ペット葬儀・火葬 葬儀の基礎知識・流れ

ペット葬儀で遺骨は持ち帰れる?火葬形式別の返骨の可否と当日お渡しの流れ

ペットのお別れが近づいたとき、あるいは見送ったばかりのとき、「この子のお骨は、ちゃんと家に連れて帰れるのだろうか」と気にかかる方はとても多くいらっしゃいます。長い時間をともに過ごした家族ですから、せめて手元に置いておきたいと思うのは、ごく自然なお気持ちだと思います。

ペット葬儀で「持ち帰り」という言葉が使われるとき、その多くは火葬のあとにご遺骨を返してもらえるかどうか(返骨)を指しています。そしてこれは、どの火葬の形式を選ぶかで、ほとんど決まってしまいます。この記事では、編集部が各ペット葬儀事業者と自治体の公式サイトを調べ、形式ごとの返骨の可否、自治体に頼んだ場合のこと、当日その場で連れて帰れるのかどうか、そして持ち帰ったあとのご遺骨との過ごし方までを、静かに整理してお伝えします。

飼い主さん
火葬をお願いしたあと、この子のお骨は返してもらえるのでしょうか。できれば、いったん家に連れて帰ってあげたいのですが…。
編集部
お気持ちはよく分かります。ご遺骨が戻るかどうかは「火葬の形式」でほぼ決まります。合同火葬ではお返しできませんが、個別火葬であれば骨壺に納めてお渡しするのが一般的です。申し込みの前に、そこだけは必ず確かめておきましょう。

一言でいうと、ご遺骨を持ち帰りたいときは「個別火葬」を選ぶ必要があります。複数のご遺体をまとめて火葬する合同火葬では、どの子のお骨か分からなくなるため返骨は行われません。

ペット葬儀の「持ち帰り」とは、ご遺骨を返してもらうこと

窓辺で静かに手を合わせる飼い主
写真はイメージです

ペット葬儀の場面で「持ち帰り」と呼ばれているものには、いくつかの意味が混ざっています。読者の方が調べていらっしゃる内容も、おおよそ次のどれかに当てはまることが多くなっています。

  • 火葬後のご遺骨を持ち帰れるか(返骨)…この記事の中心になるテーマです
  • 火葬当日、その場で骨壺を受け取って帰れるか(お渡しのタイミング)
  • ご遺体をいったん自宅へ連れて帰れるか(病院で看取ったあとの安置)

このうち、選び方でいちばん結果が変わるのが一つ目の返骨です。動物病院で看取られた場合、ご遺体をご自宅にお連れすること自体は多くの病院で応じてもらえますが、火葬後のご遺骨が戻るかどうかは、あとから変更がききません。火葬してしまってからでは取り返しがつかない部分ですので、申し込みの段階で確認しておきたいところです。

なお、ご遺骨をお迎えしたあと、必ずしもずっと手元に置き続けなければならないわけではありません。しばらくご自宅で過ごしてから霊園に納骨される方も、はじめから納骨を選ばれる方もいらっしゃいます。どちらが正しいということはなく、ご家族の気持ちが落ち着く形を、ゆっくり選んでいただいて構いません。

火葬の形式ごとの返骨の可否と費用の目安

合同火葬・一任個別火葬・立会個別火葬で異なる返骨の可否を比較した図
火葬の形式ごとの返骨・立ち会い・お骨上げの違い(当メディア編集部作成)

民間のペット葬儀では、火葬の形式が大きく三つに分かれます。呼び方は事業者によって「合同火葬」「一任個別火葬(おまかせ個別)」「立会個別火葬(家族立会)」などと少しずつ異なりますが、返骨の考え方は共通しています。

合同火葬|ご遺骨は戻らない

複数のペットを一緒に火葬する形式です。火葬後はどの子のお骨か区別がつかなくなるため、返骨は行われません。ご遺骨は霊園の合同墓や供養塔に納められ、以後はそこにお参りする形になります。費用がもっとも抑えられる一方で、立ち会いもお骨上げもできないことがほとんどです。

一任個別火葬|立ち会わずに、お骨だけ受け取る

ご遺体をお預けし、その子だけを個別に火葬してもらう形式です。お骨上げはスタッフが行い、骨壺に納めた状態でご自宅までお届け、または引き取りとなります。火葬に立ち会うのはつらいけれど、お骨は手元に置きたい、という場合に選ばれています。ただし事業者によっては一任でも返骨に対応していない場合がありますので、申し込み時の確認は欠かせません。

立会個別火葬|ご家族の手でお骨上げをする

お別れの時間、火葬、お骨上げまでをご家族が見守る形式です。人のご葬儀と同じように、ご自身の手でご遺骨を骨壺に納めることができます。その日のうちに骨壺を持ち帰れることが多く、最後まで付き添いたい方に選ばれています。

費用の目安として、全国対応のペット葬儀サービス「ペット葬儀110番」(運営:シェアリングテクノロジー株式会社)の公式サイトでは、プランごとに次のように案内されています(いずれも体重などにより変動します)。

火葬の形式 ご遺骨の返却 立ち会い 費用の目安(税込) こんな方に
合同火葬(霊園供養プラン) 返骨なし できない 8,500円〜 費用を抑え、霊園での供養をお任せしたい方
一任個別火葬 返骨あり(骨壺でお渡し) 行わない 15,400円〜 立ち会いはつらいが、お骨は手元に置きたい方
立会個別火葬 返骨あり(ご家族でお骨上げ) できる 17,600円〜 最後まで見送り、その日のうちに連れて帰りたい方

出典:ペット葬儀110番 公式サイト(執筆時点)。同じ「個別火葬」でも、体重によって金額は上がっていきます。ご自身の子の体重で見積もりを出してもらうのが確実です。

自治体に依頼すると、ご遺骨は戻らないことが多い

供養の場に手向けられた花と小さな骨壺
写真はイメージです

費用の面から、お住まいの市区町村に火葬をお願いすることを考える方もいらっしゃいます。ただ、ここで知っておいていただきたいのが、自治体の火葬は合同火葬が中心で、ご遺骨をお返ししていない例が多いということです。制度上、ペットのご遺体は一般廃棄物として扱われるため、人のご葬儀とは仕組みが異なります。

実際に、各市の公式サイトには次のように記載されています。

自治体 火葬の方法 ご遺骨の返却 手数料(公式サイト記載額)
札幌市(動物管理センター) 後日、他の動物と合同で火葬。立ち会い不可 「火葬後のお骨はお返しできません」 犬・猫 6,000円ほか
広島市(市営火葬場) 一時保管ののち合同で火葬。立ち会い不可 「お持ち帰りはできません」 500g以下 4,480円/500g超 9,000円
横浜市(戸塚斎場) 個別火葬と合同火葬の両方を実施 個別=骨壺に納めて全て持ち帰り可/合同=共同埋蔵施設へ 個別 10,000円〜30,000円(体重別)/合同 3,000円(直接持込)

※各市公式サイトの記載額をそのまま掲載しています(税区分の明記がないものは表記どおり)。出典:札幌市広島市横浜市(いずれも執筆時点)

このように、自治体でもすべてが「返骨なし」というわけではありません。横浜市のように、市営斎場で個別火葬を用意し、骨壺に納めて全てお持ち帰りいただけるところもあります。一方で、札幌市や広島市のように合同火葬のみで、立ち会いもお骨のお引き取りもできないところもあります。対応は自治体ごとにまったく異なりますので、「役所なら安い」とだけ考えて申し込むのではなく、お住まいの市区町村のページで火葬の方法と返骨の可否を先に確かめてください。

火葬当日に、その場で持ち帰れる場合とできない場合

そっと重ねられた飼い主の手とペットの前足
写真はイメージです

「今日お願いして、今日連れて帰れますか」というご質問もよくいただきます。結論としては、立会個別火葬であれば、その日のうちに骨壺を持ち帰れることがほとんどです。お別れの時間から火葬、お骨上げまでを一度で行うためです。

一方で、次のような場合は当日その場でのお渡しにならないことがあります。

  • 一任個別火葬…お預かりして火葬するため、後日のお届け・引き取りになる場合がある
  • 合同火葬…そもそも返骨がないため、持ち帰るご遺骨がない
  • 自治体への依頼…引き取りののち、日を改めて合同で火葬される例が多い
  • 骨壺やカバーを追加で用意する場合…在庫や仕様によって後日になることがある

火葬そのものにかかる時間の目安

立ち会う場合、どのくらいの時間を見ておけばよいかも気になるところです。東京都調布市の深大寺動物霊園の公式解説では、火葬にかかる時間の目安が次のように案内されています。

ペットの大きさ 火葬にかかる時間の目安
小鳥・ハムスターなどの極小動物 30分前後
猫・小型犬 1時間前後
中型犬 2時間前後
大型犬 2.5時間前後
特大犬 3時間前後

これに、お別れの時間やお骨上げが加わります。猫や小型犬でも、全体で1時間半から2時間程度は見ておくと安心です。ご高齢のご家族やお子さまと一緒に立ち会う場合は、待合室の有無もあわせて聞いておくとよいでしょう。

なお、亡くなったその日に火葬すること自体は、多くの事業者や霊園で受け付けられています。同霊園の解説でも、亡くなられた日の火葬や引き取りに応じている旨が記されています。ただし、お別れの時間をどれだけ取りたいかはご家族によって違います。急いで決めなければならないものではありませんので、ご遺体を適切に安置しながら、気持ちの整理がつく日を選んでいただいて構いません。

持ち帰ったご遺骨をどうするか

自宅の棚に置かれた骨壺と写真の小さな祈りの場
写真はイメージです

骨壺をお迎えしたあと、そのままご自宅に置いておいてよいのだろうか、と迷われる方も少なくありません。ペットのご遺骨については、人のご遺骨のように埋蔵の場所を法律で定められているわけではなく、ご自宅で保管することを禁じる決まりはないとされています。手を合わせる場所をご自宅に置くこと自体に、問題はありません。

選択肢は、おおむね次のように整理できます。

  • 自宅供養(手元供養)…骨壺のまま、あるいは小さな骨壺やガラスの器に移して、ご自宅で一緒に過ごす
  • 納骨…ペット霊園の個別墓・納骨堂・合同墓に納める。時期を急ぐ必要はありません
  • 分骨…一部を小さな骨壺やペンダントに納め、残りを納骨する。両方を選びたい方に
  • 散骨…粉骨したうえで海洋散骨などを行う。原状に戻せないため、ご家族でよく話してから
ご遺骨を手元に置くメリット
  • 気持ちの整理がつくまで、そばで過ごす時間を持てる
  • 納骨の時期や場所を、あとからゆっくり選び直せる
  • 引っ越しの際も一緒に移動できる
手元に置く場合のデメリット・注意点
  • 湿気によってカビが生じることがあり、保管に気を配る必要がある
  • ご家族の誰が引き継ぐか、将来的に決めておく必要が出てくる
  • 置き場所によっては、日常のなかで気持ちの区切りをつけにくくなることもある

分骨や散骨を考える場合、粉骨(ご遺骨を細かくする処理)が必要になることがあります。粉骨や手元供養の器を扱うサービスもありますので、ご家族の希望に合う形を探してみてください。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

小さなお墓KOBO 公式サイトはこちら

ガラス製の手元供養の器や、粉骨・海洋散骨などを扱っています。どの形が合うか迷われる場合の相談先のひとつです

骨壺のサイズと、ご自宅での保管で気をつけたいこと

骨壺のそばに供えられた小さな花
写真はイメージです

返骨の際は、多くの場合、事業者が用意した骨壺に納めてお渡しされます。あとから器を替えたい、置き場所に合う大きさを知りたいという場合のために、サイズの目安を整理しておきます。骨壺は「寸」で表され、1寸はおよそ3cmです。ペット仏具専門店ディアペットの公式解説では、次のように案内されています。

サイズ 大きさの目安 主な対象
2寸 直径6×高さ7cm ハムスター・小鳥など
3寸 直径9×高さ11cm 子猫・子犬・うさぎ
4寸 直径12×高さ14.5cm シーズー・ヨークシャテリアなど
5寸 直径15×高さ18.5cm 柴犬・ビーグルなど
6寸 直径18×高さ20cm ラブラドール・ゴールデンレトリバーなど
7寸 直径21×高さ25.5cm セントバーナードなどの超大型犬

同店の解説では、頭蓋骨がもっとも大きなご遺骨になるため、それが納まればほとんどの場合すべてのご遺骨が納まるとされています。同じ犬種でも体格には個体差がありますので、迷うときは大きめを選んでおくと安心です。

湿気とカビへの備え

ご自宅で長く保管するときに、いちばん気をつけたいのが湿気です。火葬されたお骨は多孔質で、空気中の水分を吸いやすい状態になっています。生活110番(運営:シェアリングテクノロジー株式会社)の解説では、骨壺にこもった湿気がカビの主な原因とされ、次のような対策が挙げられています。

1骨壺のなかに乾燥剤を入れる

ご遺骨の下に敷くか、ふたの裏に貼り付けます。湿気がお骨に吸着される前に取り除く考え方です。

2ふたと本体のすきまをふさぐ

テープなどでふたの周囲を巻き、空気と湿気の出入りを減らします。気密性の高い骨壺に替える方法もあります。

3風通しのよい場所に置く

押し入れやクローゼット、たんすの中は湿気がこもりやすく、骨壺の置き場所には向きません。温度変化の少ないリビングや寝室が向いているとされています。

4ご遺骨は素手で触らない

手の湿気がカビのきっかけになることがあります。触れる必要があるときは手袋を使います。

直射日光が当たる窓辺や、加湿器のそば、水回りに近い場所も避けたほうが無難です。もしカビが生じてしまった場合は、ご自身で無理に処理せず、火葬をお願いした事業者に相談する方法もあります。

返骨をお願いするときに確認しておきたいこと

窓際で穏やかに過ごすシニア期の猫
写真はイメージです

ペット葬儀の業界では、残念ながら高額な追加請求や、火葬の実態が確認できない事業者をめぐるトラブルが報じられてきました。ご遺骨を確実にお迎えするためにも、依頼の前に次の点を確かめておくことをおすすめします。

1返骨があるプランかどうかを、名称ではなく内容で確認する

「個別火葬」という名前でも、返骨の扱いは事業者ごとに異なります。骨壺に納めてお渡しされるのか、いつどこで受け取るのかまで聞いておきます。

2立ち会いとお骨上げができるかを確認する

ご自身の手でお骨上げをしたい場合は、立会個別火葬に対応しているかを確かめます。人数の上限が決まっていることもあります。

3料金が事前に確定するかを確認する

体重区分、出張費、深夜早朝の対応、骨壺やカバーの料金まで含めた総額を、依頼前に書面やメールで示してもらいます。

4固定の斎場や霊園があるか、運営会社を確認する

所在地・運営会社・電話番号が公開されているか、実際に施設があるかを確かめます。連絡先が携帯番号だけ、といった場合は慎重に判断してください。

5当日の流れと所要時間を聞いておく

お迎えの時刻、お別れの時間、火葬の時間、骨壺のお渡しまでの流れを聞いておくと、当日あわてずに済みます。

ご家族が動揺しているときに、これらをすべて聞き出すのは簡単ではありません。可能であれば、落ち着いていられるうちに数社の対応を見比べておくと、いざというときの負担が軽くなります。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

ペット葬儀110番 公式サイトはこちら

全国対応で、返骨のある個別火葬プランを用意しています。プラン内容と料金は公式サイトでご確認ください

よくある質問

Q合同火葬を選んだあとで、やはりお骨を返してほしいと言えますか。

A合同火葬は複数のペットを一緒に火葬するため、火葬後にどの子のお骨かを区別することができません。そのため、あとから返骨をお願いすることはできません。迷いがある場合は、いったん個別火葬を選んでおき、落ち着いてから納骨や合同供養を考えるという順番もあります。

Q自治体に火葬をお願いすると、必ずお骨は戻らないのでしょうか。

A自治体によって異なります。札幌市や広島市のように合同火葬のみで返骨を行っていない例がある一方、横浜市のように市営斎場で個別火葬を実施し、骨壺に納めて全て持ち帰れる例もあります。お住まいの市区町村の公式ページで、火葬の方法と返骨の可否をご確認ください。

Qお骨を持ち帰ったあと、いつまでに納骨しなければいけませんか。

A期限はありません。ご自宅で保管し続けることを禁じる決まりはないとされていますので、ご家族の気持ちが落ち着いてから決めていただいて構いません。数年たってから納骨される方もいらっしゃいます。

Q骨壺はどのくらいの大きさになりますか。

A猫や小型犬では3寸〜4寸(直径9〜12cm程度)、柴犬などの中型犬では5寸(直径15cm程度)が目安とされています。火葬をお願いする事業者が用意した骨壺でお渡しされることが多いので、置き場所が決まっている場合は事前に大きさを聞いておくと安心です。

※本記事の料金は執筆時点(2026年8月)の各社・各自治体の公式サイト情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

まとめ

ペット葬儀で「持ち帰り」と呼ばれるものの中心は、火葬後にご遺骨を返してもらえるかどうかです。合同火葬では返骨がなく、一任個別火葬・立会個別火葬では骨壺でお渡しされるのが一般的です。自治体への依頼は合同火葬が中心で返骨のない例が多いものの、横浜市のように個別火葬を用意しているところもあります。立ち会って自分の手でお骨上げをしたい場合は、立会個別火葬を選び、当日の流れと総額を事前に確かめておきましょう。

お迎えしたご遺骨は、そのままご自宅で過ごしても、時期を見て納骨しても構いません。湿気とカビにだけ気をつけて、ご家族が心地よくいられる場所に置いてあげてください。どうか、あの子と過ごす時間が、これからも静かにそばにありますように。

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