供養・お墓・メモリアル 霊園・お墓・納骨

ペットの樹木葬とは|種類・費用相場と自宅でできる供養、選ぶときの注意点

大切な家族だったペットを、土や木に還してあげたい。冷たい石のお墓ではなく、季節ごとに芽吹く木の下でそっと見守りたい。そう考えて「樹木葬」という言葉にたどり着いた飼い主さんは少なくありません。樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とし、遺骨を自然に還していく供養のかたちです。ペット専用の霊園に預ける方法もあれば、飼い主自身と同じ木の下に眠る方法、自宅の庭やプランターで供養する方法まで、選択肢は思いのほか幅があります。

この記事では、ペットの樹木葬の種類と費用相場、選ぶときに確かめておきたいこと、そして自宅でできる形までを、編集部が各社の公式サイトや専門情報を調べて静かに整理しました。急いで決める必要はありません。あの子にとって、そしてあなたにとって、心が落ち着く場所を一緒に探していきましょう。

木漏れ日のさす静かな森の小道
写真はイメージです
飼い主さん
樹木葬っていう供養があると聞きました。うちの子を自然に還してあげたいのですが、どんな種類があって、どのくらい費用がかかるものなのでしょうか。
編集部
大きく分けて「合祀(合葬)」「個別」「人と一緒に入れる」、そして「自宅の庭やプランター」の4つの形があります。費用は数万円から、人と一緒に入れる霊園では数十万円までと幅があります。どれが良い悪いではなく、そばに感じたい距離や、これからの暮らしに合わせて選んでいけるものですよ。

一言でいうと、ペットの樹木葬は「合祀・個別・人と一緒・自宅」の4タイプがあり、費用は1万円台から数十万円までと選択肢に幅がある供養方法です。一度埋葬すると遺骨を取り出しにくい点だけは、契約前に必ず確認しておきましょう。

ペットの樹木葬とは?自然に還る供養の考え方

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として、その根元に遺骨を埋葬する供養方法です。人間のお墓の世界で少しずつ広まってきた形ですが、近年はペット向けにも受け入れる霊園が増えています。コンクリートや石ではなく、生きている木の下に還すという発想が「自然に還してあげたい」という飼い主の気持ちに寄り添うことから、静かに選ばれるようになりました。

多くの樹木葬は永代供養とセットになっており、霊園や寺院が続くかぎり管理と供養を引き継いでくれます。後継ぎがいない、遠方でお墓の手入れに通えないといった事情がある方にとっても、負担の少ない選択肢です。ペットの供養方法には、火葬後に納骨堂へ預ける形や、遺骨を手元に置く手元供養、海や山へ還す散骨などさまざまな形がありますが、そのなかで樹木葬は「命が育つ木に見守られながら眠る」という点で、悲しみをやわらげてくれると感じる飼い主さんが多いようです。

一方で、樹木葬は「土に還す」ことを前提とするため、あとから遺骨を取り出すのが難しいという性質もあります。石のお墓のように場所が固定されるわけではなく、年月とともに木や草花が姿を変えていくのも樹木葬らしさです。だからこそ、決める前に種類ごとの違いと、あとで気持ちが変わったときにどうなるのかを知っておくことが大切です。まずは4つのタイプの違いを見ていきましょう。

草花に囲まれた小さな供養の場に手を合わせる人
写真はイメージです

ペットの樹木葬の種類|合祀・個別・人と一緒・自宅

ペットの樹木葬は、埋葬の仕方によって大きく4つのタイプに分かれます。それぞれ「そばに感じられる距離」も「費用」も違うため、まずは全体像をつかんでおくと選びやすくなります。

ペットの樹木葬の4タイプ(合祀・個別・人と一緒・自宅)と費用目安の比較
樹木葬の種類と費用の目安(当メディア編集部作成)

合祀(合葬)型|他の子と一緒に眠る

特定の区画を分けず、他のペットの遺骨と一緒に一本のシンボルツリーや供養塔の下へ埋葬する形です。費用が最もおさえられ、年間管理費が不要なことが多いのが特徴とされます。ただし、遺骨が他の子と混ざるため、あとから取り出すことはできません。「みんなで賑やかに眠ってほしい」という思いに合う形です。

個別型|その子だけの区画で見守る

専用の区画を設け、その子だけのためにシンボルツリーを植えて埋葬する形です。個別に手を合わせられる安心感があり、合祀型より費用は上がります。霊園によっては一定期間を過ぎると合祀へ移行するケースもあるため、いつまで個別で安置されるのかを事前に確認しておくと安心です。

人と一緒に入れる樹木葬|同じ木の下でずっと

飼い主自身とペットが同じ区画、または同じ供養塔に納骨できるタイプです。「離れたくない」「いつか自分も同じ場所へ」という願いを叶えられる形ですが、ペットの受け入れ可否は霊園によって異なります。株式会社和光などの情報によると、同じ区画に入る同区画型、一定期間後に合祀する合祀型、専用区画で個別安置する個別型などがあります。注意したいのは、人とペットが一緒に眠れると案内していても、一定期間後の合祀では人とペットが別々の合祀墓に分かれる霊園があること。「最後まで同じ場所に」と考えているなら、合祀の時期と、合祀後にどう供養されるのかを契約書できちんと確認しておきましょう。首都圏を中心に受け入れ霊園は少しずつ増えていますが、地方ではまだ選択肢が限られる地域もあります。

自宅の庭・プランター葬|身近で見守る

霊園に預けず、自宅の庭に埋めて木を植える、あるいはプランター(植木鉢)で供養する方法です。いつでもそばで見守れる安心感がありますが、埋葬できるのは自分の所有する土地に限られます。手順や注意点は後の章で詳しくご案内します。

庭先に咲く白い花とやわらかな光
写真はイメージです

ペットの樹木葬の費用相場|タイプ別の目安

費用は埋葬のタイプと、ペット専用か人と一緒かで大きく変わります。以下は各社の公式サイトや専門メディアの情報をもとにした、執筆時点(2026年7月)の一般的な目安です。実際の金額や税込・税抜の扱いは霊園によって異なるため、必ず各公式サイトでご確認ください。

タイプ 費用相場の目安 お骨の取り出し こんな方に
合祀(合葬)型 1万〜3万円前後 できない 費用をおさえたい・管理の手間を残したくない
個別型 3万〜10万円前後 期間内は可の場合あり その子だけの区画で個別に手を合わせたい
人と一緒に入れる(合祀) 30万〜50万円前後 できない 費用をおさえて飼い主と同じ場所に眠りたい
人と一緒に入れる(個別) 50万〜100万円前後 期間内は可の場合あり 専用区画で飼い主と一緒に供養したい
自宅の庭・プランター 1万〜5万円前後 手元で管理 いつもそばで見守りたい・自分の土地がある

このほか、納骨法要料や墓誌(墓誌板)への彫刻料として、それぞれ3万〜5万円ほどの追加費用がかかる霊園もあります(全国永代供養墓・樹木葬グループの情報より)。また、樹木葬では遺骨を土に還すために粉骨(パウダー状にする処理)が必要な場合が多く、業者に依頼すると1万円前後が目安です。見積もりの段階で「表示価格に何が含まれるか」を確認しておくと、あとから慌てずに済みます。

ペットの供養にかかる費用は、火葬から納骨、その後の手元供養まで含めて考えると全体像がつかみやすくなります。火葬の形式や体重別の料金については、

もあわせてご覧ください。

ペットの写真をそっと見つめる飼い主の手元
写真はイメージです

ペットの樹木葬のメリットと注意点

自然に還せる樹木葬には温かな魅力がある一方で、後悔しないために知っておきたい注意点もあります。両方を静かに見ておきましょう。

メリット
  • 墓石を建てるより費用をおさえやすい
  • 永代供養で管理や後継ぎの心配が少ない
  • 樹木や草花に囲まれた自然な環境で眠れる
  • 飼い主と同じ木の下に入れる霊園もある
  • 「自然に還してあげられた」という心の区切りになりやすい
注意点(デメリット)
  • 一度埋葬すると遺骨を取り出すのが難しく、改葬しにくい
  • 合祀すると他の子と遺骨が混ざり、個別に戻せない
  • ペットを受け入れる樹木葬霊園はまだ限られる
  • 個別型でも一定期間後に合祀へ移行する場合がある
  • 自宅埋葬は将来の引越し・土地売却で扱いに困ることがある

とくに「一度埋葬すると取り出せない」点は、樹木葬で最も大切な確認事項です。全国永代供養墓・樹木葬グループの解説でも、樹木葬は後から遺骨を取り出すことがほとんど不可能だとされています。「いつか引越すかもしれない」「一部だけ手元に残したい」と少しでも迷いがあるなら、遺骨の一部を手元供養として残してから埋葬する方法もあります。

自宅の一角に整えられた小さな供養スペース
写真はイメージです

樹木葬の進め方|霊園に預ける場合の流れ

ペット霊園や寺院の樹木葬に預ける場合、当日いきなり埋葬するわけではありません。落ち着いて進められるよう、一般的な流れを段階で整理しました。

1霊園を選び、受け入れ条件を確認する

ペットを受け入れているか、合祀か個別か、人と一緒に入れるか。埋葬形式と、遺骨をいつまで個別安置してもらえるかを問い合わせで確認します。悪質な業者を避けるため、実在する固定の施設があるか、見学できるかも合わせて確かめましょう。

2見積もりを取り、含まれる費用を確認する

表示価格に納骨料・粉骨・彫刻料などが含まれるかを確認します。追加費用の有無をはっきりさせておくと安心です。

3火葬・粉骨など納骨の準備をする

樹木葬は土に還すため、火葬後に粉骨が必要な場合があります。霊園が対応しているか、別途手配が必要かを確認します。

4納骨日を決めて埋葬する

日程を決め、当日は納骨料を支払って埋葬します。合祀型は取り出せなくなるため、当日までに家族の気持ちを整えておきましょう。

窓辺で穏やかに過ごすペットの姿
写真はイメージです

お墓や納骨堂など、樹木葬以外の選択肢と迷っている方は、

で全体を見比べてから決めるのもおすすめです。

自宅の庭・プランターで樹木葬をする方法と注意点

「そばに置いておきたい」という気持ちから、自宅で樹木葬を選ぶ方も増えています。自分の所有する敷地で行うぶんには法律上の問題はありませんが、いくつか守るべき点があります。

自宅の庭に埋めて木を植える場合

庭の土に遺骨を埋め、その周りに苗や種を植えてシンボルツリーを育てる方法です。ポイントは遺骨のすぐ上に種や苗を置かないこと。遺骨が根の成長を妨げたり、逆に根が浅い遺骨に届いてしまうことがあるためです。掘る深さは、雨や風で土が流れて掘り返されないよう、余裕を持たせます。専門メディアでは深さ50cm以上を目安とする解説もあります。自分の土地であっても、私有地や公園など他人・公共の土地に埋めると不法投棄にあたる恐れがあるため、必ず自宅の敷地で行いましょう。

プランター(植木鉢)で供養する場合

庭がない、マンション住まいといった場合は、プランター葬という方法があります。鉢の底に鉢底ネットと底石を敷き、園芸用土と腐葉土を混ぜて入れ、その上に草花を植えて供養します。ペトリィの解説によると、根が深く張る多年草は遺骨や遺体を傷つけることがあるため、一年草を選ぶとよいとされています。異臭や虫を防ぐため、深さに余裕を持たせ、日当たりと風通しのよい場所に置くことも大切です。プランターなら引越しの際もそのまま連れていけるのが、庭埋葬にはない安心感です。

気をつけたいトラブル

自分の土地であっても、近隣の方から良く思われずトラブルになることがあります。また将来引越しや土地の売却をするときには、庭にペットのお墓があることを説明する必要が出てくる場合もあります。火葬をせずに埋葬する場合は、悪臭・害虫・野生動物による掘り返しのリスクが高まるため、火葬・粉骨のうえで埋葬する方が安心です。

鉢植えの若木にそそぐやわらかな朝の光
写真はイメージです

樹木葬・自宅供養の相談先

「土に還すのは決めきれないけれど、そばに置いておきたい」という方には、遺骨の一部を手元に残す供養という選択肢もあります。粉骨や送骨に対応したサービスを選べば、霊園に足を運ぶのが難しい場合でも自宅から手続きを進められます。ここでは編集部が公式サイトを調べた相談先を一つご紹介します。

手のひらにそっとのせた小さな思い出の品
写真はイメージです

小さなお墓KOBO(手元供養・粉骨・散骨)

ガラス製の小さな器に、粉骨した遺骨を少量納めて手元で供養する「小さなお墓KOBO」です。ガラス作家が一つずつ手づくりするため、同じものが一つとしてない点が特徴とされます。粉骨や、遺骨を配送キットで送る送骨、海洋散骨にも対応しており、樹木葬や散骨と組み合わせて「一部は手元に、残りは自然へ」という供養の仕方も選べます。管理費や維持費がかからず、後々の負担を残しにくいのも安心できる点です。

小さなお墓KOBOの基本情報

サービス 手元供養(ガラス製メモリアル)・粉骨・送骨・海洋散骨
特徴 ガラス作家の手づくり・一点もの
向いている方 遺骨の一部を身近に残したい・自宅から手続きしたい方(執筆時点)

小さなお墓KOBOの口コミ・評判

💬

Web上では「手元に置けて心が落ち着いた」「送骨で遠方でも頼めた」といった声が見られます(傾向の要約であり、効果や満足を保証するものではありません)。

\ 詳細・ご相談は公式サイトから /

小さなお墓KOBO 公式サイトはこちら

粉骨・送骨・海洋散骨の詳細や料金は公式サイトでご確認ください

よくある質問

Qペットの樹木葬はどのくらいの費用がかかりますか?

Aペット専用の樹木葬は、合祀型で1万〜3万円前後、個別型で3万〜10万円前後が一般的な目安です。飼い主と一緒に入れる霊園では30万〜100万円前後まで幅があります。別途、納骨料や粉骨、彫刻料がかかる場合もあります。いずれも執筆時点の目安のため、各霊園の公式サイトでご確認ください。

Q一度埋葬したら、あとで遺骨を取り出せますか?

A樹木葬は土に還すことが前提のため、一度埋葬すると取り出すのは難しいとされています。とくに合祀型は他の子と遺骨が混ざるため、個別に戻すことはできません。迷いがある場合は、遺骨の一部を手元供養として残してから埋葬する方法もあります。

Q自宅の庭に埋めて木を植えても大丈夫ですか?

A自分が所有する敷地であれば法律上の問題はありません。ただし他人の私有地や公園などに埋めると不法投棄にあたる恐れがあります。悪臭や掘り返しを防ぐため、火葬・粉骨のうえで深めに埋め、遺骨のすぐ上に種を撒かないようにしましょう。

Qマンションでも樹木葬のような供養はできますか?

A庭がない場合は、プランター(植木鉢)で草花を育てて供養するプランター葬という方法があります。鉢は持ち運べるため、引越しの際も一緒に連れていけます。一年草を選び、日当たりと風通しのよい場所に置くのがポイントです。

※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト・専門情報をもとにした一般的な目安です。税込・税抜の扱いや最新の金額は各公式サイトでご確認ください。

まとめ

ペットの樹木葬は、合祀・個別・人と一緒・自宅の庭やプランターと、あの子との距離やこれからの暮らしに合わせて選べる供養方法です。費用は1万円台から数十万円までと幅があり、大切なのは「一度埋葬すると取り出しにくい」という性質を理解したうえで、家族で気持ちを整えてから決めることです。迷いがあれば、遺骨の一部を手元に残す道もあります。どの形を選んでも、正解や不正解はありません。あなたとあの子にとって、いちばん心の落ち着く場所が見つかりますように。

-供養・お墓・メモリアル, 霊園・お墓・納骨