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うさぎの認知症を疑う前に|似た症状の原因・見分けの手がかり・家の整え方

いつも同じ場所でくつろいでいたのに、部屋の隅でじっとしている時間が増えた。名前を呼んでも振り向かない。トイレの失敗が増えて、ケージの中を同じ方向にぐるぐる回っているように見える——。長く一緒に暮らしてきたうさぎのそんな様子に気づいて、「もしかして認知症なのだろうか」と検索された方も多いのではないでしょうか。

ただ、ここで一度立ち止まっていただきたいことがあります。うさぎの「認知症」は、犬や猫のように診断の枠組みが確立された病気ではありません。そして、認知症を思わせる行動の変化は、治療やケアで楽にしてあげられる別の原因から起きていることが少なくないのです。この記事では、まず除いておきたい原因を整理したうえで、高齢のうさぎに見られる変化、家の中の整え方、そしてうさぎを診られる動物病院を確保しておくことの大切さを、獣医師監修の情報や動物病院が公開している情報をもとに静かにまとめました。

飼い主さん
8歳になるうちの子が、最近ぼんやりしていることが増えて、トイレも失敗するようになりました。うさぎにも認知症ってあるのでしょうか。
編集部
心配ですね。実は、うさぎには犬や猫のような認知症の診断基準が確立されていません。そのぶん、まず似た様子を起こす別の原因がないかを確かめることが大切になります。慌てず、順番に見ていきましょう。

一言でいうと、うさぎの認知症は確立された診断名ではないため、「年のせい」と決めてしまう前に、エンセファリトゾーン症・耳や前庭のトラブル・視覚聴覚の低下・痛み・環境の変化といった原因を動物病院で除いていくことが先になります。そのうえで、暮らしの環境をこの子に合わせて整えていくのが、いま飼い主さんにできることです。

うさぎに「認知症」はあるのでしょうか

結論からお伝えすると、うさぎについて「認知症」と呼べる病気の枠組みは、現時点では確立されていません。だからといって、飼い主さんが感じている変化が気のせいだということではありません。大切なのは、その変化に名前をつけることよりも、背景に何があるのかを一つずつ確かめていくことです。

穏やかに過ごす小さな家族と飼い主の手のイメージ
写真はイメージです

犬や猫のような診断基準は確立されていません

犬では、加齢にともなう認知機能の低下が「認知機能不全症候群」として整理され、動物病院でも一般的に扱われるテーマになっています。猫についても存在を示す報告はあるものの、診断のための正式な基準は定まっていないとされています。一方、うさぎについては、同じように広く共有された診断基準は見あたりません。うさぎ向けの情報サイトでも「認知症のような症状が起こる可能性はあるが、正式な診断基準はない」という慎重な書かれ方がされています。

そのため、「うさぎの認知症」という言葉は、あくまで飼い主さんが感じている変化をひとことで表すための、便宜的な呼び方だと考えておくのが安全です。この記事でも、診断名としてではなく、あくまで「加齢にともなう行動の変化」として扱っていきます。

「年のせい」と決める前に、他の原因を除くことが先です

うさぎの高齢期は、一般に6〜7歳を過ぎた頃からといわれています(アニコム損保が運営するうさぎ情報サイトの記載)。ただ、この時期に現れる「ぼんやりしている」「ふらつく」「トイレを失敗する」といった様子は、加齢そのものだけでなく、感染症・耳の病気・痛み・感覚の低下など、対応の方法がある原因から生じていることがあります。「年だから仕方ない」と受け止めてしまうと、楽にしてあげられたはずの不調を見過ごしてしまうおそれがあります。まずは動物病院で、除けるものを除いていくところから始めましょう。

うさぎは不調を隠しやすい動物です

うさぎはもともと捕食される側の動物で、弱っている様子を表に出しにくいといわれています。飼い主さんが「なんだかおかしい」と気づいたときには、すでにしばらく前から不調が始まっていることも少なくありません。だからこそ、日々の食べる量、うんちの大きさと数、動き方、毛づくろいの様子といった小さな変化を、気づいたときにメモしておくことが役立ちます。

認知症と間違えやすい、まず除いておきたい5つの原因

ここでは、動物病院が公開している情報をもとに、うさぎで「認知症のように見える」変化の背景になりうる代表的な原因を整理します。いずれも自己判断で見分けられるものではなく、診断は診察を受けた獣医師が行うものです。あくまで「動物病院で相談するときの手がかり」としてご覧ください。

うさぎの認知症のような行動の前に確かめたい5つの原因を示した図解
「認知症かな」と思う前に確かめたい5つ(当メディア編集部作成)

エンセファリトゾーン症(神経症状が出ることがあります)

エンセファリトゾーン症は、Encephalitozoon cuniculi という細胞内に寄生する微細な寄生虫による病気です。アニコム損保のうさぎ情報サイトによると、多くのうさぎが感染歴を持つとされる一方、感染しても無症状のまま一生を過ごす個体が多く、免疫力が落ちたときに発症することがあるとされています。脳で増殖した場合には、首が傾いたままになる斜頸、眼が左右に揺れる眼振、平衡感覚を失って転がるように暴れるといった神経症状が現れることがあると説明されています。

診断は容易ではなく、抗体価の測定などを参考にしながら治療方針を決めていくことが多いとされます。ふらつきや首の傾きが見られる場合は、加齢による衰えと決めつけず、早めに動物病院へ相談してください。治療を行っても後遺症が残ることがあると説明されている一方、早い段階での対応が選択肢を広げることにつながります。

内耳炎・中耳炎など、前庭のトラブル

「斜頸」は病名ではなく、首が傾いて見える症状の呼び名です。動物病院の解説によると、その背景にはパスツレラなどの細菌感染、エンセファリトゾーンの寄生、内耳炎・中耳炎、前庭の障害、頸部の損傷、脳の腫瘍など、さまざまな原因がありうるとされています。耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官に炎症が起きると、ふらつきや同じ方向への旋回といった、認知症を思わせる動きにつながることがあります。

「ぐるぐる回っている」という様子は、目的のない徘徊のように見えて、実際にはまっすぐ歩けないことの表れである場合があります。原因によって対応が変わるため、動画に残して受診されると診察の助けになります。

視覚・聴覚の低下

高齢のうさぎでは、視覚や聴覚が衰えてくることが知られています。白内障で水晶体が白く濁ると視力に影響が出ますし、聴力が落ちると音への反応が鈍くなり、やがて聞こえなくなっていくとされています。名前を呼んでも振り向かない、近づくと驚いて跳ねる、といった様子は、認知の問題ではなく単に「見えていない・聞こえていない」ことが理由である場合があります

この場合に大切なのは、ケージ内のレイアウトを変えないこと、そして視野の範囲からゆっくり近づいて、においをかがせて安心させてから触れることだとされています。接し方を少し変えるだけで、落ち着きを取り戻すことがあります。

関節や背中の痛み・後肢の衰え

加齢とともに筋力が衰えたり、膝や股関節、背中に痛みが出たりして、ジャンプがしにくくなることがあるとされています。痛みがあると動くこと自体を避けるようになり、じっとしている時間が増えます。その様子は「無気力になった」「ぼんやりしている」ように見えますが、実際には痛みを避けているだけかもしれません。

また、後ろ足が弱ってくると、トイレのふちを越えられずに失敗が増えることがあります。トイレの失敗は、認知の問題ではなく体の動きの問題であることが少なくありません。段差を下げる、ふちの低いトイレに替えるといった工夫で改善することもあります。

環境の変化によるストレス

うさぎは環境の変化に敏感な動物といわれます。模様替え、引っ越し、同居動物の増減、家族の生活リズムの変化、季節の変わり目の温度や湿度、工事などの騒音——こうした変化がきっかけで、食欲や行動が変わることがあります。エンセファリトゾーン症の予防についても、感染そのものを防ぐのは難しいため、適切な食事・ストレスの回避・温度管理(18℃〜24℃が目安とされます)・清潔な環境といった、免疫力を落とさない暮らしが大切だと説明されています。

最近なにか変わったことがなかったか、思い出せる範囲で振り返ってみてください。心当たりがあれば、その要因をやわらげることが最初の一歩になります。

「気になる様子」と、考えられる背景の対応表

以下は、飼い主さんが気づきやすい様子と、その背景として一般に挙げられるものを整理したものです。あくまで受診時に伝える手がかりであり、これで原因を特定できるものではありません

気になる様子 背景として挙げられるもの 受診時に伝えたいこと
首が傾く・ふらつく エンセファリトゾーン症、内耳炎・中耳炎、前庭の障害など いつから/どちら側に傾くか/転がることがあるか
同じ方向にぐるぐる回る 平衡感覚のトラブル、神経症状など 回る向き/歩けているか/動画があれば持参
呼んでも反応しない 聴力の低下、視力の低下、体調不良など いつ頃からか/音・気配・においへの反応の違い
じっとして動かない 関節や背中の痛み、後肢の衰え、体調不良など ジャンプの可否/段差での様子/食欲とうんちの状態
トイレの失敗が増えた 後肢の衰え、トイレのふちの高さ、泌尿器のトラブルなど 失敗の場所/尿の色や量の変化/トイレの形状
食欲が落ちた・痩せてきた 歯のトラブル、消化管の不調、その他の病気など 体重の推移/うんちの大きさと数/食べ方の変化

高齢のうさぎに見られる行動と体の変化

原因を除いていく一方で、加齢そのものによる変化も確かに訪れます。どんな変化が一般的に見られるのかを知っておくと、「これは様子を見てよいのか、相談すべきなのか」の判断が少し楽になります。

やわらかな光の中で静かに過ごす情景のイメージ
写真はイメージです

暮らしのリズムの変化

アニコム損保のうさぎ情報サイトによると、3〜5歳以降は活動量が減っていき、眠っている時間が増えていくとされています。高齢期に入ると、食事量が減る、毛づくろいができなくなる、痩せてくる、下半身が弱ってあまり動かなくなるといった変化が見られるようになります。動物病院の情報でも、視覚・聴覚・嗅覚の衰え、白内障になりやすくなること、免疫力の低下、心臓や腎機能の衰え、下半身が弱くなることなどが挙げられています。

見た目に現れる変化

  • 毛色がグレーや白っぽくなり、毛のツヤが失われてくる
  • 自分で毛づくろいができなくなり、毛並みが乱れやすくなる
  • 足裏の毛が薄くなり、皮膚が出てくることがある(ソアホックと呼ばれる状態につながることがあるとされます)
  • 体重が減ってくる、あるいは運動量が減って増えてくる

体重が急に減っていく場合は、歯のトラブルや病気が隠れていることがあるとされています。定期的に体重を量り、記録しておくと変化に気づきやすくなります。

暑さ・寒さに弱くなります

高齢になると温度の変化に敏感になり、去年までは大丈夫だった温度で熱中症や夏バテを起こすことがあるとされています。これまでと同じ温度管理で安心せず、その年ごとに様子を見ながら調整していくことが大切です。

動物病院に相談するときに、伝えておきたいこと

「なんとなくおかしい」という段階でも、受診をためらう必要はありません。むしろ、はっきりした症状になる前のほうが、伝えられる情報が多いこともあります。診察の場で慌てないよう、次の順に整理しておくと落ち着いて相談できます。

動物病院で診察を受ける小さな家族のイメージ
写真はイメージです

1いつから、どんな様子かをメモにする

「1か月ほど前から、夕方になるとケージの隅でじっとしている」というように、時期と場面をできるだけ具体的に書き出します。だんだん進んだのか、ある日突然だったのかも、大切な手がかりになります。

2食べた量・うんち・体重を記録する

ペレットや牧草をどれくらい食べているか、うんちの大きさと数がいつもと変わらないか、体重がどう推移しているか。うさぎの体調を知るうえで、この3つはとくに手がかりになります。

3気になる動きを短い動画に残す

ふらつき、首の傾き、旋回といった動きは、診察室では出ないこともあります。数十秒の動画があるだけで、獣医師に伝わる情報が大きく変わります。

4暮らしの変化と、これまでの経過を伝える

模様替えや引っ越し、同居動物の変化、これまでにかかった病気や治療中のお薬があれば、あわせて伝えます。環境の変化がきっかけになっていることもあります。

診察では、症状や状態に応じて検査や投薬による経過観察が行われることがあります。うさぎでは確定診断が難しい病気もあり、治療への反応を見ながら方針を決めていく場合があると説明されています。すぐに答えが出なくても、獣医師と一緒に確かめていく過程そのものが、この子を楽にすることにつながります。

家の中を、いまのこの子に合わせて整える

原因を確かめる一方で、飼い主さんが今日からできることもあります。それが住まいの調整です。特別な設備は必要なく、段差・床・トイレ・配置という4つの視点で見直すだけで、この子の負担はずいぶん軽くなるとされています。

高齢のうさぎのために住まいで整えたい段差・床材・トイレ・配置の4つを示した図解
高齢のうさぎのために住まいで整えたい4つ(当メディア編集部作成)

1段差をなくす、またはゆるやかにする

高い段差は足腰の弱ったうさぎには負担になり、けがの原因にもなりうるとされています。ステップやスロープを添えて、飛び降りずに上り下りできるようにします。二階建てのケージであれば、思いきって平屋にする選択もあります。

2滑り止めを敷き、やわらかい床材に替える

滑る床は足腰への負担になります。カーペットやマットを敷いて踏ん張れるようにし、床材は足に負担の少ないものへ。動きが少なくなってきた子には、やわらかいクッションを用意して床ずれを防ぐ工夫がすすめられています。

3トイレ・食器・給水を、近くに低く置く

姿勢を保つのが難しくなってくると、ふちの高いトイレやボトルの給水器が使いにくくなります。段差の少ないトイレへの交換、ふちの低い食器、ボトルから皿への変更などが有効とされています。皿は倒れにくいものを選ぶと安心です。

4レイアウトは変えず、見通しよく保つ

視力が落ちてくると、覚えている配置が頼りになります。ケージ内のレイアウトは変更しないことがすすめられています。移動する場所には物を置かず、動線をすっきりさせておくと、迷わず過ごせます。

あわせて、健康診断の習慣も見直しておきたいところです。高齢のうさぎでは、少なくとも半年に1度の健康診断を受けることがすすめられています。見た目では分かりにくい体の変化に早く気づくための、静かな備えになります。

うさぎを診られる動物病院を、元気なうちに確保しておく

これは、うさぎと暮らすうえでとても大切な備えです。犬や猫と違い、うさぎは診療できる動物病院が限られます。何かあってから探し始めると、受け入れ先が見つからないまま時間が過ぎてしまうことがあります。元気なうちに、かかりつけと、いざというときの選択肢を決めておいてください

そっと寄り添う手と小さな家族のイメージ
写真はイメージです

かかりつけを見つけるときの視点

  • うさぎやエキゾチックアニマルの診療実績があると公式サイトに明記されているか
  • 歯や消化管、神経症状など、うさぎで多いテーマを扱っているか
  • 移動時間はどのくらいか(うさぎは移動そのものが負担になります)
  • 健康診断でどんな検査を受けられるか

近年はうさぎの診療に対応する動物病院や獣医師が増えてきているといわれます。動物病院の検索サイトで診療対象動物から絞り込む方法もありますが、掲載情報は変わることがあるため、受診前に必ず電話で「うさぎを診てもらえるか」を確認してください

夜間・救急の連絡先も控えておく

体調の急変は、診療時間内に起きるとは限りません。夜間や休診日に対応してもらえる病院があるか、事前予約が必要かを、あらかじめ調べて連絡先を控えておきます。かかりつけの休診日と、その日に頼れる病院。この2つが決まっているだけで、いざというときの動き方が変わります。

いつかのお別れを思ったときに

高齢期を一緒に過ごしていると、ふと、この先のことを思う瞬間があるかもしれません。考えるのはつらいことですが、もしものときの流れを静かに知っておくことは、慌てずにこの子との時間を過ごすための、そっとした備えになります。

静かに手を合わせる供養の情景のイメージ
写真はイメージです

いまはまだ、この子が穏やかに過ごしてくれることを願いながら。心の片隅に「その時が来ても大丈夫」という小さな安心を置いておくことは、残された時間をより大切に過ごすことにもつながります。

そして、もしお別れのあとに深い悲しみに包まれる日が来ても、それはこの子を深く愛した証です。悲しみとの向き合い方に、正しいひとつの形はありません。

よくある質問

Qうさぎにも認知症はあるのでしょうか?

Aうさぎについては、犬や猫のように確立された診断基準は見あたりません。うさぎ向けの情報でも「認知症のような症状が起こる可能性はあるが、正式な診断基準はない」と慎重に説明されています。そのため、認知症を思わせる行動が見られたときは、まずエンセファリトゾーン症、耳や前庭のトラブル、視覚・聴覚の低下、痛み、環境の変化といった他の原因がないかを動物病院で確かめることが大切だとされています。

Qうさぎは何歳から高齢になりますか?

A一般に6〜7歳を過ぎた頃からが高齢期といわれています。平均寿命は7〜8年とされることが多く、5歳を超えたらシニア期と考えて備え始めるという考え方も紹介されています。ただし個体差が大きいため、年齢の数字だけでなく、食べる量・うんちの状態・動き方・毛づくろいの様子など、この子自身の変化を見てあげることが確かな目安になります。

Qぐるぐる回る、首が傾くのは認知症のサインですか?

Aこれらは認知症のサインと決めつけないほうがよい様子です。動物病院の解説では、首が傾く「斜頸」の背景として、パスツレラなどの細菌感染、エンセファリトゾーンの寄生、内耳炎・中耳炎、前庭の障害、頸部の損傷、脳の腫瘍などが挙げられています。原因によって対応が変わり、早い相談が選択肢を広げることにつながるとされています。短い動画を撮って、早めに動物病院にご相談ください。

Q高齢のうさぎの健康診断は、どのくらいの頻度で受けるとよいですか?

A高齢のうさぎでは、少なくとも半年に1度の健康診断がすすめられています。うさぎは不調を表に出しにくいとされるため、定期的に診てもらうことで、見た目では分かりにくい変化に早く気づけると説明されています。検査の内容や頻度は、かかりつけの動物病院と相談しながら、その子に合わせて決めていくとよいでしょう。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。うさぎの「認知症」は確立された診断名ではなく、記載した年齢や症状の目安には個体差があります。病気の診断は診察を受けた獣医師によって行われます。気になる症状がある場合は、動物病院にご相談ください。掲載内容は執筆時点(2026年8月)で確認できた各情報源の内容です。

まとめ

うさぎの「認知症」は、犬や猫のように診断基準が確立された病気ではありません。ぼんやりしている、ぐるぐる回る、トイレを失敗する——そうした様子の背景には、エンセファリトゾーン症、内耳炎・中耳炎などの前庭のトラブル、視覚や聴覚の低下、関節や背中の痛み、環境の変化によるストレスといった、対応の方法がある原因が隠れていることがあります。「年のせい」と決めてしまう前に、動物病院で一つずつ確かめていくことが、この子を楽にする近道です。

そのうえで、段差をなくし、床を滑らないようにし、トイレや食器を届きやすい場所へ移し、レイアウトはそのままに——住まいをいまのこの子に合わせて整えていく。そして、うさぎを診てもらえる動物病院を元気なうちに見つけておく。できることは、思っているより多くあります。

変化に気づけたのは、この子をずっと見つめてきた飼い主さんだからこそです。小さな家族との毎日が、これからも穏やかであたたかなものでありますように。

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