者や、ペット霊園に依頼するのが一般的です。ただし残念ながら、この業界にはあいまいな見積もりのまま火葬を始め、あとから高額な費用を請求するといった悪質な事例も報告されています。依頼前に、次のポイントを確認してください。
- 会社の所在地・固定電話・運営者名が公式サイトに明記されているか(実在・固定施設の確認)
- 料金表が公開され、形式別・体重別の金額が事前に確定できるか
- 火葬への立ち会いの可否、お骨の返却(返骨)の有無を明確に答えてくれるか
- 火葬の場所(固定斎場か、火葬車ならどこで行うか)を説明してくれるか
- 電話やメールの対応が丁寧で、決断を急かさないか
お別れ直後は冷静な判断が難しいものです。ご遺体を安置して一晩置いてからでも遅くはありません。1社だけで即決せず、できれば2社以上に料金と対応を確認してから決めると、トラブルの多くは避けられます。
「どこに連絡すればいいか分からない」という場合は、全国対応で24時間365日受け付けている大手の相談窓口から見積もりを取り、それを基準に地元の業者と比較する方法が分かりやすいです。東証上場企業が運営する「ペット葬儀110番」は、お迎え込みの霊園供養(合同)プラン8,500円〜・個別一任15,400円〜・個別立会17,600円〜と料金体系が明朗で、比較の基準にしやすいサービスです。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。料金・プランは変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ|心を込めたお別れのために
ペットのお葬式は、火葬の形式(合同・個別一任・個別立会)を選び、当日はお別れ・火葬・お骨上げという流れで進みます。準備するものはお花や好物など難しいものではなく、服装も落ち着いた装いであれば十分です。大切なのは、形式や費用の全体像を知ったうえで、ご家族が「きちんとお別れができた」と思える形を選ぶことです。
迷ったときは、料金の明朗な相談窓口を基準にしながら、立ち会いの可否や返骨の有無を確認して、信頼できる業者を選んでください。冷静な判断が難しいときは、一晩安置して落ち着いてからでも遅くはありません。
これまで注いでくれたたくさんの愛情に「ありがとう」を伝える、そんな穏やかなお別れの時間になりますように。