大切な家族との別れが近づいているとき、あるいは見送ったばかりのとき、「ペットにもお葬式をしてあげるべきなのだろうか」と、ふと立ち止まる方は少なくありません。人のお葬式のように盛大にしてあげたい気持ちと、静かに家族だけで見送りたい気持ちのあいだで、どうするのが正解か分からず、そっとこのページを開いてくださったのかもしれません。
結論からお伝えすると、ペットのお葬式は「必ずしなければならないもの」ではありません。式をきちんと行う方も、家族だけのお別れ会にとどめる方もいて、そのどちらにも間違いはありません。この記事では、当メディア編集部が各ペット火葬・葬儀サービスの公式情報を調査し、「する・しない」で迷ったときの選択肢と、後悔しない決め方を静かに整理しました。


一言でいうと、ペットのお葬式は「するか・しないか」の二択ではなく、火葬の形式・家族だけのお別れ会・手元での供養まで、いくつもの選び方があります。大切なのは、立ち会いたいか・お骨を残したいかという気持ちを軸に、ご家族が納得できる形を選ぶことです。
ペットのお葬式は「しなくてはいけない」もの?

「お葬式をしないのは、かわいそうなのだろうか」——そう感じて自分を責めてしまう方がいます。けれど、ペットのお葬式に法律上の決まりはなく、式をするかどうか、どんな形で見送るかは、すべてご家族が自由に決めてよいものです。大切なのは形式の立派さではなく、その子とどんなお別れをしたいかという気持ちのほうです。
一方で、火葬そのものは避けて通れません。ペットが亡くなったあとのご遺体は、火葬して供養するか、自治体に依頼するのが一般的です。庭などへの土葬は、私有地であれば法律上は可能とされますが、衛生面や近隣への配慮、掘り返しのリスクから、火葬を選ぶご家庭が多くなっています。つまり実際には、「式をするかどうか」ではなく「どんな火葬・お別れの形にするか」を選ぶことになります。
盛大な式をしなくても、家族だけで静かにお花を供えて見送る形も、立派なお別れです。反対に、人のお葬式のようにきちんと立ち会って区切りをつけたい方もいます。どちらが正しいということはありません。次の章で、迷ったときの具体的な選択肢を見ていきましょう。
お葬式をするか迷ったときの3つの選択肢

「する・しない」で迷うとき、実は選択肢は二択ではありません。ご家族の気持ちや状況に合わせて、大きく次の3つの方向から選べます。どれか一つに決めきれなくても、読み進めるうちに「わが家はこれが近いかもしれない」と感じられれば十分です。
選択肢1|お葬式(火葬)をきちんと行う
火葬場や霊園で、お別れ・火葬・お骨上げまでを行う形です。個別立会火葬なら人のお葬式に近く、最期まで付き添えます。「きちんと見送って区切りをつけたい」「お骨を手元に残したい」という方に向いています。費用や当日の負担は大きめですが、「ちゃんとお別れができた」という気持ちの支えになったという声もあります。
選択肢2|式はせず、家族だけのお別れ会にする
特別な式はせず、自宅でお花や好物を供え、家族だけで静かにお別れの時間を過ごす形です。火葬自体は業者に一任すれば、立ち会いの心理的な負担を抑えられます。「大げさにはしたくないけれど、きちんと気持ちを込めて見送りたい」という方に選ばれています。近所や親族を招く必要はなく、家族のペースで進められるのが特徴です。
選択肢3|火葬後、手元で供養しながら見守る
お別れのあとの供養に軸足を置く選び方です。火葬でお骨を受け取り、骨壺を自宅に安置して手元供養をしながら、その子とゆっくり過ごしていきます。納骨や樹木葬などは、気持ちが落ち着いてから後日決めても遅くはありません。「まだ離れがたい」「そばにいてほしい」という気持ちを、無理なく形にできます。
- きちんと立ち会って区切りをつけたい → 選択肢1(個別立会火葬)
- 大げさにはしたくないが心を込めて見送りたい → 選択肢2(家族だけのお別れ会+一任火葬)
- まだ離れがたい・そばにいてほしい → 選択肢3(手元供養)
お葬式の形式そのものの詳しい違いや当日の流れは、
もあわせてご覧ください。
お葬式をする場合の費用の目安

「する・しない」を考えるうえで、費用は気になるところだと思います。ペットのお葬式(火葬)の費用は、火葬の形式と体の大きさ(体重)でほぼ決まります。合同 < 個別一任 < 個別立会 の順に高くなり、家族だけのお別れ会なら火葬を一任することで費用を抑えやすくなります。大手各社の公式料金を横断した、執筆時点(2026年7月)の目安がこちらです。
| 火葬の形式 | 費用相場の目安(税込) | お骨の返却 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 合同火葬(合同供養) | 約9,000円〜30,000円 | 基本的になし(霊園で合同供養) | 負担を抑え、供養は霊園に任せたい |
| 個別一任火葬(お別れ会つき) | 約16,000円〜50,000円 | あり(火葬は業者に一任) | 式はせず、家族だけで見送りたい |
| 個別立会火葬 | 約20,000円〜70,000円 | あり(家族でお骨上げ) | 最期まで立ち会って見送りたい |
いずれも税込・執筆時点の目安で、地域や業者によって幅があります。体重が重いほど火葬に時間がかかるため料金も上がる傾向があり、小型犬・猫は下限に近く、大型犬では上限を超えることもあります。「一式」と書かれた料金に、お迎え・骨壺・返骨の費用が含まれるかは必ず確認しましょう。家族だけのお別れ会にする場合も、火葬は個別一任を選べばお骨を残せるため、費用と気持ちのバランスで選べます。
後悔しないための選び方・決め方

「する・しない」を含めてどう見送るかは、次の順番で考えると迷いにくくなります。お別れ直後は冷静な判断が難しいものですが、ご遺体を安置すれば数日はお別れの時間を持てます。慌てず、一つずつ確かめていきましょう。
1まず安置して、心を落ち着ける
体をやさしく拭き、保冷剤やドライアイスで傷みやすいお腹や頭のまわりを冷やして、涼しい場所に静かに寝かせます。ここで数日の時間が生まれます。決断は落ち着いてからで大丈夫です。
2「立ち会いたいか」「お骨を残したいか」を家族で話す
この2つの気持ちを確かめるだけで、選ぶべき形は自然としぼられます。立ち会いたいなら個別立会、負担を抑えたいなら一任、お骨を残したいなら個別火葬、というように整理できます。
3形式と費用を照らし合わせて、無理のない形を選ぶ
気持ちに合う形と、費用の目安を照らし合わせます。式をしない選択も含めて、ご家庭の状況で決めて構いません。予算に合わせて合同や一任を選んでも、気持ちが劣るということはありません。
4迷ったら、相談窓口や業者に気持ちを伝えて相談する
決めきれないときは、無理に自分だけで抱えず、火葬業者や相談窓口に「こんなお別れがしたい」と伝えてみましょう。予算や希望に合わせて、適した形式を提案してもらえます。
この4ステップのうち、特に大切なのはステップ2です。「立ち会いたいか」「お骨を残したいか」——この2つの気持ちに正直になるだけで、後悔の少ない選択に近づきます。周囲がどうしているかではなく、あなたとその子にとってどうかを軸にしてください。
どこに相談すればいい?迷ったときの窓口

「する・しないも決めきれない」「どこに連絡すればいいか分からない」というときは、一人で抱え込まず、相談から始めて大丈夫です。ただしこの業界には、あいまいな見積もりのまま火葬を始め、あとから高額を請求したり、火葬したと言いながら不適切な処理をしたりといった悪質な事例も報道されてきました。相談先を選ぶときは、次の点を確認してください。
- 会社の所在地・固定電話・運営者名が公式サイトに明記されているか(実在・固定施設の確認)
- 料金表が公開され、形式別・体重別の金額を事前に確定できるか
- 火葬への立ち会いの可否、お骨の返却(返骨)の有無を明確に答えてくれるか
- 火葬の場所(固定斎場か、火葬車ならどこで行うか)を説明してくれるか
- 電話やメールの対応が丁寧で、「する・しない」の迷いも急かさず聞いてくれるか
「どこに連絡すればいいか分からない」というときは、全国対応で受け付けている相談窓口に、まず希望を伝えてみる方法があります。東証上場企業が運営する「ペット葬儀110番」は、お迎え込みの合同プラン・個別一任・個別立会と料金体系が公開されており、「家族だけで静かに見送りたい」といった希望を伝えれば、それに合う形式を案内してもらえます。深夜・早朝でも受け付けているため、決めきれないまま夜を迎えたときの相談先としても頼りになります。
お別れ直後は判断が難しいものです。1社だけで即決せず、料金と対応を確かめてから決めれば、トラブルの多くは避けられます。猫を見送る場合の具体的な流れは、
でも紹介しています。
よくある質問
※本記事の料金は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイト情報をもとにした一般的な相場です。実際の費用は形式・体重・地域・業者によって異なります。最新の情報と正確な金額は各公式サイトや見積りでご確認ください。
まとめ|あなたが選んだ形が、その子への愛情です
ペットのお葬式は、「する・しない」の二択ではありません。火葬をきちんと行う、家族だけのお別れ会にする、手元で供養しながら見守る——いくつもの形があり、そのどれを選んでも間違いではありません。大切なのは、「立ち会いたいか」「お骨を残したいか」という気持ちに正直になり、ご家庭の状況で無理のない形を選ぶことです。
費用を抑えても、盛大な式をしなくても、そこに込めたあなたの気持ちが劣ることは決してありません。迷ったときは、料金の明朗な相談窓口に希望を伝えながら、立ち会いの可否や返骨の有無を確かめて決めてください。冷静になれないときは、一晩安置して落ち着いてからでも遅くはありません。
あなたが選んだお別れの形が、そのままその子への愛情のかたちです。たくさんの幸せをくれたあの子が、あたたかな光に包まれて安らかでありますように。