ペット葬儀・火葬 葬儀の基礎知識・流れ

犬の葬儀屋の選び方|業者タイプの違い・料金の見方・依頼前に確認したい5つのこと

長い時間をともに過ごした愛犬とのお別れが近づいたとき、あるいはその時が来てしまったとき、多くの飼い主さまが最初に直面するのが「どこに頼めばいいのか分からない」という戸惑いです。人の葬儀と違って身近に前例が少なく、地域の慣習も定まっていないため、検索してもたくさんの業者が並ぶばかりで、判断のよりどころが見つからないという声をよく耳にします。

この記事では、犬の葬儀屋(ペット葬儀社)にはどんなタイプがあり、それぞれどんなご家族に向いているのかを整理したうえで、料金の見方、依頼前に確認しておきたい5つのこと、そして依頼から当日までの流れまでを、編集部が各事業者の公式情報や公的機関の注意喚起をもとにまとめました。特定の業者を順位づけするものではなく、ご自身で安心できる依頼先を見きわめるための「ものさし」をお渡しできればと思っています。

飼い主さん
昨夜、うちの子が息を引き取りました。葬儀屋さんを探しているのですが、たくさんありすぎて、どこを見て選べばいいのか分からなくて…。
編集部
おつらいなかで調べてくださっているのですね。まずは、犬の葬儀屋さんには大きく3つのタイプがあることを知っておくと、選択肢がぐっと整理しやすくなります。そのうえで「所在地と施設がはっきりしているか」「立ち会いや返骨ができるか」「見積もりを書面でもらえるか」を確認していけば、落ち着いて決められます。急いで決めなければいけないように感じるかもしれませんが、安置の方法をとれば少しの時間はつくれます。順にご説明しますね。

一言でいうと、犬の葬儀屋は「霊園・斎場型」「訪問火葬専門」「紹介ポータル」の3タイプに分かれ、見送り方の希望と当日の移動のしやすさで選ぶのが基本です。そのうえで、所在地と固定施設の有無・立ち会いと返骨の可否・書面の見積もりの3点を確認しておくと、あとから困る事態を避けやすくなります。

犬の葬儀屋(ペット葬儀社)は大きく3つのタイプに分かれる

ひとくちに「犬の葬儀屋」といっても、事業のかたちはいくつかに分かれます。まずはこの違いを知っておくと、検索結果に並ぶ会社が「自分たちに合うかどうか」で見分けられるようになります。

犬の葬儀屋の3つのタイプ(霊園・斎場型/訪問火葬専門/紹介ポータル)と選び方の目安をまとめた図解
犬の葬儀屋のタイプ別の特徴と確認したい点(当メディア編集部作成)

霊園・斎場型(固定の施設を持つ事業者)

ペット霊園や動物斎場を自社で運営し、その施設で火葬・葬儀を行うタイプです。お別れの部屋や式場が用意されていることが多く、火葬のあとに納骨堂や合同墓、個別のお墓まで一か所で相談できるのが特徴です。所在地・施設の写真・火葬炉の設備が公開されているため、事前に見学して雰囲気を確かめられる点も安心につながります。一方で、ご自宅から施設までご遺体を運ぶ必要があり、大型犬の場合や移動手段がない場合には負担になることもあります。

訪問火葬専門(自宅前まで火葬車が来る)

火葬設備を積んだ車でご自宅の近くまで来て、その場で火葬を行うタイプです。移動がむずかしいご家庭や、家族だけで静かに見送りたい場合に選ばれています。早朝・深夜の相談に応じる会社もあり、急なお別れでも対応しやすいのが利点です。ただしこのタイプは、後述するトラブルの相談が寄せられている領域でもあります。会社の所在地と、拠点となる固定の施設(事務所・待機場所・提携霊園など)が明記されているかを必ず確かめてください。

紹介ポータル(相談窓口が全国の提携社を手配)

自社で火葬を行うのではなく、電話やWebで相談を受け付け、地域の提携事業者を手配する窓口型のサービスです。料金プランがあらかじめ示されていること、夜間でも受付があること、地域ごとに業者を探す手間が省けることが特徴です。一方で、実際に伺うのは提携先の会社になるため、当日に施行する会社の名前と、その会社の所在地・対応内容を申し込みの段階で確認しておくと安心です。

タイプ別の向き・不向き|どこに頼むか迷ったときの目安

3つのタイプに優劣はありません。ご家族の希望と当日の状況によって、向いているものが変わります。迷われたときは、次の目安をご覧ください。

愛犬にそっと寄り添う飼い主の様子
写真はイメージです
  • お別れの時間をきちんと取り、そのままお墓や納骨堂まで相談したい → 霊園・斎場型
  • 寝たきりだった子や大型犬で、ご遺体を運ぶのがむずかしい → 訪問火葬専門
  • 他のご家族や近隣に配慮しつつ、自宅で静かに見送りたい → 訪問火葬専門
  • 深夜・早朝で、まずどこに電話すればよいか分からない → 紹介ポータル
  • その地域の事情に不案内で、対応可能な業者から探したい → 紹介ポータル
  • 費用をできるだけおさえたい → 自治体の受け入れ窓口も含めて比較する
タイプ お別れの場所 立ち会い お骨の返却 こんなご家族に
霊園・斎場型 霊園・動物斎場 できる場合が多い プランによる 納骨・お墓まで一か所で相談したい
訪問火葬専門 自宅の近く(火葬車) できる場合が多い プランによる 移動がむずかしい・自宅で見送りたい
紹介ポータル 提携先による プランによる プランによる まず相談先を決めたい・夜間の対応が必要

なお、お住まいの自治体でも動物の遺体を引き取っている場合があります。費用をおさえられる反面、多くの自治体では合同での処理となりお骨は戻りません(対応は自治体ごとに大きく異なります)。手元にお骨を残したいかどうかで、最初の方向性が決まります。

犬の葬儀・火葬の料金の見方|総額表示か、追加費用はないか

料金でつまずかないために大切なのは、金額の高い安いよりも「その金額に何がどこまで含まれているのか」を確かめることです。ペット葬儀の料金は、火葬の形式(合同/個別一任/立会個別)と、体重の区分で決まるのが一般的です。

お別れのために供えられた白い花
写真はイメージです

火葬の形式によって費用とお骨の扱いが変わる

形式・項目 費用相場(税込・執筆時点) お骨の返却 こんな方に
合同火葬(他の子と一緒) 8,000円台〜(体重・業者による) 原則なし(合同で供養) 費用をおさえて静かに見送りたい
個別火葬(お任せ) 15,000円台〜 あり(業者が収骨し返骨) お骨は残したいが立ち会いは控えたい
立会個別火葬 17,000円台〜 あり(家族でお骨上げ) 最期までそばで見送りたい

上の金額は、全国対応の相談窓口である「ペット葬儀110番」が公式サイトで示しているプラン料金(お引取り霊園供養プラン8,500円〜/個別火葬一任プラン15,400円〜/個別火葬家族立会プラン17,600円〜・いずれも税込・執筆時点)を目安として整理したものです。地域の事業者では体重区分ごとに細かく料金表を掲げていることが多く、小型犬と大型犬では倍以上の差が出ることもあります。愛犬の体重を伝えたうえで、その子に適用される金額を確認してください。

「総額いくらか」を必ず先に確かめる

問い合わせのときは、表示価格ではなくお支払いの総額をたずねるのが確実です。基本料金のほかに、次のような費用が別途かかる場合があります。いずれも不当なものではなく、あらかじめ知っておけば納得して選べる項目です。

  • 出張費・車両費(訪問火葬で、対応エリア外の場合など)
  • 骨壺・骨袋・骨箱などの費用(プランに含まれる場合と別途の場合がある)
  • 深夜・早朝の対応にかかる割増
  • お花・お供え・棺などのオプション
  • 納骨・返骨の配送にかかる費用
  • お預かり(安置)の日数に応じた費用

国民生活センターも、葬儀サービス全般について、最初の見積金額と最終的な請求金額が大きく異なる例があるとして、見積書の項目をよく確認し、事業者と丁寧に打ち合わせを行うよう呼びかけています(国民生活センター「もしもの時に慌てないように! 葬儀サービスのトラブル」)。人の葬儀についての注意喚起ですが、ペットの葬儀にもそのまま当てはまる考え方です。

犬の葬儀屋を選ぶときに確認したい5つのこと

ここからは、どのタイプを選ぶ場合でも共通して確認しておきたい点を5つにまとめます。すべてを完璧に調べる必要はありません。電話やサイトで確かめられる範囲で、気になるところから見ていただければ十分です。

飼い主の手のひらにそっと乗せられた犬の前足
写真はイメージです

1所在地と固定の施設が公開されているか

会社の住所・固定電話・運営会社名が公式サイトに明記されているかを見ます。訪問火葬専門の場合も、事務所や待機場所、提携している霊園などの拠点があるかを確認してください。所在地が書かれておらず、携帯番号だけで運営されている場合は慎重に判断したいところです。地図で住所を確かめると、実在する事業所かどうかの手がかりになります。

2立ち会いと返骨ができるか、その方法は何か

最期まで立ち会いたいのか、お骨を手元に残したいのか。ご家族の希望を先に決めておくと、選ぶプランが定まります。そのうえで「立ち会いはどの段階からできるか」「お骨上げは家族が行うのか」「返骨はいつ・どのような形で受け取るのか」を確認します。合同火葬は原則としてお骨が戻らないため、この点だけは申し込み前に必ず確かめてください。

3見積もりを書面(メール・SMSを含む)で出してもらえるか

口頭のやり取りだけで進めず、総額と内訳が分かる見積もりを形に残してもらうことが、料金をめぐる行き違いを防ぐ最大の備えになります。「当日にならないと分からない」という説明だけで金額が示されない場合は、その理由をたずね、納得できなければ他の会社にも相談してかまいません。追加費用が発生する条件も、あわせて聞いておきます。

4実績・資格・情報の開示があるか

運営年数、年間の施行件数、スタッフの資格などを公開している会社は、判断の材料が多くなります。ペット葬祭の分野には、一般社団法人日本動物葬儀霊園協会が実施する「動物葬祭ディレクター検定試験」という民間資格があり、合格者が在籍していることを明記している事業者もあります。資格の有無だけで良し悪しは決まりませんが、知識や手順を学んだスタッフが対応しているという一つの目安にはなります。

5急かさず、こちらの気持ちを尊重してくれるか

問い合わせたときの対応は、そのまま当日の対応につながります。質問に丁寧に答えてくれるか、契約を急がせないか、分からないことを分からないと言ってくれるか。「今すぐ決めないと対応できない」と迫るような対応があれば、いったん電話を置いて考えて大丈夫です。安置の方法をとれば、多くの場合は少なくとも一日ほどの時間をつくれます。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

全国対応の相談窓口です。深夜・早朝でも受付があり、火葬プランと料金が公式サイトに明示されています。まず相談先を決めたいときの選択肢としてご確認ください。

高額請求などのトラブルを避けるために知っておきたいこと

心苦しいことですが、ペット葬儀の分野では、当初の説明と異なる高額な請求を受けたという相談や、遺体の取り扱いをめぐる事件が過去に報じられてきました。不安をあおるためではなく、知っておけば避けられることがほとんどだからこそ、静かにお伝えしておきます。

窓辺で静かに時間を過ごす飼い主の様子
写真はイメージです

なぜトラブルが起きやすいのか

背景には、この業界を直接規制する国の法律が定まっていないという事情があります。ペット霊園や動物の火葬は、人の墓地・埋葬に関する法律の対象外であり、動物取扱業の登録も一般に必要とされていません。近年は独自の条例で許可制や設置基準を設ける自治体も増えていますが(一般財団法人地方自治研究機構「ペット霊園規制条例」)、全国一律の基準はまだありません。加えて、飼い主さまが深い悲しみのなかで急いで決めなければならない状況に置かれやすいことも、判断がむずかしくなる一因です。

あらかじめ備えておきたいこと

こんな対応があったら、いったん立ち止まる

  • 公式サイトや書面に会社の所在地・運営会社名が見当たらない
  • 総額を聞いても答えず、見積もりを形に残してくれない
  • 火葬の直前や当日になって、聞いていない追加費用を求められる
  • 「今決めないと対応できない」と契約を急がせる
  • 立ち会いや返骨の可否をたずねても、はっきりした説明がない
  • お骨の受け取り方法や日時が最後まであいまいなまま

万一、火葬の当日に想定外の請求を受けた場合でも、その場で全額を支払う前にいったん確認を求めてかまいません。納得できないまま話が進んでしまったときは、お住まいの自治体の消費生活センターや、全国共通の消費者ホットライン「188」に相談できます。ひとりで抱えず、公的な窓口を頼ってください。

依頼から当日までの流れ

初めてのことばかりで、何をいつすればよいのか分からないというお声も多く届きます。おおよその流れをつかんでおくと、少し気持ちが落ち着くかもしれません。

お花と写真を並べたペットのメモリアルスペース
写真はイメージです

1まずご遺体を安置する

体を清潔なタオルなどでそっと拭き、体が硬くなる前に手足を丸めた自然な姿勢に整えます。箱やかごにペットシーツとタオルを敷いて寝かせ、保冷剤やドライアイスを腹部・頭部のあたりに当てて冷やし、直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。季節や体格によって状態の変わり方は異なるため、業者に相談する際にお別れまでの日数の目安をたずねると安心です。

2家族で見送り方を決める

立ち会いたいか、お骨を残したいか、費用はどのくらいまでか。この3点を家族で共有しておくと、業者との相談がぐんとスムーズになります。決めきれない場合は、決められる部分だけでもかまいません。

3複数の会社に問い合わせて比較する

体重・希望する形式・住所(またはエリア)を伝え、総額の見積もりと空き状況を確認します。可能であれば2〜3社に聞くと、料金の妥当さと対応の丁寧さが見えてきます。深夜の場合は、まず受付のある窓口に相談し、翌日改めて比較しても遅くはありません。

4日時を決め、当日の持ち物を確認する

日時と場所、支払い方法(現金のみか、カードは使えるか)、返骨の受け取り方を確定します。棺に入れたいお花やおやつがある場合は、入れてよいものかどうかを事前に確認しておきましょう。金属・プラスチック・厚みのあるものは断られることがあります。

5当日のお別れと火葬

訪問火葬なら自宅前で、霊園・斎場ならお別れの部屋で、最後のお別れの時間を過ごします。立会個別火葬の場合は、火葬後にご家族でお骨上げを行い、その日のうちに骨壺を受け取れることが一般的です。一任の場合は、後日ご自宅への配送や、施設での受け取りになります。

6その後の供養を考える

手元供養、納骨堂、合同墓、樹木葬など、選択肢はいくつもあります。すぐに決める必要はありません。しばらく手元に置いてから考えるご家族も多くいらっしゃいます。

犬の葬儀について相談できる依頼先

ここまでお伝えした確認事項は、地域の霊園でも訪問火葬の会社でも同じように使えます。そのうえで、「まずどこかに話を聞いてみたい」「夜間で近くの霊園が開いていない」という状況では、全国対応の相談窓口が一つの入口になります。

自宅に整えられたペットの供養スペース
写真はイメージです

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

火葬プランと料金(税込)が公式サイトに示されており、立ち会い・返骨の有無もプランごとに確認できます。対応エリアや当日の流れは公式サイトでご確認ください。

相談窓口を利用する場合も、地域の霊園に直接連絡する場合も、確認することは変わりません。愛犬の体重を伝えて総額を聞き、立ち会いと返骨の可否を確かめ、見積もりを形に残してもらう。この3つができていれば、大きな行き違いはほとんど防げます。あわせて、お住まいの自治体の窓口でどのような対応をしているかを調べておくと、選択肢を広く見わたせます。

よくある質問

Q犬の葬儀屋はいつまでに決めなければいけませんか。

A「今すぐ」ではありません。適切に安置すれば、多くの場合は少なくとも一日ほどの時間をつくれます。ただし季節や体格によって状態の変わり方は異なるため、目安については業者に相談される際にたずねてみてください。焦って決めるより、落ち着いて2〜3社に確認されたほうが、結果として納得のいくお見送りにつながります。

Q深夜に亡くなりました。今すぐ電話しても大丈夫でしょうか。

A24時間受付をうたっている事業者や相談窓口であれば、深夜のお電話でも差し支えありません。ただ、その時間に無理に契約まで進める必要はなく、安置の方法を教えてもらい、翌朝あらためて相談されるのも一つの進め方です。まずはご自身の体を休めてください。

Q訪問火葬は近所に迷惑がかかりませんか。

A多くの事業者は、煙や臭いをおさえる設備を備え、周囲への配慮を前提に運用していると説明しています。とはいえ地域の状況はさまざまですので、駐車できる場所があるか、集合住宅で可能かなど、事前に業者へ具体的に相談されると安心です。近隣への配慮の仕方について丁寧に答えてくれるかどうかも、選ぶ際の判断材料になります。

Qお骨は必ず返してもらえますか。

A火葬の形式によって異なります。合同火葬は他の子とともに火葬するため、原則としてお骨は戻りません。手元に残したい場合は、個別火葬(お任せ)または立会個別火葬を選ぶ必要があります。プラン名が似ていても内容が異なることがあるため、「お骨は返ってきますか」と言葉にして確認するのが確実です。

※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

まとめ

犬の葬儀屋は、固定の施設でお別れをする霊園・斎場型、自宅の前まで来てくれる訪問火葬専門、全国の提携社を手配する紹介ポータルの3つのタイプに分かれます。どれが優れているということはなく、立ち会いたいか、お骨を残したいか、移動ができるかというご家族の事情で、向いているものが決まります。

そして、どのタイプを選ぶ場合でも確認したいのは、所在地と固定施設がはっきりしているか、立ち会いと返骨ができるか、総額の見積もりを形に残してもらえるか、実績や資格の開示があるか、そして急かさずに向き合ってくれるか。この5つです。判断に迷ったときは、いったん電話を置いて考えていただいて構いません。

大切な家族を見送るという一度きりの時間が、心残りの少ないものになりますように。そして、これまで注いでこられた愛情が、どうかそのままあの子に届いていますように。

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