牧草をかじる音が前より短くなった、ペレットを残すようになった、ケージのロフトに上がらなくなった——シニア期に入ったうさぎと暮らしていると、日々の小さなところで「このままでいいのだろうか」と迷う場面が増えてきます。まだ元気に走る日もあるのに、去年と同じ暮らし方でよいのか、それとも何かを変えるべきなのか。判断の手がかりが少ないまま、毎日が過ぎていきます。
うさぎのシニア期は、犬や猫のように「介護」という言葉でひとくくりにできる段階ばかりではありません。多くの子は、まだ自分で食べ、自分でトイレに行き、日に何度かは伸びをして走ります。その時期に必要なのは、大がかりな介護ではなく、今のからだに合わせて食事・住まい・運動・記録を少しずつ整え直すことです。
この記事では、編集部が英国の動物福祉団体RSPCA・うさぎ福祉協会(RWAF)・PDSA、アニコム損保「うさぎとの暮らし大百科」、うさぎを診療する動物病院が公開している情報を調べ、シニア期に入ってからの毎日の暮らし方を、牧草とペレットの見直し方、ケージのレイアウト、運動と休息のバランス、体重と食欲の記録の付け方、健診で見てもらいたい項目の順に整理しました。


一言でいうと、シニア期のうさぎの暮らしは「牧草を噛み続けられること」「越えなくていい住まい」「動く時間を残しつつ休息を増やすこと」「記録で変化に早く気づくこと」の4つで整えていくのが基本とされています。どれも今日から少しずつ始められるもので、大きな模様替えや高価な用品は必要ありません。
シニア期の暮らしで見直したい4つの軸

シニア期の暮らしの見直しは、大きく4つの軸に分けて考えると迷いにくくなります。食事(牧草とペレット)、住まい(段差と床)、運動と休息のバランス、そして記録です。この4つはそれぞれ独立しているようで、実はつながっています。
たとえば、床が滑って動きにくければ運動量が落ち、運動量が落ちれば必要なカロリーが変わり、ペレットの量を見直す必要が出てきます。牧草を噛む量が減れば歯の伸び方に影響することがあるとされ、それがまた食欲に返ってきます。だからこそ、ひとつだけを大きく変えるのではなく、4つを少しずつ、同時に整えていくほうがうまくいきます。
うさぎは環境の変化に敏感な生きものです。ケージの模様替えも食事の切り替えも、一度にすべてを変えると食欲が落ちることがあります。この記事で紹介する見直しは、どれも「今週はこれ」「来週はこれ」と分けて進めていただいて構いません。
なお、何歳からシニアと考えるのか、加齢でどんな変化が現れるのかという入り口の話は、別の記事で詳しくまとめています。まだ「うちの子はシニアなのだろうか」という段階の方は、そちらから読んでいただくと順序よく整理できます。
牧草の見直し——繊維を切らさず、噛み続けられる形に

シニア期の食事で最初に見直したいのは、ペレットでも野菜でもなく牧草です。RWAF(英国のうさぎ福祉協会)は、高齢のうさぎであっても新鮮な牧草と水、青菜を好きなだけ食べられる状態を保つことを基本に据えています。PDSA(英国の動物慈善団体)も、高齢期の食事について「牧草はいつの時期も食事のいちばん大切な部分であり、年をとってからも同じように欠かせない」と説明しています。
ところが、シニア期になると牧草を食べる量が減っていく子が少なくありません。歯の伸び方に変化が出て硬いものを避けるようになる、あごの力が落ちる、単純に食べる速さが遅くなる——理由はさまざまです。ここで「食べないから」とペレットや野菜で埋めてしまうと、繊維の摂取量が落ち、歯と消化管の両方に影響が及ぶことがあるとされています。
1番刈りが減ってきたら、種類を「足す」
チモシーは収穫の時期によって1番刈り・2番刈り・3番刈りに分かれます。アニコム損保「うさぎとの暮らし大百科」の解説によれば、1番刈りは茎が硬く繊維が豊富、2番刈り以降は柔らかくなるかわりに繊維量や栄養価は下がっていくとされています。歯を削る働きを期待するなら噛みごたえのある1番刈りが向いている一方、硬いものを避けるようになった子には、2番刈りや3番刈り、香りのよいオーツヘイ(エンバク)などのほうが食べやすいことがあります。
大切なのは、1番刈りをやめて柔らかい牧草に「置き換える」のではなく、選べるように「足す」という考え方です。硬いものも食べられる日はそちらを食べてもらい、つらい日は柔らかいほうを食べてもらう。牧草入れをふたつ用意して、両方を常に入れておく形にすると、その日の調子が食べ方に表れて観察の手がかりにもなります。
なお、マメ科のアルファルファはたんぱく質とカルシウムが多く、成長したうさぎでは肥満や尿石症につながる可能性があるため制限が必要とされる牧草ですが、アニコム損保の解説では「高齢でやせたうさぎなど、高栄養な食事が必要な時期には足してあげてもいい」とも紹介されています。体重が落ちてきたからアルファルファを、という判断は自己流で決めず、健診の際に相談してからにしてください。
牧草の見直しの進め方
1今の食べ方を1週間だけ記録する
新しい牧草を試す前に、今の牧草をどのくらいの速さで、どの部分から食べているかを1週間見てみます。葉先だけ食べて茎を残すようになった、朝は食べるが夜は残す、といった偏りが見えてくると、次に何を足せばよいかの見当がつきます。
2柔らかい牧草を少量だけ並べて置く
2番刈りやオーツヘイを、いつもの牧草入れとは別の場所に少量置きます。急に主食を入れ替えないのは、うさぎが食事の急な変更で体調を崩しやすいためです。気に入るかどうかは数日かけて様子を見て判断し、食べなければ別の種類を試します。
3食べやすい置き方に変える
高い位置の牧草入れは、首を伸ばすのがつらい子には負担になります。寝そべったままでも口が届く低い位置に変える、床にも少し撒いておく、といった工夫だけで食べる量が戻ることがあります。ただし床に撒く場合は、汚れた分をこまめに片づけてください。
4減った状態が続くなら受診を考える
種類も置き方も変えたのに牧草の減りが戻らないときは、食べたくないのではなく食べられない理由があるのかもしれません。歯の病気は家庭で見つけにくいとされています。牧草の減り方が数週間にわたって戻らない場合は、動物病院にご相談ください。
ペレットと副菜の見直し——量とカロリーを体重で決める

ペレットは「シニアになったから増やす/減らす」と一律に決められるものではありません。運動量が落ちて太る子もいれば、食べる力が落ちて痩せていく子もいるためです。判断の基準になるのは年齢ではなく体重の動きです。
量の目安として、武蔵小杉の池田動物病院はうさぎのペレット量を体重1kgあたり10〜15g程度(子育て中でない成うさぎの場合)と案内しています。RWAFも成うさぎについて体重1kgあたり大さじ1杯程度、15g/kgまでという目安を示したうえで、シニア期は活動量が減るぶん量を控える必要がある子もいれば、体重の低下を防ぐためにやや多めが必要な子もいると説明しています。毎週体重を測り、その動きに合わせて調整するというのがRWAFの示す考え方です。
飲水量にも目安があります。武蔵野市のグリーンパーク動物病院は、うさぎの1日の飲水量を体重1kgあたり約50〜150mlとし、急に飲む量が増えた場合や、尿量の変化・食欲低下・体重減少をともなう場合は注意が必要だと案内しています。次の表は、この2つの目安を体重別に並べたものです。
| 体重 | 1日のペレット量の目安(10〜15g/kg) | 1日の飲水量の目安(50〜150ml/kg) |
|---|---|---|
| 1.0kg | 10〜15g | 50〜150ml |
| 1.5kg | 15〜23g | 75〜225ml |
| 2.0kg | 20〜30g | 100〜300ml |
| 2.5kg | 25〜38g | 125〜375ml |
| 3.0kg | 30〜45g | 150〜450ml |
いずれも幅のある目安で、季節や食事内容(水分の多い野菜を食べていれば飲水量は減ります)、その子の体質によって変わります。数字そのものより、その子の平常値からどれだけ動いたかのほうが手がかりになります。
シニア用ペレットへの切り替え
年齢に合わせたペレットに替えるべきかは、迷いやすいところです。PDSAは高齢期の食事について「ペレットをシニア向けのものに替える」ことを挙げていますが、RSPCAは年齢に応じたフードへの切り替えは獣医師に相談したうえで、少しずつ行うよう案内しています。うさぎは食事の急な変更で消化管の調子を崩しやすいため、切り替える場合も新しいものを少量ずつ混ぜ、日数をかけて割合を変えていくのが基本です。
シニア向けとされるペレットには、繊維を高めたものや、関節の健康に配慮した成分を加えたものなど、方向性の異なる商品があります。どれが合うかは、その子が今太り気味なのか痩せ気味なのか、歯の状態はどうかによって変わります。健診の際に今の体格と食事内容を見てもらい、そのうえで選ぶのが確実です。
副菜(野菜・果物)との付き合い方
RWAFやPDSAは、高齢期も新鮮な青菜を毎日与えることを基本に挙げています。水分と嗜好性の両面で助けになりますが、牧草を食べる前に野菜でお腹がいっぱいになってしまうと、いちばん大切な繊維が減ってしまう点には注意が必要です。野菜は牧草を食べたあとの時間帯に回す、種類を絞る、といった調整をすると、牧草の量を保ちやすくなります。
果物やおやつは、糖分が多く肥満につながりやすいため、シニア期には量を見直したい部分です。ただし、食欲が落ちている子にとっては「食べるきっかけ」になることもあります。減らすか残すかは体重の動きを見ながら決め、迷うときは健診で相談してみてください。
ケージとお部屋のレイアウトを「越えなくていい」形に

住まいの見直しは、シニア期でもっとも効果が見えやすい部分です。考え方はひとつで、上下の移動を減らし、平らな面を広げること。RSPCAは、年をとったうさぎはスロープの上り下りが難しくなるため、enclosure(飼育スペース)をすべて同じ高さになるよう配置し直すことをすすめています。RWAFも同様に、高齢のうさぎではランプ(スロープ)を外すか替えることを挙げています。
一方、アニコム損保「うさぎとの暮らし大百科」では、段差につまずくようになった子について「ステップやスロープを設置して無理なく出入りできるようにしましょう」と紹介されています。方向性が違って見えますが、どちらも「高低差をそのままにしない」という点では同じです。なくせる段差はなくし、どうしても残る高低差(ケージの出入口など)にはゆるやかな傾斜をかける、と整理して考えるとよいと思います。
床材と寝床
RSPCAは、室内で暮らすうさぎの滑りやすい床について「ラグやカーペットを敷いて、つかまりやすくして動きやすくしてあげましょう」と案内しています。RWAFも滑る床にはゴム裏のマットが有効だとしています。滑る床は関節の負担になるだけでなく、踏ん張れないことで動くこと自体を諦めてしまう原因にもなります。
寝床については、RWAFが厚みと吸水性のある寝床でないと、圧迫による傷やソアホック(足裏の炎症)が起きることがあると説明し、尿を体から遠ざける素材(ベットベッドなど)がシニアうさぎに適していると紹介しています。座っている時間が長くなるシニア期は、同じ場所に体重がかかり続けます。休む場所を1か所に限定せず、2〜3か所に増やしておくと、体重のかかる位置が自然に分散します。
トイレと食器の高さ
縁の高いトイレは、シニア期のうさぎにとって思いのほか大きな壁になります。RSPCAとRWAFはいずれも、入り口の低いトイレへの交換をすすめており、切り欠きのあるプラスチック製の犬用ベッドを代用品として挙げています。トイレをまたげずに手前で排泄してしまう場合、しつけの問題ではなく体の問題であることがあります。
水と牧草の位置も見直したい部分です。首を上げ続ける姿勢がつらくなる子もいるため、給水ボトルの高さを下げる、あるいは倒れにくい容器を床置きにするといった調整が助けになります。「本人が姿勢を変えずに届く」高さが基準です。
模様替えは少しずつ
うさぎは自分の縄張りの配置を覚えて暮らしています。一度にすべてを変えると、トイレの場所がわからなくなったり、落ち着かずに食欲が落ちたりすることがあります。1回の変更は1か所まで、数日おいて次へという進め方が安全です。視力が落ちてきている子の場合はとくに、慣れた配置を大きく崩さないよう気をつけてください。
運動と休息のバランス——動く時間は減らさない

シニア期に入ると、走る回数が減り、眠る時間が増えていきます。それを見て「疲れさせないほうがいい」と部屋での運動を減らしてしまう飼い主さんもいらっしゃいますが、RSPCAは高齢のうさぎもペースは落ちるものの、変わらず定期的な運動が必要であるとしています。動かない時間が続けば筋力はさらに落ち、関節はこわばり、体重も動きます。
目指したいのは「運動量を減らすこと」ではなく、運動の総量はできるだけ保ちながら、1回あたりを短くして回数を増やす形です。30分続けて走らせるより、10分を3回。合間に静かに休める場所があれば、うさぎは自分でペースを調整します。
安全に動ける部屋にする
部屋での運動(いわゆる部屋んぽ)も、シニア期は環境のほうを整えます。フローリングにはマットやカーペットを敷き、ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降りは、可能ならステップを置くか、その動線自体を作らないようにします。着地の衝撃は、若い頃と同じようには吸収できなくなっています。
また、視力や聴力が落ちてきた子は、急に触られると驚くことがあります。近づくときに声をかける、足元を通るときにゆっくり動く、といった配慮が、転倒や驚愕による事故を防ぎます。
休息の質を上げる
アニコム損保の解説では、高齢になると温度変化に弱くなり、去年までは大丈夫だった室温で熱中症や夏バテを起こすことがあると注意が促されています。エアコンの設定は若い頃の基準のままにせず、今の体に合わせて考え直してください。冬も同様で、寒暖差の少ない場所にケージを置くだけで休息の質は変わります。
静けさも休息の条件です。人の出入りが多い場所、テレビの音が続く場所は、若い頃は平気でも、眠る時間が長くなったシニア期には負担になることがあります。暗く、静かで、温度の安定した場所を1か所つくっておくと、その子の避難場所になります。
なお、自力で体勢を変えられない、食事の介助が必要になったといった段階に入ると、必要なケアの内容が変わってきます。介護の実務については別の記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。
体重と食欲の記録の付け方

シニア期の暮らしで、いちばん費用がかからず、いちばん役に立つのが記録です。うさぎは不調を隠す生きものだといわれ、飼い主さんが「なんとなくおかしい」と感じたときには、すでに変化が始まっていることがあります。数字と短いメモが残っていれば、その「なんとなく」がいつから始まったのかを、あとから確かめられます。
RWAFは、シニアうさぎについて正確なはかりで毎週体重を測り、増減に応じてペレットの量を調整することをすすめています。アニコム損保の健康診断の解説(獣医師・長岡哲矢氏監修)でも、家庭で毎日チェックしたい項目として「ごはんを毎日しっかり食べているか」「うんちの量、回数、形がおかしくないか」「おしっこの量、回数、色がおかしくないか」の3つが挙げられています。
| 記録すること | 頻度の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 体重 | 週1回(曜日と時間を固定) | 数週間かけて一方向に動いていないか |
| 牧草の減り方 | 毎日(ざっくりで可) | いつもの量に届いているか、葉先だけ食べていないか |
| ペレット・野菜の残し | 毎日 | 残す日が続いていないか、食べる速さが落ちていないか |
| うんち | 毎日 | 量・回数・大きさ・形が変わっていないか |
| おしっこ | 毎日 | 量・回数・色が変わっていないか |
| 飲水量 | 週に数回 | 急に増えていないか、減っていないか |
| 動き・様子 | 気づいたとき | ジャンプ、毛づくろい、寝ている時間の変化 |
記録の道具は、キッチンスケールとカレンダー、あるいはスマートフォンのメモで十分です。続けられる形がいちばん良い形で、毎日すべてを埋める必要はありません。体重だけは曜日を決めて、あとは気づいたことを一行書き足していく——それだけでも数か月後には十分な資料になります。
写真も記録になります。月に一度、同じ角度から撮っておくと、毛づやや体つきの変化が目で見て分かります。日々一緒にいると気づきにくい変化ほど、半年前の写真と並べたときに見えてきます。
そして、記録がもっとも力を発揮するのは動物病院です。「最近元気がなくて」と伝えるより、「3週間で体重が80g減って、牧草の減りも半分になりました」と伝えられるほうが、獣医師が得られる情報はずっと多くなります。数字は、うさぎが自分では言えないことを代わりに伝えてくれます。
シニアの健診で見てもらいたい項目

健診の頻度については、アニコム損保の解説で高齢期は少なくとも半年に1度の健康診断がすすめられています。うさぎの専門診療を行う横浜市の星川レオン動物病院では、健康診断の目安を「年に1回、シニア期以降は年に2回以上」と案内しています。同院の健診では、血球計算と生化学検査(肝機能・腎機能・膵機能などを含む項目)、胸部・腹部のレントゲン検査、腹部エコー検査、尿の性状検査と沈渣検査、そして眼・口腔・歯を含む身体検査が行われると説明されています。
アニコム損保の健康診断の解説(長岡哲矢氏監修)では、身体検査で体重測定・目・鼻・あご・耳・口(歯)・腹部の触診・聴診・足裏の確認を行うこと、血液検査では血糖値、肝機能(GOT・GPT)、腎機能(BUN・Cre)、脂質代謝(コレステロール・中性脂肪)などを見ることが紹介されています。次の表は、これらの情報をもとに、シニア期の健診で確認されることの多い項目を整理したものです。検査の内容・費用は病院ごとに異なりますので、実際の内容はかかりつけにご確認ください。
| 検査 | 主に見るところ | シニア期に気にかけたい理由 |
|---|---|---|
| 身体検査 | 体重、目、鼻、あご、耳、口(歯)、腹部の触診、聴診、足裏 | 歯の伸び方の変化やソアホックは、外から確認できることがある |
| 血液検査 | 血球計算、肝機能(GOT・GPT)、腎機能(BUN・Cre)、血糖値、脂質など | 元気に見えても数値に変化が出ることがあり、平常値を残せる |
| レントゲン検査 | 胸部・腹部、骨や関節、歯の根の状態 | 関節の変化や歯の根の病変は、外からは分かりにくい |
| エコー検査 | 腹部の臓器の様子 | 臓器の変化を、体に負担の少ない方法で確認できる |
| 尿検査 | 尿の性状、沈渣(結晶など) | 飲水量や尿の色の変化と合わせて確認できる |
すべての検査を毎回受ける必要はありません。うさぎにとって通院や保定はそれ自体が負担になりますので、その子の性格や体調に合わせて、どこまで行うかを獣医師と相談して決めるのが現実的です。検査で体調を崩しやすい子の場合は、間隔や項目を調整するという考え方も紹介されています。
健診に行くときは、記録を持っていってください。体重の推移、牧草の減り方、うんちの変化——診察室の数分では伝えきれないことが、メモがあれば正確に伝わります。「いつからか」が分かることは、診断のための大切な情報になりますとされています。もちろん、健診を待たずに気になる症状があるときは、そのつど動物病院にご相談ください。
そしてもうひとつ。健診に通いながら、その先のことも少しだけ頭の片隅に置いておいていただけたらと思います。うさぎは体が小さく、体調を崩してからの時間が短いことがあります。何も知らないままその日を迎えると、悲しみのただなかで短時間の判断を求められることになります。今すぐ手配をする必要はありません。どんな選択肢があるかを知っておくだけで、そのときの負担はずいぶん変わります。
よくある質問
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。気になる症状は動物病院にご相談ください。
まとめ
シニア期のうさぎの暮らしは、特別なことを始める時期ではなく、今までの暮らしを今のからだに合わせて整え直す時期です。牧草は置き換えではなく種類を足して噛み続けられるようにし、ペレットは体重の動きを見て量を決め、ケージは高さを引き算し、運動は減らさず休める場所を増やす。そして、体重と食べた量とうんちを記録しておく。この積み重ねが、半年に一度の健診と組み合わさったときに、いちばん力を発揮します。
変化に気づいたとき、それが老いによるものか、治療できる不調によるものかは、家庭では見分けがつきません。迷ったときは動物病院にご相談ください。判断を持ち込める場所があることが、飼い主さんの毎日を軽くしてくれます。
牧草をかじる音が、今日も静かに続きますように。